• 「おまもり」の語源は“見守る”だそうです。私が私らしく、居心地よく生きるための「おまもり」を分けていただきに、大段まちこ(フォトグラファー)&井尾淳子(フリー編集者)のふたりが、心とからだを整える魔法使いのような人々を訪ねます。東京・表参道にある「源保堂鍼灸院(げんぽうどうしんきゅういん)」の瀬戸佳子先生に、初夏の時期にぴったりな、暑さを取り除くカンタン「薬膳おやつ」を教えていただきました。
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    おまもりルームより
    ふっくらとした愛を込めて。
    画像: おまもりルーム | 心とからだを整える。
第四回 つくろう! かんたん薬膳おやつ(豆乳プリン編)
「源保堂鍼灸院」(東京・表参道)
大段まちこ×井尾淳子

    「薬膳おやつの会」とは?

    源保堂鍼灸院の院長・瀬戸郁保(いくやす)先生に、美肌&つやを引き出すセルフお灸についてお話を伺った私たち。

    今回は、天然生活2020年7月号でも、「梅雨から夏の養生法」をお伺いしている、妻の瀬戸佳子先生に、春から初夏にかけておすすめの「薬膳おやつ」のつくり方を教わりました。

    画像: 源保堂鍼灸院には、国際中医薬膳師の佳子先生が担当する「薬膳部」があります。希望する人は、体調、ライフスタイル、シーズンに合わせた食事相談&アドバイスが受けられますよ。

    源保堂鍼灸院には、国際中医薬膳師の佳子先生が担当する「薬膳部」があります。希望する人は、体調、ライフスタイル、シーズンに合わせた食事相談&アドバイスが受けられますよ。

    井尾:「大段さんは、佳子先生の食事相談を受けて、食生活が大きく変わったんですよね」

    大段:「そうなんです~。冷たいものを飲まなくなったり、肉類などのタンパク質をなるべく摂るようにしたり。おかげさまで、以前よりも食生活を意識するようになりました」

    佳子先生:「素晴らしいです。鍼灸治療に加えて、日常の食生活を整える。この両輪で、自己治癒力はさらに発揮されるようになりますからね」

    二人:「ふむふむ(ナットク!)

    画像: 薬膳部では、定期的に「薬膳おやつ会」が開かれています。佳子先生の手作りによる、薬膳おやつをいただきながらのお話会です(次回開催は未定)。

    薬膳部では、定期的に「薬膳おやつ会」が開かれています。佳子先生の手作りによる、薬膳おやつをいただきながらのお話会です(次回開催は未定)。

    初夏の薬膳ポイント(1)暑さを取り除く

    佳子先生:「では早速、ひと品目を。まずは“甘酒豆乳いちごプリン”です」

    二人:「美味しそう~!!」

    井尾:「からだにいいポイントは何でしょう?」

    佳子先生:「まず、いまの時期は、東洋医学の暦では、初夏に該当します。いちごのように、夏は赤い食べ物を摂ると体調が整いやすいんですよ」

    大段:「いちごは、そうなんですか? わたし、食べ物の中ではいちごが一番好きなんです~」

    佳子先生:「はい。解暑(げしょ)作用と言って初夏の暑さを取り除くなど、赤い食べ物には夏の体を助けるものが多いんです。大段さんはたしか、肝が弱い体質でしたよね。いちごには、春で疲れた肝臓を補う働きもあるので、この時期はおすすめですよ」

    大段:「そうなんですね。好物でよかったです~」

    井尾:「夏は赤い食べ物なんですね〜」

    佳子先生:「赤いものには、利尿作用や疲労回復作用など、夏の体を過ごしやすくしてくれるものが多いんですよ」

    二人:「知らなかった!」

    甘酒豆乳いちごプリンのつくり方

    画像: 甘酒豆乳いちごプリンのつくり方

    <材料・150ml容器3個分>

    ● 甘酒120ml
    ● 豆乳120ml
    ● いちご40g
    ● 粉ゼラチン5g
    ● 水大さじ1

    <つくり方>

     粉ゼラチンを水でふやかしておく。

     いちごはへたを取って、3粒は飾り用に縦半分に切り、残りはボウルに入れる。甘酒を加えてハンドブレンダーで(なければフォークの背を押しつけるようにして)いちごをつぶす。

     小鍋に豆乳を入れて温め(目安は40~50℃。マグカップに入れて電子レンジで温めてもOK)、を加えて、混ぜながら完全に溶かす。

     を入れ、容器に流し入れる。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて1~2時間冷やし固める。

     が固まったら、飾り用のいちごをトッピングする。

    ※ ※ ※

    井尾:「牛乳は使わず、豆乳なんですね」

    佳子先生:「そうなんです。豆乳でつくることでさらに、肝臓の働きを助ける効果がアップします。肝臓の栄養は、タンパク質なんですよ」

    大段:「たしかに、豆乳の原料は大豆だから、タンパク質ですね」

    佳子先生:「はい。タンパク質が豊富なので、いちごと同様に、春に疲れた肝臓を補う作用があります。しかも豆乳は、体が潤う作用と体の熱を冷ます作用の両方があるんです」

    井尾:「豆乳、優秀!」

    佳子先生:「暑さに慣れていない今の時期は、ぜひ豆乳を活用しましょう」

    豆乳バナナプリンのつくり方

    画像: 豆乳バナナプリンのつくり方

    <材料・150ml容器3個分>

    ● 豆乳150ml
    ● バナナ2本
    ● きな粉適量
    ● 白味噌小さじ1
    ● 白すりごま小さじ1
    ● アーモンドスライス適量

