猫保護猫から生まれたディエゴとココ
我が家には、もうすぐ9歳になる保護猫出身のディエゴとココがいます。
正確に書くと、保護されたお母さん猫のお腹に赤ちゃんがいることがわかり、獣医さんに預けられ、生まれた子猫がディエゴとココでした。
以前、住んでいた地域のキャットレスキューのWebサイトでは、それぞれの猫、犬の簡単な紹介と、どういうお家に引きとってもらいたいかが書かれています。
たとえば、年老いた猫と犬の場合は「静かに暮らしたいので、子どもがいないお家希望」といった具合です。ディエゴとココの先代の我が家の猫、デイジーとデニスも、このキャットレスキューからやってきました。
このWebサイトでディエゴとココ、そしてほかの兄弟たちが紹介されているのを見て、引き取りたいと伝えました。すると、ボランティアのスタッフが来て我が家をチェックした後、やっとディエゴとココをガーナー家の一員に迎えることができたというわけです。我が家には一時、先代のデイジー、デニスと合わせて猫が4匹もいましたが、デイジー、デニスは夜空の星になったので、いまは、ディエゴとココだけになりました。
新しい家族は甘えん坊とおっとりさん
ディエゴは甘えん坊の人見知りの男の子、ドアのノックが聞こえると、すぐに隠れてしまいます。ココは、おっとり、お花好きで社交家の女の子です。
引っ越して間もないある日、小さな中庭で猫のミャーミャー怒ってる声がします。すぐに夫が見に行くと、ご近所さんの猫、インカでした。インカはミニ版ココといってもいいくらい、ココにそっくりですが、性格は違って、冒険好きの女の子。ご近所さんによると、かなりの広範囲をふらふらと散歩しているようです。
庭に夫が現れたので、インカは退散。夫の足元でミャー、ミャーと急に威勢がよくなるディエゴです。こうして少しづつ、ご近所さんの猫たちともご対面となりました。
散歩をすると、家の前でお昼寝していたり、行儀よく座っていたり、いろんな猫を見かけます。猫好きの夫と散歩すると、猫を見かけると必ず止まるので、なかなか前に進めません。
猫や犬を飼っているほとんどの家では、自由に庭に出入りできるように小さなドアがバックドアに取り付けられています。犬は、庭から出られませんが、インカのような冒険好きな猫は塀を乗り越えます。でも、ちゃんと自分の家に帰っていきます。我が家のディエゴとココは、庭に出ても塀を乗り越えることはほとんどなく、まったりと日向ぼっこを楽しむくらいです。
保護されるのは犬と猫だけではありません
「保護」というと、どうしても犬と猫を想像します。しかし、夫のお姉さんは、犬と猫だけでなく、保護ポニー2頭を引き取り育てています。さまざまな理由でレスキューにやってくる動物。この動物たちを温かく迎え世話をする、ボランティアのスタッフたちと獣医さんなどの関係者には本当に頭が下がります。
イギリスで外出制限が始まり、スーパーでの食料品が品薄になっているというニュースが、新聞やテレビで騒がれ始めたころ、街のWebサイトで困った方へのボランティアの募集が告知されました。それと並んで、「獣医さんのところに、ペットフードがたくさんありますから、心配しないでください」という告知も。このひとことで、私を含めたペットを持つ街の人たちは、みんな安心したと思います。
外出制限も少しずつ緩和されてきて、イギリスでもまた少しずつ世の中が動き始めました。ディエゴとココは、あいかわらずののんびりした毎日で、おやつの夢をみつつお昼寝です。
<写真・文/コズエ・ガーナー>
コヅエ・ガーナー
神戸市出身。イギリス・コッツウォルズ在住。ソフトファニシング・インテリア、風水インテリアデザイナー。2008年からMisty Interiorをスタートし、ロンドンを中心に活動している。