• 私たちの「過剰消費」を抑えるには、まず物を買う量を減らすことです。大敵なのは買い物欲求。しかし買う前に10のことを考えることで、むだな買い物はかなり抑えることができます。
    (『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』より)

    「何かを買わなければ」と思ったら

    画像: 「何かを買わなければ」と思ったら

    「考える」ことによって、自分自身の潜在的な欲求や不安の正体が浮かび上がり、それらに正面から向き合うことができます。

    ろくに考えもせずにモノを買い続ける日々の裏にあるものは何か? 欲求の裏にある隠れた動機は何か? 寂しさ? 退屈? それとも、欠乏への不安や羨望の気持ち、傷つくことへの恐れ、低い自己肯定感、あるいは疲れ?

    次に「何かを買わなければ」と思ったら、ぜひ次の10の質問に答えてみてください。

    物を買う前に考えるべき10のこと

    画像1: 物を買う前に考えるべき10のこと

     どんなきっかけで知ったか? もともとほしくて、自分で探したのか? それとも広告で目にしたのか?

     こわれるまで大切に手入れするつもりがあるか?(ドライクリーニング、ほこり取り、洗濯、オイル挿し……)

     これを持つことで、より健康に、より強く、より魅力的に、あるいはより賢くなれるか? これを買う以外の形でそれは実現できないか? これを持てば実現するのか?

     保管場所はどうするか? 十分なスペースがあるか? ほかの持ち物を取り出す邪魔にならないか?

     自分でつくることはできないか? 既に持っているもので代用できないか?

     壊れたら修理したいと思えるか? 修理代金を支払う気があるか?

     既に持っているものの代わりとして買うのか? 古いものはどこがおかしいのか? なおしたり、きれいにしたりできないのか?

     買うのを待てないか? どのくらい待てるか?(1ヵ月? 1年?)

     本当に必要なのか? あるいは単にほしいだけか? 欲求の裏に隠れたニーズがあるのか? もしあるなら何か? 買う以外の形で実現できないか?

    10 以上すべての質問に答えてきて、やはり必要だという結論になった。でも、絶対にお金を使わなければいけない理由はあるか? 無料のものでもよい場合、一生手元に置く必要があるか? 借りるだけで十分か? 新品でないと危険か? 中古でもよいか? 新品であっても中古であっても、ギフトエコノミーにお願いできないか? どうしても必要な場合でさえ、「必要である」と「買う必要がある」が同じ意味である必要はない。

    画像2: 物を買う前に考えるべき10のこと

    次に買い物をする際は、事前にこれらの項目について自問し、隠れた欲求がないか考えてみてください。考えを書き出したり、友人やギフトエコノミーの仲間と一緒に話し合ってみてもよいでしょう。

    この「自己との向き合い」を通して、どれだけ自分自身のことが見えてくるか。そして、頼れるコミュニティの存在がどれだけ助けになるか。きっと驚かされるはずです。

    もうひとつ、隠れた欲求を突き止めるためのテストを紹介します(1~2人の友人と一緒にやるとより効果的)。ほしいものをすべてー本当にすべてー手に入れられると想像してください。

    画像3: 物を買う前に考えるべき10のこと

    リストを作り、大胆に、形のあるものと形のないものを両方考えてみてください。できあがったリストを脇に置き、休憩を取ってから、自分の究極のリストから何が読み取れるか、どんな人生の希望が浮かび上がるかを観察していきます。

    「形あるもの」の中で、あなたの幸せな思い出と結びついているものはありますか? また、あなたのより深い(形のない)欲求のシンボルと思われるものはありますか? 形のない夢の実現のために必要なものやスキルはありますか? 自分の時間がもっと必要ですか? あるいは家族や友人との時間? 冒険? 安心感? ストレスがないこと? 

    わかったことを心にとめつつ、家に置きたいものと、人にゆずってしまいたいものを見分けていきましょう。

     

    本記事は『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』(青土社刊)からの抜粋です



    リーズル・クラーク(著者)

    米ワシントン州在住。映像作家・ディレクターとして、「ナショナルジオグラフィック」や「NOVA」、BBC などの科学番組やドキュメンタリーを数多く制作。エミー賞をはじめ、受賞歴多数。その傍ら、ネパールの山村の子どもたちのために私設図書館をつくるなど、現地の子どもたちの識字力向上にも取り組む。パートナーの登山家ピート・アサンズ、ふたりの子どもたちとともに、ヒマラヤをはじめとする世界各地を旅する。

    リーズル・クラーク(著者)

    米ワシントン州在住。ソーシャルメディアコンサルタント。市民運動、非営利団体主宰、文筆業などを経て、リーズル・クラークとともに「買わないプロジェクト」を立ち上げ、ギフトエコノミーの一大ムーブメントを巻き起こす。ふたりの娘とともに、鶏を飼い、野菜を育て、花を植え、島暮らしをたのしんでいる。エバーグリーン州立大学卒業。

    服部雄一郎(訳者)

    高知県在住。役所でごみの仕事に従事したのち、カリフォルニア、南インドを経て、山のふもとに移住。ブログ「サステイナブルに暮らしたい」(sustainably.jp)ほかSNSや各種媒体でエコロジカルな暮らしについて発信。訳書に『ゼロ・ウェイスト・ホーム』(アノニマ・スタジオ)、『プラスチック・フリー生活』(NHK出版)ほか。カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院修了(修士)。

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    画像: 物を買う前に考えるべき10のこと|ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方

    『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』
    (リーズル・クラーク・レベッカ・ロックフェラー=著 服部雄一郎=訳 青土社)

    『ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方』(リーズル・クラーク・レベッカ・ロックフェラー=著 服部雄一郎=訳 青土社)|amazon.co.jp

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    ヒマラヤの小さな村で「見返りをもとめない贈与」=真のギフトエコノミーに出会った著者は、友人と二人で不用品などのゆずり合いサイト「買わない暮らし」を立ち上げました。
    そしてサイトはまたたく間に全米から世界各地に広がり、一大ムーブメントを引き起こしました。この運動は単にエコというだけではなく、隣人とのつながりも深めるという意味で、新しいライフスタイルを提言しています。
    コロナ時代だからこそ求められる、読むだけで簡単に始められる、地球とお財布にも優しい「新しい生活様式」がここに!



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