(『天然生活』2013年8月号掲載)
にんにくパワーで夏バテ知らず 松田美智子
にんにく味噌を使って
豚肩ロースのにんにく味噌漬け
肉は味噌の浸透率が高いので、ある程度の厚みがあるものを選びます。味噌の発酵作用でやわらかくなり、焼き上がりはしっとりジューシーです。
材料(つくりやすい分量)
● 豚肩ロース肉(2cm厚さ) | 2枚 |
● にんにく味噌床(*) |
つくり方
1 豚肩ロース肉は、焼き縮みがないよう、数カ所、筋を切る。
2 不織布製のペーパータオルに包み、にんにく味噌床に漬ける。6~8時間おき、取り出して、ペーパータオルを外す。
3 十分に熱した魚焼きグリルを中火に落とし、豚肉をのせて約8分焼く。または天板に網を敷いた上にのせ、250℃に熱したオーブンで約12分焼く。
4 取り出した豚肉を1.5cm幅に切り分けて盛り、漬かっているにんにくを薄切りにして添える。
※長くおきたい場合は、ペーパータオルを二重にするなどして漬け時間を調整するとよい。
*にんにく味噌床のつくり方
豚肉、とり肉、牛肉から魚や野菜まで、どんな素材でも豊かな味わいになる万能の味噌床。使いつづけることで、うま味が増していくのも楽しみです。みずみずしい新にんにくの時季に仕込みましょう。
材料(つくりやすい分量)
● 田舎味噌 | 500g |
● 豆味噌 | 500g |
● にんにく | 1玉 |
● 酒 | 1/4~1/2カップ |
つくり方
1 にんにくは皮をむき、大きさによって縦半分~4等分に切り、芽を取り除く。
2 ボウルに好みの味噌2種と酒を入れて混ぜ合わせる。味噌は、ふだん使っているものと、もう一種は味の系統の違うものを合わせるとよい。
3 なめらかに混ざったら、ホウロウなどの密閉容器に移し、1のにんにくを空気に触れないように埋め、冷蔵庫で2週間ほどねかせ、なじませる。
◇ ◇ ◇
「味噌やにんにくを足しながら使いつづけて、かれこれ30年になります。豚肉、とり肉、牛たたき、モツァレラチーズ、にんじん、ごぼうと、何を漬けてもおいしいので、にんにく味噌は手離せません」と松田美智子さんはいいます。
そもそもは、実家に贈られた牛肉の味噌漬けをまねて工夫をしているうちに、にんにくを加える方法を思いつき、いまに至るのだそう。
塩分濃度が高いので、味噌床自体が悪くなることはなく、豚肩ロース肉で6~8時間と、短時間で漬かるのも利点。
「にんにく味噌床があれば、野菜の切れ端や、残ったお刺し身、かまぼこなども、漬けるだけで気の利いた一品料理になります。合理的に素材を使いきるというエコの観点からも、役立ちますよ」
<料理/松田美智子 撮影/川村 隆 取材・文/小松宏子>
松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった四季の保存食づくりをベースに、現代の生活でも無理なくできる、季節の食の楽しみを提案。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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