• 手を動かして季節を楽しむためのアイデアを、愛媛で小さな自給自足の日々を送る池田じゅんみさんの暮らしを通して紹介します。あっという間に過ぎ去る季節。いましかできない楽しいあれこれ、やり残していませんか? 今回は、自家製スパイスカレーと、青とうがらしの保存食のお話です。

    朝と夕の庭時間の過ごし方

    みなさんこんにちは。愛媛で小さな自給自足の暮らしを楽しむ、池田じゅんみです。

    愛媛の夏は、日中は危険を感じるような暑さではありますが、朝晩はとても涼しくて快適です。移住して間もないころ、このことにとても驚きました。

    そんな気持ちがいい朝の幸せは、庭でいただく朝ごはん。

    畑のメロンや野菜を添えたシンプルな朝食を味わいながら畑を見渡し、「今日はどんな作業をしようかな」と考える時間も大好きです。

    近所に住む親友の手づくりベーグルがある日はもっと最高で、せいろで蒸した熱々モチモチの生地にクリームチーズを挟んで食べる至福ときたら。それはそれは言葉になりません。

    画像: 息子と並んで朝ごはん。ベーグルに、すもものコンフィチュールをたっぷりつけていただきます

    息子と並んで朝ごはん。ベーグルに、すもものコンフィチュールをたっぷりつけていただきます

    画像: 夕暮れどき。海の向こうは瀬戸内の島々。さえぎる建物がない庭にさわやかな潮風が届きます。風が止んでいれば池が鏡となり、映り込んだ夕焼けの美しさにうっとりします

    夕暮れどき。海の向こうは瀬戸内の島々。さえぎる建物がない庭にさわやかな潮風が届きます。風が止んでいれば池が鏡となり、映り込んだ夕焼けの美しさにうっとりします

    涼しくなる夕方は、お風呂上りに息子と夕涼みします。

    それぞれ冷たい飲み物をもって、「今日はどんな日やった?」とおしゃべりしたり、濡れた髪をさわやかな潮風で乾かしたり。

    美しい風景が日常にある幸せをかみしめて、また明日がんばろうと思える大事な時間です。

    8月に楽しむ、わが家の手づくり歳時記

    池田家の自給自足カレーが出来るまで

    夏になると食べたくなる、スパイシーなカレー。

    いつか庭のある家に暮らせたら、スパイスも栽培したいと思っていました。

    移住してから、「ひとりインドカレーの自給自足プロジェクト」を始動すること8年目。これまで栽培に成功したのは、コリアンダーシード、マスタードシード、フェンネルシード、ローリエ、とうがらしなど。クミンは何度トライしても栽培に連敗中。

    もちろん、カレーに使う、玉ねぎとトマト、にんにく、しょうがも自家栽培です。

    ターメリックの和名で知られるウコンも栽培中なのですが、ウコンには春ウコンと秋ウコンの2種類があることを後に知り、カレーに使うターメリックは後者と判明。秋ウコンを2年前に植え直しました(ほぼ植えっぱなし)。

    あとはそのときどきで採れたハーブや夏野菜を使って味のバリエーションを楽しみます。去年はさまざまな豆栽培にもチャレンジしたので、豆カレーも、新たなメニューとして加わりました。

    STEP1 スパイスの苗を栽培

    画像: 秋ウコンの花。葉もお茶や料理に使えるそうです、試してみなければ

    秋ウコンの花。葉もお茶や料理に使えるそうです、試してみなければ

    STEP2 収穫→乾燥→瓶で保管

    画像: パントリーのスパイスコーナー。庭で育てたものだったり、夫が社員旅行先のシンガポールで買ってきてくれたり、妹家族が海外出張先で送ってくれたり、とても充実しています

