• 徳島市のアアルトコーヒー店主・庄野雄治さんに 愛用のコーヒー道具たち を教えていただきました。2014年オープンの姉妹店「14g(ワンフォージ―)」のお話も。
    (『天然生活』2016年2月号掲載)

    庄野さんのコーヒー道具

    気負わず使えて、勝手がいいもの。プロダクトから作家物まで、庄野さんの道具選びは明快な基準に沿っています。

    くまがいさん、吉村さん、照井さんの器

    画像: 右は、軽くてカフェオレを飲むのにぴったりの、くまがいのぞみさん作。真ん中は、小ぶりで手にすっぽり収まるのがうれしい、吉村和美さん作。左は、以前の店舗の喫茶で使っていた、照井壮さん作

    右は、軽くてカフェオレを飲むのにぴったりの、くまがいのぞみさん作。真ん中は、小ぶりで手にすっぽり収まるのがうれしい、吉村和美さん作。左は、以前の店舗の喫茶で使っていた、照井壮さん作

    ポーレックスの手動ミル

    画像: ふだんは電動ミルを使うことが多いけれども、これはコンパクトだからアウトドアで使えるのと、分解して丸洗いできるのがいい。右のミニタイプは、ゴムの滑り止めが付いていてハンドルを回すとき便利

    ふだんは電動ミルを使うことが多いけれども、これはコンパクトだからアウトドアで使えるのと、分解して丸洗いできるのがいい。右のミニタイプは、ゴムの滑り止めが付いていてハンドルを回すとき便利

    メリタのドリップ&サーバー

    画像: 安くて丈夫で使いやすい。三拍子そろったプロダクトだと、庄野さんは太鼓判を押す。メリタは世界初のコーヒーフィルターメーカーで、メリタ夫人が夫のために考案したというエピソードもお気に入り

    安くて丈夫で使いやすい。三拍子そろったプロダクトだと、庄野さんは太鼓判を押す。メリタは世界初のコーヒーフィルターメーカーで、メリタ夫人が夫のために考案したというエピソードもお気に入り

    安藤由紀さんの計量カップ

    画像: 徳島で活動している木工作家の安藤さん作。カップ部分がメープル、柄の部分がウォールナットと、異なる素材の組み合わせが楽しい。1杯すくうと約8gなので、3杯で、ちょうどふたり分の豆を量れる

    徳島で活動している木工作家の安藤さん作。カップ部分がメープル、柄の部分がウォールナットと、異なる素材の組み合わせが楽しい。1杯すくうと約8gなので、3杯で、ちょうどふたり分の豆を量れる

    オリジナルのコーヒー缶

    画像: コーヒーは湿気を嫌うため、保存用につくったオリジナル缶。右から、佐々木美穂さん、平澤まりこさん、福田利之さんのイラスト。現在、お店で販売しているのは、右端の茶色のコーヒー缶

    コーヒーは湿気を嫌うため、保存用につくったオリジナル缶。右から、佐々木美穂さん、平澤まりこさん、福田利之さんのイラスト。現在、お店で販売しているのは、右端の茶色のコーヒー缶

    タカヒロのドリップポット

    画像: 「道具のなかでも、ポットは、いいものにこだわって」と庄野さん。細くゆっくりお湯を注げるこのポットの品質は秀逸。マットな黒は、神奈川・鎌倉の「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」のオリジナル色

    「道具のなかでも、ポットは、いいものにこだわって」と庄野さん。細くゆっくりお湯を注げるこのポットの品質は秀逸。マットな黒は、神奈川・鎌倉の「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」のオリジナル色

    「14g(ワンフォージー)」でつながる、コーヒーと人とモノ

    コーヒーが飲めて、人々の笑顔や素敵なモノに出合える場所。「14g」は、庄野さんの軌跡が集約されたようなお店です。

    画像: コーヒーと焼き菓子も好相性。チョコレート味のビスコッティは、香ばしくて軽やかな味わい。テイクアウトもできるが、店でいただくとポテトチップスとクッキーがつくのがうれしい

