• 日々、食事づくりをしていると、献立づくりに悩むことが多いもの。マンネリを打破する、飽きさせない献立づくりのノウハウを松田美智子さんに伺います。今回は、朝食のメニューについて。
    (『天然生活』2015年12月号掲載)

    飽きさせない献立づくりのコツ[朝食編]

    画像: 飽きさせない献立づくりのコツ[朝食編]

    何かと忙しい朝は、いかに手をかけずに、マンネリにならずにおいしいものを出せるかが重要に。

    松田さんの朝食も、さくっとつくって、さっと食べられて、後片づけもささっと終わるのがモットーなのだとか。

    「つくるのに10分、食べるのに10分、片づけに10分を目安にしています。朝食は、主食のパンを焼くか、ごはんを温めて、スープやおかずを温めて添え、そして卵料理を一品つくるくらいで十分だと思います」

    そのためには、野菜料理のつくりおきをしておくことや、前日の残りものをいかに上手に利用するかがポイントになるそう。

    「野菜は、買ったその日のうちに使いみちを決めてしまいます。ブロッコリーやいんげん、アスパラガスなどはゆでて、しっかり水けをきってストック。2日くらいは持つので、朝食に青いものをプラスするのに便利です。また、1週間に1回程度、中途半端に余った野菜を5種類くらい使ってピクルスをつくります。これが一品あると、見た目もきれいで、異なる食感も楽しめ、栄養バランスもよくなります。味つけは薄めにして、1週間で食べきります。季節のフルーツも、りんごなら煮りんごに、いちごは、はちみつがけにしておくと、ヨーグルトと合わせればデザート感覚の一品に。何かストックがあると、あまり手をかけなくてもリッチな朝食になるんです」

    味噌汁やスープなどは、あえて、いちからつくらないそう。

    「朝から本格的にだしをとってつくるのは大変ですね。それだったら、ゆで豚をつくったときのスープを利用したり、前日の味噌汁にごはんを入れておじや風にしたりしてしまいます」

    パンやごはんも、残りものをおいしく食べる

    パンにするか、ごはんにするかは、その日の気分や体調で決めたほうが食欲もわき、マンネリにもならないのだそう。

    「ごはんもパンも、残りものをいかにおいしく食べられるかを考えます。かたくなったパンは霧吹きをかけて焼き、ごはんは小さな鍋に小さなせいろをのせて蒸します。下の鍋で汁ものを温めればよいので一気に仕上がります」

    盛りつけの際は、さくっと食べられて、さっと片づけられることを念頭に置いて、ひと工夫。

    「なるべくワンプレートに収めると、洗いものは少なくなります。さらに、パンの上におかずをのせるオープンサンドスタイルにすれば、さくっと食べられて器も汚れないので、さらに後片づけが楽になります」




    〈料理/松田美智子 撮影/川村 隆 取材・文/野上郁子(オフィスhana) イラスト/松尾ミユキ〉

    松田美智子(まつだ・みちこ)
    料理研究家、テーブルコーディネーター。日本雑穀協会理事。女子美術大学講師。季節感と素材そのものの味、風味を大切にし、理に叶った調理法を提唱している。著書に『季節の仕事』(扶桑社)ほか多数。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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    天然生活の本『季節の仕事』(松田美智子・著)

    天然生活の本
    『季節の仕事』(松田美智子・著)

    天然生活の本『季節の仕事』(松田美智子・著)

    A5判
    定価:本体 1,400円+税
    ISBN978-4-594-08481-3



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