• 天然素材にこだわった、安心でおいしいパン屋さんをご紹介。北鎌倉にある「にちりん製パン」は、自家製粉の全粒粉を配合してつくるパンが人気の自家製酵母パンの店。そんな「にちりん製パン」の隠れた名物、ドイツの伝統製法でつくる本格的な味わいのライ麦パンをご紹介します。

    残ったパンが蘇る! その深い味わいに感動

    湘南小麦の全粒粉を配合した滋味深いパンが人気の「にちりん製パン」ですが、それとは別に、古いパンを再利用するという驚きの方法でつくられるライ麦パンが密かな人気を集めています。

    画像: こちらがライ麦パン「にちりんカンパーニュ」。ライ麦は無農薬栽培でつくられる兵庫県たつの市のただまき農園のものを使用 ※ライ麦パンは夏の間はお休みで、秋から春にかけて販売

    こちらがライ麦パン「にちりんカンパーニュ」。ライ麦は無農薬栽培でつくられる兵庫県たつの市のただまき農園のものを使用 ※ライ麦パンは夏の間はお休みで、秋から春にかけて販売

    画像: わずか一坪ほどのスペースにパンが並ぶ、小さなパン屋さん。パンは毎日20種類ほど焼かれ、最も多く揃うのは 13時頃

    わずか一坪ほどのスペースにパンが並ぶ、小さなパン屋さん。パンは毎日20種類ほど焼かれ、最も多く揃うのは 13時頃

    パンづくりを一手に引き受ける店主の津野大吾郎さんは、とにかく研究熱心。分厚いパンの専門書を読み漁り、心惹かれたのが、古いパンを再利用するというドイツの伝統的な製法でした。残ったパンを空焼きしてとっておき、それを水でふやかしてからパンの仕込みのときに生地に混ぜるというものだそう。

    画像: 穏やかで素朴な雰囲気の大吾郎さん。でも、パンの話になると止まらなくなるほど、パンにかける情熱は深い

    穏やかで素朴な雰囲気の大吾郎さん。でも、パンの話になると止まらなくなるほど、パンにかける情熱は深い

    画像: 残りもののパンを空焼きしラスク状にしておく。これに水を含ませフレンチトーストのようなプルプルの状態にしてから生地に投入

    残りもののパンを空焼きしラスク状にしておく。これに水を含ませフレンチトーストのようなプルプルの状態にしてから生地に投入

    「単にパンを再利用できるだけじゃなくて、そうすることで味に奥行きがでるんです。保水性が高まり日持ちがよくなるという利点も。それに、古いパンを入れることで、生地に水を多く加えられるから、食べやすくもなるんです。食感でいうともちもちに近いかな」

    早速いただいてみると、ライ麦の力強い旨味が口いっぱいに。しっとりした食感も手伝って、野菜や果物にも似たような、生命力をも感じさせます。リピート買いする方も多く、そのおいしさは、日本在住のドイツ人の方が「ドイツのパンと同じ味がする」と太鼓判を押すほどだそう。

    画像: ドイツのこの製法のことは、アメリカを代表するパン職人のジェフリー・ハメルマンさんと、日本を代表するパン職人の志賀勝栄さんの本で知った

    ドイツのこの製法のことは、アメリカを代表するパン職人のジェフリー・ハメルマンさんと、日本を代表するパン職人の志賀勝栄さんの本で知った

    画像: カンパーニュと同じ生地で焼かれた「ライ麦パン レーズン/くるみ/かぼちゃの種入り」も絶品。ライ麦がもたらす酸味とレーズンの甘み、ナッツの香ばしさが絶妙にとけ合う

    カンパーニュと同じ生地で焼かれた「ライ麦パン レーズン/くるみ/かぼちゃの種入り」も絶品。ライ麦がもたらす酸味とレーズンの甘み、ナッツの香ばしさが絶妙にとけ合う

    同じ生地でも、違った楽しみができるパンに

    「にちりん製パン」には、シンプルがゆえに小麦の味を引き立たせるパンが多く並びます。その筆頭が「食パン」で、バターや砂糖は一切加えずに焼き上げた素朴な味わい。それでも、湘南小麦の全粒粉を配合したり、自家製酵母の力をかりてゆっくり発酵させることで、噛むほどに旨味を感じる深い味に仕上がっています。

    画像: 「食パン」は水を多く加えることで、しっとりもちもちした食感に

    「食パン」は水を多く加えることで、しっとりもちもちした食感に

    そんな食パンと同じ生地で焼いたのが「角パン」。チャバタやリュスティックにも似た四角い形の不思議なパンです。

    「つくってみてわかったんですが、同じ生地でも、食パンと食べ比べるとけっこう味が違うんです。食パンは膨らませるためにしっかり生地をこねるんですが、角パンはあまりこねないので、その違いが大きいのかなと。角パンのほうが小麦の持つ甘さがストレートにでています」

    画像: 皮の旨味が強く、皮好きにおすすめの「角パン」。横で2等分して具を挟み、サンドイッチにしてもおいしいそう

    皮の旨味が強く、皮好きにおすすめの「角パン」。横で2等分して具を挟み、サンドイッチにしてもおいしいそう

    最後に、まだまだある「にちりん製パン」の人気パンをご紹介。

    画像: ルヴァンで焼く「フランスパン」は、軽い酸味が心地よく、噛むほどに風味が増す

    ルヴァンで焼く「フランスパン」は、軽い酸味が心地よく、噛むほどに風味が増す

    画像: バターロールの生地を使った、店の人気者。「はりねずみ」(右)はホワイトチョコレートとクルミを、「ねこ」(左)はミルクチョコレートとマカダミアナッツを包む

    バターロールの生地を使った、店の人気者。「はりねずみ」(右)はホワイトチョコレートとクルミを、「ねこ」(左)はミルクチョコレートとマカダミアナッツを包む

    画像: カットした断面。生地のバターの香りと、チョコの甘さ、ナッツの香ばしさがマッチ

    カットした断面。生地のバターの香りと、チョコの甘さ、ナッツの香ばしさがマッチ

    「余計なものはそぎ落として、材料はできるだけシンプルに」を理想とする「にちりん製パン」。でもそこに、古いパンを再利用したり、自家製酵母で時間をかけて発酵させたり、こね方を変えたり、水分量を変えたりと、創意工夫を重ねることで、奥行きのある複雑な味わいをつくりあげていました。ぜひとも奥深いパンを味わいに、足を運んでみてくださいね。

    画像: 同じ生地でも、違った楽しみができるパンに

    <撮影/山川修一 取材・文/諸根文奈>

    にちりん製パン
    0467-67-3187
    10:30~17:00
    木・金休み
    神奈川県鎌倉市山ノ内1388
    最寄り駅:JR横須賀線「北鎌倉」
    https://www.facebook.com/pages/category/Wholesale-Bakery/にちりん製パン-928442977167389/
    ※臨時休業などはfacebookにてお知らせしています。


    This article is a sponsored article by
    ''.