    パントリーのスパイスコーナー。庭で育てたものだったり、夫が社員旅行先のシンガポールで買ってきてくれたり、妹家族が海外出張先で送ってくれたり、とても充実しています

    STEP3 材料準備

    画像: 今回使った材料たち、中央のターメリックとクミン以外は自家製です

    今回使った材料たち、中央のターメリックとクミン以外は自家製です

    STEP4 カレー調理開始

    画像: クミンでしっかり炒めた玉ねぎに、フレッシュのミニトマトを投入

    クミンでしっかり炒めた玉ねぎに、フレッシュのミニトマトを投入

    STEP5 さらに調理

    画像: さらに具材としてのフレッシュトマトを投入し、トマト消費にはげみます

    さらに具材としてのフレッシュトマトを投入し、トマト消費にはげみます

    STEP6 並行してナンを焼く

    画像: ナンも練習中。魚焼きグリルで数分で焼けます。まだまだ修行が足りない

    ナンも練習中。魚焼きグリルで数分で焼けます。まだまだ修行が足りない

    出来あがり!!

    画像: ちょっと煮詰めすぎてドライカレー風になりましたが、味はまずまずの出来。赤玉ねぎときゅうりのピクルスを添えています

    ちょっと煮詰めすぎてドライカレー風になりましたが、味はまずまずの出来。赤玉ねぎときゅうりのピクルスを添えています

    青とうがらしの瓶詰め保存食

    小さな畑に毎年植える、レギュラー選手のとうがらし。なかでも、青とうがらしが大好きで、ちょこちょこ収穫しては、1年分の保存食として仕込むのが私の真夏のルーティンです。

    青とうがらしってなかなか売ってないけれど、自家栽培すると赤く色づく前に収穫するだけで簡単に手に入るんです。辛いから虫がつきにくくて栽培も難しくありません。

    そのまま冷凍したものは冬の鍋料理などに。残りは、オリーブオイルとにんにくで合わせた「ペペロンチーノの素」、ナンプラーとスダチを合わせた「プリックナンプラー」、「青とうがらし味噌」の瓶詰め3種類をつくります。

    「プリックナンプラー」は、タイ料理店のテーブルにはほぼ置いてある万能調味料です。私は地元の特産物すだちを使った愛媛バージョンでつくっています。

    若かりし20代の頃はバンコク旅行にはまり、現地で友達もできるほど何度も渡泰しては、すっぱくて、甘くて辛いタイ料理独特の味の虜になっていました。

    なんてことないチャーハンや炒め物にひとたらしするだけで、手軽にタイ風になるんですよ。また行きタイな~、なんちって~。

    完熟した赤とはまた違ったさわやかな辛味で、この時期しか食べれないと思うと、手を動かさずにはいられません……相変わらず食いしん坊暇なし状態が年中続いていきます。

    とどまることを知らない自分の好奇心に、やや疲れ果てぎみな日々……笑笑

    画像: この日採れた夏野菜たち。青とうがらしや水なすなど、かごの中は「ピー太郎」という名の苦みが少ないピーマン

    この日採れた夏野菜たち。青とうがらしや水なすなど、かごの中は「ピー太郎」という名の苦みが少ないピーマン

    画像: 左の瓶はペペロンチーノの素、上はプリックナンプラー。柑橘王国・愛媛ではすだちをおすそ分けでよくいただきます。赤とうがらしも少し混ぜると瓶詰めがカラフルになってきれいです

    左の瓶はペペロンチーノの素、上はプリックナンプラー。柑橘王国・愛媛ではすだちをおすそ分けでよくいただきます。赤とうがらしも少し混ぜると瓶詰めがカラフルになってきれいです

    画像: 自家製味噌を使った青とうがらし味噌。主に和食で使います

    自家製味噌を使った青とうがらし味噌。主に和食で使います

    画像: イタリア・タイ・日本料理で使える3カ国の簡単瓶詰めが完成

    イタリア・タイ・日本料理で使える3カ国の簡単瓶詰めが完成



    池田じゅんみ(いけだ・じゅんみ)

    山愛好家。愛媛で家族と共に小さな自給自足の日々を送り、その様子をインスタグラムから楽しく発信。
    Instagram:@junmiikeda



    本誌プレゼントへのご応募はこちら

    お得な定期購読はこちらを
     (富士山マガジンサービス)

    連載,おいしいもの,暮らしの知恵,読みもの,山・海暮らしの自給自足ダイアリー,カレー

    This article is a sponsored article by
    ''.