• ハーブひと筋に30年。さまざまなハーブを育てる楠瀬さん一家に、ハーブの多彩な楽しみ方を教わりました。
    (『天然生活』2017年8月号掲載)

    やっぱりハーブって、いい香りなんです。

    健太さんはそのまま、このハーブショップに就職して6年働き、10年前に高知へ戻ってきました。現在は、路地での切り花用や苗ものを健太さん、ハウスでの食用を康博さんと、分担しながら親子でハーブを育てています。

    「ひとつ、つくりましょうか」。畑で見つくろったレモングラスや矢車菊を束ねて、健太さんがブーケをつくってくれました。ハーブならではのみずみずしさと素朴なかわいらしさ、そして清涼な香りにあふれるブーケです。

    「やっぱりハーブって、いい香りなんです。作業に追われてしんどいときでも、この香りをかぐと安らぐ。これだけ毎日やっても飽きないんだから、すごいと思う」

    ハーブを囲む、いつもの幸せなひと時

    「そろそろ、お昼ごはんにしましょうね」。朝子さんの声で、家族が庭のテーブルに集まりました。ハーブチキンにバジルのカッペリーニなど、畑でとったばかりのハーブをたっぷり使った豊かな食卓です。朝子さんがニコニコと、青いボリジの花を入れた小さな瓶をテーブルに飾りました。

    画像: バジル、トマト、グリーンピースのカッペリーニにお花を添えて

    バジル、トマト、グリーンピースのカッペリーニにお花を添えて

    画像: きざんだローズマリーを練り込んだスコーン。食事にも合う

    きざんだローズマリーを練り込んだスコーン。食事にも合う

    画像: メロンに自家製のミントシロップをかけて甘く爽快な味わいに

    メロンに自家製のミントシロップをかけて甘く爽快な味わいに

    画像: ローズマリーで香りづけしたチキンは葉ものハーブとパンにはさむ

    ローズマリーで香りづけしたチキンは葉ものハーブとパンにはさむ

    いろいろな楽しみ方ができるのがハーブの魅力

    「いろいろな楽しみ方ができるのがハーブの魅力です。ハーブがあると暮らしが豊かになります。お父さんといつもいっているんだけど、ハーブ農家をやってきたのは楽しいからだよね、って」

    切り花の注文につながったブーケを朝子さんが「楽しみ」でつくったように、ハーブの花をたくさんクッキーにあしらったり、ミントの葉をお風呂に浮かべたり、楠瀬家はいつも暮らしのなかでハーブを楽しんでいます。

    もっと家庭で気軽に自由にハーブを使ってもらえたらいいのに、と健太さんはいいます。「家族でハーブを囲んだ記憶は、香りとともに自分に残っていく。香りでつながれるって、ハーブならではなのかなと。ちょっと、素敵じゃないですか?」

