ダイエットをしたいけど、激しい運動はしたくない!という人も多いのでは? 実は「歩く」動作だけで、全身をボディメイクすることが可能なのです。
おなかがぽっこり出ている、ももが太い、ふくらはぎが張っているなど、ボディラインを気にしている人は、「正しい歩き方」ができておらず、それにより、体のラインが崩れてしまっていることが多いのです。
その悪い歩きグセを取り、「歩く」動作を理想的に行うことができると、「やせるウォーキング」=「やせウォーク」に変わります。すると、ハードな運動や筋トレ、食事制限をしなくても、ただ歩くだけで、太ももやふくらはぎ、おなか、腕、お尻など、全身をスリムアップすることが可能に! 人気ボディワーカーの森拓郎さんに、「やせウォーク」を習得するための、基本のストレッチを教えてもらいました。
「股関節」と「前もも」をケアして、歩いてやせる体に
悪い歩きグセの元凶となるのが、股関節のかたさと前ももの張り。
本来、歩く動作は、お尻の筋肉を推進力にして行うもの。しかし、股関節がかたくなると、お尻が動かず、脚の力だけでひっかくように歩こうとしてしまいます。すると、前ももやふくらはぎに負荷がかかり、歩けば歩くほど脚が太くなってしまうのです。
まずは、やせウォークの妨げになる股関節をほぐし、前ももをしっかり伸ばしていきましょう。今回、ご紹介する2つのストレッチを毎日の習慣にすると効果的です。
股関節のストレッチで可動域を広げる
脚の振り出しに欠かせない股関節は、やせウォークの要の関節。前ももやふくらはぎに負荷がかかりすぎないよう、ストレッチで股関節の柔軟性を高めましょう。すると、お尻の力を使ってまっすぐ歩けるようになり、理想の歩き方に近づきます。
① 床に座り、右ひざに左脚をかける
両ひざを軽く曲げて床に座り、両手を体の後ろについたら、左足を右ひざの上あたりに引っかけるようにします。
② 左脚を抱え込み、股関節を伸ばす
左脚を抱えて、股関節を伸ばし、左ももの前とおなかがくっつくように、ひざを引き寄せます。お尻やももの奥が伸びているのを感じながら、息を止めずにこの姿勢を30〜60秒キープ。伸びが足りない場合は、左脚を引きつけ、脚全体を体側に引き寄せます。【左右各30〜60秒】。
背中は丸めずに伸ばし、骨盤を前に起こすようにすると効果的です。
前もものストレッチで筋肉の張りを取る
股関節の次にストレッチしたいのが前もも。お尻を使って歩けていないと、前ももに負担がかかります。ここの筋肉が発達してしまうと、脚の筋肉を頼りに歩こうとするため、歩くほどに脚がたくましくなる悪循環に。前ももをしっかり伸ばして、張りを取っていきましょう。
① 床に横に寝そべり、右ひざを曲げる
床に体の右側を下にしてまっすぐ寝そべり、右脚を前に出し、ひざを90度に曲げます。右腕はひじを曲げて頭の下に、左腕は体側に置きましょう。
② 左ひざを曲げ、つま先を持つ
前に出した脚とは反対の左ひざを体の後ろに曲げ、左手でつま先を持ったら、左足のかかとをお尻に近づけて、前ももをストレッチ。腰が反らないように丸めて、下腹部に力をいれるようにして、息を止めずに行いましょう。【左右各30〜60秒】
やせたいのなら、ハードな運動を始める前に、まずは歩き方を見直すことが大切です。歩きグセを直して、理想の歩き方を身につけることで、散歩や買い物が最強のボディメイクに変わります。
森拓郎さんの著書『やせウォーク4週間プログラム』(扶桑社刊)では、1日10分、自宅でできる簡単トレーニングで、やせウォークが身につくメソッドを紹介しています。モデルは女優の高橋メアリージュンさんです。
本書では、知らず知らずのうちに身についた悪い歩きグセを取り、やせるウォーキング= 「やせウォーク」を手に入れるための4週間プログラムを紹介。
<モデル/高橋メアリージュン 撮影/天日恵美子>
森 拓郎
ボディワーカー。大手フィットネスクラブを経て、2009年、自身のスタジオ『rinato』を東京・恵比寿にオープンし、ボディメイクやダイエットを指導している。枠にとらわれない独自の角度からのアプローチで、ファッションモデルや女優など著名人の支持を集める。