山梨県の一部の地方に長い年月にわたって伝わるという七夕飾り「オルスイさん」。長方形の紙とはさみさえあればだれでもつくれるシンプルな構造です。山梨で紙細工の七夕人形をつくる杉田房子さんに教わりました。
（『天然生活』2012年7月号掲載）

紙とはさみでつくる、七夕飾り「オルスイさん」のつくり方

たもとの裾が丸くなっている左のほうが織姫で、角張っている右が彦星の紙人形。広げると、裾が伸びる。房子さんは色半紙を使ってつくりました。

①　長方形の紙を、白地の部分を中にして半分に折る

②　さらに点線部分で二つ折りにして折り目をつける

③　図のように切り込みを入れる

④　③を一度開き、三角部分を引っ張って二つ折りにする

⑤　さらに点線で二つ折りにする

⑥　図Aを参照して、はさみで切り込みを入れ、広げる

図A

おひなさま「オデイルさん」のつくり方

“オルスイさん”とともに、ノカンゾウの葉と花でつくったおひなさま“オデイルさん”のつくり方を教えてもらいました。

これは、子どもたちが春の野遊びでつくるもの。“お内裏さん”が変化して“オデイルさん”という呼び方になったのだとか。

土手に生えたノカンゾウの草と花でつくったお人形。頭に菜の花を飾ったおひなさまと、枝の扇子を持ったお内裏さまです。

①　材料はノカンゾウの葉、タンポポ、スミレなどの野の花、小枝

②　葉を三つ折りにして頭をつくり、二つ折りにした葉で頭を挟む

③　二つ折りにした葉の間に、両脇から、かんざしを差すように花を差す

④　十二単を着せるように、葉を一枚一枚、着せてゆく

⑤　裾を前に重ねたところに、小枝を差して打ち留める

⑥　はさみで裾の長さを切りそろえる

〈撮影／三村健二　イラスト／堀川 波　構成・文／鈴木麻子（fika）〉

※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです