やわらかく、アクの少ない新ごぼう

新ごぼうと呼ばれるものは、一般的なごぼうが晩秋から冬に収穫されるのに対し、そこまで大きくなるまで育てず、秋に植えたものをある程度育った初夏に収穫した、若取りのごぼうです。まだ完全に成長しきっていないため、柔らかく、上品な風味で優しい香りがします。
新ごぼうは、別名「夏ごぼう」とも呼ばれ、初夏の味として親しまれています。やわらかく香りがよいので、食べ方も広がります。
昔は新ごぼうでもアクがあると言われ、皮をこそぎ、水にさらして使うとされていました。しかし、新ごぼうは皮も柔らかく、また、アクも少ないので、皮をこそぎ、水にさらすと、ごぼうのよいところが損なわれてしまいます。
新ごぼうをおいしくいただくには、まず、皮をスポンジ等でこすり洗いし、もし、中に「ス」と呼ばれる白い部分が入っていたら取り除いて、水にさらさずに使うと、風味よく味わえます。
ごぼうの食感を活かしたい場合は、蓋をせずに調理するのがポイントです。
ごぼうカレーのつくり方

ごぼう好きな松田美智子さんが考えたオリジナルのカレー。
20分でできるのに、ごぼうの味がしっかりしみ込んだ人気メニューです。
お好みでパクチーを添えて。
材料(つくりやすい分量)
● 新ごぼう | 1本(約30cm) |
● A | |
・豚バラ肉(5mm幅に切る) | 300g |
・塩 | 大さじ1 |
● B | |
・にんにく(みじん切り) | 大さじ1/2 |
・生姜(みじん切り) | 大さじ1 |
・オリーブオイル | 大さじ1 |
● カレー粉 | 大さじ2 |
● C | |
・白ワイン | 大さじ3 |
・チキンスープ | 2カップ |
● D | |
・オイスターソース | 大さじ1と1/2 |
・ナンプラー | 大さじ1〜2 |
・塩、白こしょう | 少々 |
・ミニトマト(ヘタを除き半分に切る) | 8個 |
● ごはん(白飯または雑穀米) | 適量 |
つくり方
1 ごぼうは、縦4cm長さに切り揃える。スがあれば縦半分に切って、先の細いスプーンで内側の白い部分をこそぎ取り、縦に薄切りする。



2 Aをあわせて、15分おく。(前の晩に合わせておいてもよい)厚手の鍋にBを加え、中火で香味の立つまで炒める。豚バラ肉を加え炒め、カレー粉を加えよく炒める。ごぼうを加え、ごぼうが透き通るまで炒めたら、Cを加え蓋をせずに5分煮る。



3 2のアクと脂をすくい、Dを加えさっと煮る。味をみて味が足りない場合はナンプラーで調節する。好みのご飯(白米または雑穀米)にかけていただく。


ポイント:翌日は、めんつゆを加え、カレーうどんにしてもよい。
〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司〉

松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『丁寧なのに簡単な季節のごはん』(小学館) amazonで見る など。