• 生活に寄り添う仕分け収納で、快適に暮らす美濃羽さん。築約90年の京町家で取り入れている工夫のあれこれをお聞きしました。
    (『天然生活』2016年7月号掲載)

    美濃羽家の片づけ3カ条
    一 できるだけ、床に物を置かない
    二 掃除終了時間を事前に決めてからとりかかる
    三 片づけない家族を責めずに、収納のほうを工夫する

    かご収納から始まった美濃羽さんの片づけ

    古い町並みが残る、京都西陣。服飾作家の美濃羽まゆみさんは、8年前から、家族とともに築約90年の京町家で暮らしています。

    「片づけは得意なほうではなかった」という美濃羽さんですが、ふたりの子どもの出産・育児を機に、「片づけないと暮らせない状況」に追い込まれていったそうです。

    「以前は、多少ごちゃごちゃしていても、布をかけておけばいいか、なんていう調子で。でも、子どもは何にでも触るし、引っ張り出しちゃう。それで、少しずつ、かごにしまうことから始めたんです」

    かごは、軽くて、何でも入れられるのが魅力

    かご好きで、雑貨店や旅先で、お気に入りを見つけては、買いそろえていったという美濃羽さん。持ち手のあるものや、ふたが閉まるものなど、さまざまなかごを活用し、あちこちに収めています。

    「かごは、軽くて、何でも入れられるのが魅力。こまごましたものは、かごごと出し入れすれば楽ですし、カトラリーなどは、かごのまま食卓へ出したりしています」

    かご収納から始まった美濃羽さんの片づけは、やがて、家族も自分も片づけやすい、快適な空間づくりへと発展していきます。友人宅で見て取り入れたという、階段横の有孔ボードもそのひとつ。

    「子どもが帽子や鞄を自分で選べて、片づけもできます。『あれどこ?』が少なくなりましたね」

    リビング 有孔ボード、水屋箪笥、薬棚を取り入れて

    1 引き出しの中はかごで仕切りをつくる

    画像: 箸やコースターなど、バラバラになりやすいキッチン雑貨は、水屋箪笥の引き出しに。小ぶりのかごを幾つか並べ、種類ごとに収納している。スプーンも素材で分けているので、見つけやすい(※トップの写真 1)

    箸やコースターなど、バラバラになりやすいキッチン雑貨は、水屋箪笥の引き出しに。小ぶりのかごを幾つか並べ、種類ごとに収納している。スプーンも素材で分けているので、見つけやすい(※トップの写真 1)

    2 食器の収納場所は使用頻度で決める

    画像: よく使う食器は、一番取り出しやすいガラス戸の棚に。上部の板戸の中は、歳時の器や料理道具など、使用頻度の低いものを。「食器はこれ以上増えないように、新しく購入したら、使わなくなった器を友人に譲ったりしています」(※トップの写真 2)

    よく使う食器は、一番取り出しやすいガラス戸の棚に。上部の板戸の中は、歳時の器や料理道具など、使用頻度の低いものを。「食器はこれ以上増えないように、新しく購入したら、使わなくなった器を友人に譲ったりしています」(※トップの写真 2)

    画像: 居間の中央には、背の低い籐のチェストが。9つの引き出しそれぞれに、お子さんの下着やカットソー、ご主人の着替えなど、しわになりにくい服を入れているそう。持ち手のある大きな竹かごは洗濯物入れに

    居間の中央には、背の低い籐のチェストが。9つの引き出しそれぞれに、お子さんの下着やカットソー、ご主人の着替えなど、しわになりにくい服を入れているそう。持ち手のある大きな竹かごは洗濯物入れに

    3 レターラックにはお気に入りだけを

    画像: 届いたかわいいはがきは、ラックに飾っておくことも。「不用な紙類は、廃品回収用に分別しておきます。学校関連のお便りは、みんなが見られるように、トイレの壁に貼ることもあります」

    届いたかわいいはがきは、ラックに飾っておくことも。「不用な紙類は、廃品回収用に分別しておきます。学校関連のお便りは、みんなが見られるように、トイレの壁に貼ることもあります」

    4 こまごましたものは引き出しの多い和家具に

    画像: 4 こまごましたものは引き出しの多い和家具に
    画像: インドネシアの古いチーク材で仕立てた家具は、幾つもある引き出しが便利。文具や薬などを入れているそう。表から見えない場所にマスキングテープのメモを貼り、仕分けしやすい工夫も

    インドネシアの古いチーク材で仕立てた家具は、幾つもある引き出しが便利。文具や薬などを入れているそう。表から見えない場所にマスキングテープのメモを貼り、仕分けしやすい工夫も

    デッドスペースには有孔ボードのラックを

    画像: 階段横の有孔ボードは、子どもの持ち物を収納する場所に。「友人宅で見て、すぐにホームセンターへ買いにいきました。何がどこにあるか、子どももひと目でわかって、いいみたいです」

    階段横の有孔ボードは、子どもの持ち物を収納する場所に。「友人宅で見て、すぐにホームセンターへ買いにいきました。何がどこにあるか、子どももひと目でわかって、いいみたいです」

    画像: “ごはんのときはテレビを見ない”など、約束事を記した「美濃羽家けんぽう」。目につくように、トイレの壁に貼ってある

    “ごはんのときはテレビを見ない”など、約束事を記した「美濃羽家けんぽう」。目につくように、トイレの壁に貼ってある

    美濃羽まゆみさんの「かご」と「和家具」で、片づけやすい家づくり(後編)へ ⇒

    <撮影/辻本しんこ 取材・文/山形恭子 イラスト/須山奈津希>

    美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
    長女の誕生を機に、子ども服づくりを始める。「FU-KO.basics」のブランド名で、ネットを中心に販売、シンプルなスタイルが人気に。長男の出産後は、個展会場などでの受注販売に限定し、心を込めた服づくりを続けている。著書に『FU-KOさん家の小さなくふう、ていねいな毎日の作り方』(日本ヴォーグ社)など。

    画像: 美濃羽まゆみさんの「かご」と「和家具」で、片づけやすい家づくり(前編)

    ※トップの写真について
    収納力たっぷりの水屋箪笥は美濃羽さんのお気に入り。「ここに越してきたときに購入しました。滋賀の時計屋さんで使われていた、110年くらい前のものだそうです」

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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