• みなさんの家では、どんなおでんを食べていますか? 冬を代表する国民食のおでんには、地域の食文化が映し出されています。大根、ちくわぶ、餃子巻き、牛すじ……など、どの “たね” が好きかを語るだけでついついみんな熱くなる! わが家のおでんがおいしいのはもちろんのこと、よその家のおでんをのぞいてみると、冬のたのしみが広がります。
    (枝元なほみ・著『枝元なほみの 今夜はおでん』より)

    日本各地のおでんの味を取り入れる!

    画像: 写真は、「関東炊き」とも呼ばれるしょうゆ味のおでん。関東地方ではおなじみの「ちくわぶ」が入っている。

    写真は、「関東炊き」とも呼ばれるしょうゆ味のおでん。関東地方ではおなじみの「ちくわぶ」が入っている。

    “おでん” には、いろんな思い出が煮込まれているーー。

    料理家の枝元なほみさんは、子ども時代、実家のおでんが関東地方ではオーソドックスなしょうゆ味だったそうで、ストーブの上のアルマイト鍋でおでんが温められていた様子を懐かしく振り返ります。

    「大人になってからは、当時の恋人と食べた専門店の塩味おでんがおいしくて、その味を真似ながら鶏ガラスープのおでんをつくるのが定番に。関東ではあまりなじみのない牛すじを煮込むようになったのも、実家を離れてから覚えたことでした」

    画像: 「商店街の練り物やさんで、たねを選ぶのがまた、たのしいんですよね」と枝元さん。この日は、東京・東高円寺のマルサかまぼこ店へ。

    「商店街の練り物やさんで、たねを選ぶのがまた、たのしいんですよね」と枝元さん。この日は、東京・東高円寺のマルサかまぼこ店へ。

    育った家や地域の味がベースにありつつも、大人になるまでのさまざまなおでん体験を経て、わが家の定番がカスタマイズされていくところに、おでんのおもしろさがあります。

    家にいる時間が長くなりそうなこの冬、いろいろな土地の味に触れてみてはいかがでしょう。

    金沢は「ばい貝」や「車麩」

    静岡は「黒はんぺん」

    長崎は「竜眼(ゆで卵をすり身で包んだもの)」

    沖縄は「ソーキ(豚スペアリブ)」

    を入れるのがおなじみだそうです。

    また、青森には、串に刺したたねに、しょうがみそのタレをつける 食べ方がありますが、枝元さんはそんな青森の味をベースに、手軽に食べられるレシピを考えました。

    「タレにつけて食べるから、だしのとり方にこだわらなくてもいいし、たねが3種類なので気負わずにつくれますよ」

    大人も子どもも大好きで、どこでも買える魚肉ソーセージを使うのが、このレシピのポイント。

    日本各地の味を参考にしながら、いいとこ取りのわが家の味を育てていきましょう。

    画像: 日本各地のおでんの味を取り入れる!

     鍋に水と粉末昆布茶を入れて火にかける(顆粒だしを使ってもOK)。

     縦半分に切った細ちくわ、魚肉ソーセージ、棒状に切って下ゆでした大根を串に刺し、鍋に入れて温める。

     みそだれ(みそ・砂糖・酒・みりんを耐熱ボウルに入れて電子レンジで加熱したもの)に好みで卵黄を落とし、温めたたねをつけながら食べる。


    <レシピ/枝元なほみ 撮影/キッチンミノル 取材・文/石川理恵>

    枝元なほみ(えだもと・なほみ)
    エダモンの愛称で、テレビや雑誌で活躍する料理家。好きなおでんのたねは「豆腐、大根、冬瓜」。著書『枝元なほみの今夜はおでん』(技術評論社)では、二大定番おでんを下ごしらえから丁寧に解説するほか、パーティー向けから気楽なレシピまでバリエーションを展開。ご当地おでん、リメイク、副菜などの情報も紹介している。また、最近ではNPOビッグイシュー基金共同代表として、ホームレス状態の人の自立支援と食品ロスの課題に取り組む「夜のパン屋さん」プロジェクトを主宰。
    http://mukago.jp

    キッチンミノル
    人物や料理を中心に撮影する写真家。好きなおでんのたねは「大根、卵、ソーセージ」。数々の書籍や雑誌で活躍している。近著に落語家の春風亭一之輔との共著『師いわく』(小学館)があるほか、マグロの流通を追った写真絵本『マグロリレー』(月刊かがくのとも・福音館書店)を刊行。
    https://www.kitchenminoru.com

    枝元なほみの 今夜はおでん

    枝元なほみの 今夜はおでん

    枝元なほみの 今夜はおでん



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