    <つくり方>

     バナナの皮をむいて筋をとり、厚さ3mmほどの輪切りにする。トッピング用に1/2本分残し、残りを耐熱容器に入れてふんわりとラップをし、電子レンジ(500W)で様子を見ながら2分ほど加熱する。

     を取り出し、熱いうちにフォークやマッシャーなどで潰す(ラップをあけるとき、蒸気でやけどをしないように注意)。

     に豆乳、きな粉、白味噌、すりごまを入れて混ぜ、容器に入れる。冷蔵庫に入れて1~2時間冷やし固める。

     が固まったら、トッピング用のバナナと アーモンドスライスをのせる

    ※ ※ ※

    春~初夏の薬膳ポイント(2)甘いものはなるべく控える

    佳子先生:「次は、同じく豆乳のプリンです。こちらはバナナを使ったもの」

    井尾:「豆乳プリンって、カンタンなんですね~。これならつくれそう」

    佳子先生:「こちらのプリンは、豆乳とバナナを混ぜると自然と固まるので、ゼラチンも使っていないんですよ。カンタンにつくりたい人にはおすすめです」

    大段:「そして、いちごのもバナナのも、お砂糖を使っていない?」

    佳子先生:「はい。この時期のポイントとしては、甘いものはとくに控えてほしいんです。甘いものを摂ると胃腸が弱くなって、免疫力が下がります。すると風邪をひきやすくなるし、梅雨時期のむくみや食欲不振につながりやすいんです」

    井尾:「ついつい、冷たくて甘いものでリラックスタイムしがちですが……。それ、ダメなやつなんですね!」

    大段:「食べている気がします……」

    佳子先生:「なるべく控えるよう、お願いします(笑)。なので薬膳おやつでは、素材の甘みを生かすようにしているんですよ。バナナプリンの方には、コクを出すために白味噌も入れましたが、面倒な人はなしでもOKです」

    なんちゃって豆花のつくり方

    画像: なんちゃって豆花のつくり方

    <材料・つくりやすい分量>

    ● 絹ごし豆腐1/2~1丁
    ● 甘酒適量
    [トッピング]
    ● 茹で小豆(加糖)・いちご・バナナ・きな粉 ・黒すりごま・クコの実各適量

    <つくり方>

     いちごはへたを取り、5㎜程度のさいの目切りに、バナナは皮をむいて薄くスライスする。

     豆腐を器に入れ、湯煎または電子レンジで軽く温める。

     に好みのトッピングをのせ、甘酒をかけていただく。

    ※ ※ ※

    おやつも工夫次第で栄養に

    佳子先生:「この“なんちゃって豆花”は、さらにカンタンです。いちごやバナナが余ったら、つくってみてください」

    井尾:「タンパク質は豆腐で摂れるし、お砂糖不要でつくれるし、めちゃいいですね!」

    大段:「本当にカンタン。甘いものが食べたくなったら、つくってみます」

    佳子先生:「おやつも食材の選び方次第で、ちゃんと栄養になりますから。我慢するのではなく、工夫をしましょう。“何もつくりたくない……”くらい疲れていたら、プレーンヨーグルトにクコの実やレーズン、黒ごまやきな粉、甘酒などをトッピングするだけでも違いますよ」

    二人:「常備しておきます!!」

    次回は引き続き、佳子先生による薬膳おやつ、豆乳を使った蒸しパンのつくり方を紹介します! お楽しみに!

    *佳子先生監修の『天然生活』2020年7月号「梅雨から夏の養生法」もぜひご参考に。梅雨の湿気を体にためないレシピや、夏の暑さを取り、体力を補うレシピも掲載しています。梅雨から夏にかけてを元気に乗り切りましょう。

    ※ ※ ※

    源保堂鍼灸院
    東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウム101
    Tel&Fax 03-3401-8125
    開院時間・曜日・料金(自由診療)↓
    https://genpoudou.com


    大段まちこ(おおだん・まちこ)
    フォトグラファー。かわいいもの、雑貨、ファッションなどをテーマに女性誌やライフスタイル誌で活躍。共著に『花と料理』(リトル・モア)などがある。
    http://odanmachiko.com/

    井尾淳子(いお・じゅんこ)
    フリーライター&編集。子育て雑誌の編集経験を経て、現在は書籍、Webコンテンツなどの編集、執筆を中心に活動。


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