    ハーブの育て方ワンポイントアドバイス

    水やりや日当たりなどは、それぞれの原産地の気候を参考にするのがコツ。「なるべく、ベランダや庭など、外で育てるのが理想です」

    画像: ローズマリー 地中海が原産のため、日当たりがよく水はけのよい環境を好む。水をやりすぎず、乾燥気味の管理でもOK。あまり手をかけないのが上手に栽培するこつ

    ローズマリー
    地中海が原産のため、日当たりがよく水はけのよい環境を好む。水をやりすぎず、乾燥気味の管理でもOK。あまり手をかけないのが上手に栽培するこつ

    画像: バジル アフリカやインド、南アジアなどが原産。暑さに強いため、たっぷりの日差しと水で育てる。冬には枯れてしまうので、秋に収穫しドライやペーストにして保存

    バジル
    アフリカやインド、南アジアなどが原産。暑さに強いため、たっぷりの日差しと水で育てる。冬には枯れてしまうので、秋に収穫しドライやペーストにして保存

    画像: ミント ユーラシア大陸などが原産。スぺアミント、ペパーミントなど、どの品種もおおむね丈夫で、育てやすい。土は選ばないが、なるべく日当たりのよい場所がよい

    ミント
    ユーラシア大陸などが原産。スぺアミント、ペパーミントなど、どの品種もおおむね丈夫で、育てやすい。土は選ばないが、なるべく日当たりのよい場所がよい

    画像: イタリアンパセリ ヨーロッパ、西アジアなどが原産。日なたから半日陰で風通しのよいところを好む。乾燥には比較的強い。花芽を摘むことで、より長く収穫できる

    イタリアンパセリ
    ヨーロッパ、西アジアなどが原産。日なたから半日陰で風通しのよいところを好む。乾燥には比較的強い。花芽を摘むことで、より長く収穫できる

    画像: タイム 種類が多く、写真のコモンタイムはヨーロッパが原産。日当たりと水はけがポイントで、表面の土が乾いたら水をやる。夏は西日の当たらない場所に

    タイム
    種類が多く、写真のコモンタイムはヨーロッパが原産。日当たりと水はけがポイントで、表面の土が乾いたら水をやる。夏は西日の当たらない場所に

    暮らしのなかのハーブのアイデア

    画像: 母・朝子さんのおすすめ ドライハーブ

    母・朝子さんのおすすめ
    ドライハーブ

    画像: 気分や体調に合わせて、毎日、ハーブティーを飲む朝子さん。レモングラスやセージなど好きなハーブを束ねて、お茶用にドライにしている。「ドライは干しておくだけでもいい香りだし、保存が利いて便利です。ローズマリーは、リースにして飾りながらドライにしていくのもおすすめ。虫よけにもなります」

    気分や体調に合わせて、毎日、ハーブティーを飲む朝子さん。レモングラスやセージなど好きなハーブを束ねて、お茶用にドライにしている。「ドライは干しておくだけでもいい香りだし、保存が利いて便利です。ローズマリーは、リースにして飾りながらドライにしていくのもおすすめ。虫よけにもなります」

    画像: お嫁さん・幸子さんのおすすめ ティーブーケ

    お嫁さん・幸子さんのおすすめ
    ティーブーケ

    画像: 束ねてブーケ状にしたフレッシュハーブにお湯を注いで、お茶を楽しむティーブーケ。レモンバーベナやレモングラス、パイナップルセージなどをブレンドすると、飲みやすい味に。「朝はコーヒーだけど、午後にひと息つきたいときには、これ。すぐに飲まない場合は、ドライにしても楽しめます」

    束ねてブーケ状にしたフレッシュハーブにお湯を注いで、お茶を楽しむティーブーケ。レモンバーベナやレモングラス、パイナップルセージなどをブレンドすると、飲みやすい味に。「朝はコーヒーだけど、午後にひと息つきたいときには、これ。すぐに飲まない場合は、ドライにしても楽しめます」

    画像: 妹・裕美さんのおすすめ お花畑クッキー

    妹・裕美さんのおすすめ
    お花畑クッキー

    画像: 色とりどりのハーブの花をあしらったクッキーは、まるふく農園や日曜市でも販売している。「お花は10種類くらいを使って、見た目重視で飾ります。ざらめを使った、ザクザクの食感もポイントです。かわいいからギフトにもいいと思います」

    色とりどりのハーブの花をあしらったクッキーは、まるふく農園や日曜市でも販売している。「お花は10種類くらいを使って、見た目重視で飾ります。ざらめを使った、ザクザクの食感もポイントです。かわいいからギフトにもいいと思います」

    画像: 健太さんのおすすめ ハーブウォーター

    健太さんのおすすめ
    ハーブウォーター

    画像: たくさんのフレッシュハーブで香りづけしたハーブウォーターは、見た目もさわやかでイベントでも人気。「写真のサーバーの場合、ハーブを詰めて6リットルの水と2kgの氷を入れ、30分ほどしたら飲み頃です。炭酸水でつくってもおいしいです」

    たくさんのフレッシュハーブで香りづけしたハーブウォーターは、見た目もさわやかでイベントでも人気。「写真のサーバーの場合、ハーブを詰めて6リットルの水と2kgの氷を入れ、30分ほどしたら飲み頃です。炭酸水でつくってもおいしいです」

    画像: 母・朝子さんのおすすめ ミント風呂

    母・朝子さんのおすすめ
    ミント風呂

    画像: じめじめした時季にぴったりのミント風呂。お茶用のネットなどにミントを入れ、浴槽のお湯の蛇口近くに浮かべるか、鍋かやかんで煮出して、お風呂に注ぐ。「爽快感があって、すっきりします。温まりたいときはカモミールを使います」

    じめじめした時季にぴったりのミント風呂。お茶用のネットなどにミントを入れ、浴槽のお湯の蛇口近くに浮かべるか、鍋かやかんで煮出して、お風呂に注ぐ。「爽快感があって、すっきりします。温まりたいときはカモミールを使います」

    ※妊娠中の方がハーブづくりを楽しむ場合、かかりつけ医に相談のうえ行い、食利用はお控えください

    <撮影/河上展儀 取材・文/熊坂麻美>

    まるふく農園
    高知県高知市福井町512-1
    ☎088-875-3826
    http://www.marufuku.noen.biz/

    ※トップの写真について
    ハーブに囲まれてハーブたっぷりの料理を楽しむ楠瀬家。お昼ごはんや作業の合間のお茶タイムのほか、農園を見学するお客さんが来たときなどに庭のテーブルでおもてなし

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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