    コーヒーと焼き菓子も好相性。チョコレート味のビスコッティは、香ばしくて軽やかな味わい。テイクアウトもできるが、店でいただくとポテトチップスとクッキーがつくのがうれしい

    2014年9月に、「アアルトコーヒー」の姉妹店となるカフェ「14g(ワンフォージー)」をオープンしました。店があるのは、徳島市の、空洞化しつつある商店街の一角。

    あえてそうした場所を選んだのは、「建物や街の力に頼らずに活気を呼び込めるような店がつくれたらいいなと思って。ライブや展示会など、カフェ以外の魅力も発信したいです」と、庄野さんは気負いのない調子で語ります。

    ドアを開けると、鼻腔をくすぐる小麦粉の甘い香り。厨房で焼かれる天然酵母パンを、ブロカントな雰囲気の店内で、コーヒーとともに味わえます。店を切り盛りする悦子さんの笑顔もさわやかで、徳島はもちろん、他県から訪れるお客さんも少なくありません。

    画像: 「14g(ワンフォージー)」でつながる、コーヒーと人とモノ
    画像: 2日間、寝かせてつくるレーズン酵母を使ったパンは、前日に発酵させた生地を翌朝焼いている。「ミュリール」の名で、大阪で活躍していた千㟢美和さんが厨房に常駐

    2日間、寝かせてつくるレーズン酵母を使ったパンは、前日に発酵させた生地を翌朝焼いている。「ミュリール」の名で、大阪で活躍していた千㟢美和さんが厨房に常駐

    画像: オープンに合わせてつくった新ブレンド「14g」。従来のふたつのブレンドの、中間くらいの風味だそう

    オープンに合わせてつくった新ブレンド「14g」。従来のふたつのブレンドの、中間くらいの風味だそう

    「コーヒー屋を始めてから、さまざまな人とのつながりが広がりました」と、ふたりは声をそろえます。「14g」は、そうしたつながりの結晶のような場所。

    店のロゴ制作も、ワインの仕入れも、お客さんが力を貸してくれました。棚に並ぶクラフトの作家や、ライブに出演するミュージシャンも、コーヒーを介して親しくなった人たちです。

    おいしいコーヒーは、人と人との距離も自然と縮めてくれる、魔法の飲み物なのかもしれません。素敵なつながりが、今後どう広がっていくのか楽しみです。

    画像: ロゴスタンプをつくってくれたのは、作家の「cachet blanc」。店では、スタンプのワークショップも開催

    ロゴスタンプをつくってくれたのは、作家の「cachet blanc」。店では、スタンプのワークショップも開催

    画像: 内装は、確かな審美眼にファンが多い、東京の日用雑貨店「OUTBOUND」店主の小林和人さんが担当

    内装は、確かな審美眼にファンが多い、東京の日用雑貨店「OUTBOUND」店主の小林和人さんが担当

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    14g ワンフォージー
    徳島県徳島市東新町1−14−2F
    TEL.080−6282−3266
    営業時間 10:00~17:00
    休み 火・水曜
    https://www.facebook.com/14g.jp

    庄野さんのコーヒー年表

    1992年(22歳) 旅行会社に就職

    2001年(31歳) 結婚

    2003年(33歳) 長女が誕生

    飲食の仕事に興味をもち、コーヒーロースターを目指すことを決意

    2004年(34歳) 焙煎機を購入

    尊敬する先輩ロースターと同じタイプをカスタマイズ

    2005年(35歳) 次女が誕生

    本格的に店舗物件探しをスタート。会社員を続けながら、焙煎の練習を重ねる

    2006年(36歳) コーヒー豆屋「アアルトコーヒー」をオープン

    祖父の倉庫を借りて焙煎し、賃貸の店舗で喫茶も営業

    2010年(40歳) 焙煎所を兼ねた自宅兼店舗に移転

    2014年(44歳) カフェ「14g」をオープン




    〈撮影/伊東俊介 取材・文/高瀬由紀子〉

    庄野雄治(しょうの・ゆうじ)
    コーヒーロースター。「アアルトコーヒー」店主。著書に『誰もいない場所を探している』(ミルブックス)など。
    http://aaltocoffee.com/



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