• 必要な栄養が十分に摂れて、なおかつ、おいしい。元気に日々を過ごすために知っておきたい栄養のポイントと献立3日分を、フードコーディネーター、栄養士の太田静栄さんに教えていただきました。今回は3日目の献立を紹介します。
    (『天然生活』2017年5月号掲載)

    バランスのよい献立【3日目】

     /玉子サンド&ハムサンド

    サンドイッチは全粒粉パンを。野菜メインの軽やかランチ。

    画像: 左から時計回り:ラタトゥイユ/野菜ジュース/玉子サンド&ハムサンド

    左から時計回り:ラタトゥイユ/野菜ジュース/玉子サンド&ハムサンド

    エネルギー……545kcal
    タンパク質……22.9g
    脂質……30.9g
    炭水化物……57.8g
    食物繊維……11.6g
    カルシウム……156mg
    鉄……30.9mg
    塩分……2.2g
    *栄養計算は、ひとり分です。

    ラタトゥイユの材料(つくりやすい分量)

    ● 玉ねぎ1個
    ● セロリ1本
    ● ズッキーニ1本
    ● なす2本
    ● パプリカ(赤・黄)各1個
    ● にんにく1片
    ● タイム1〜2枝
    ● ホールトマト缶1缶
    ● 塩、こしょう各少々
    ● オリーブオイル大さじ2~3

    ラタトゥイユのつくり方

     玉ねぎは1.5cm角に、セロリは適当な大きさに、ズッキーニ、なすは輪切り、パプリカは乱切りにする。

     鍋にオリーブオイル、つぶしたにんにくを入れて熱し、香りが出たら玉ねぎ、セロリの順に加えて、それぞれ軽く塩をふって炒める。オリーブオイルを大さじ1程度(分量外)足してなすを加え、全体に油がまわるまで塩をふって炒める。

     残りの野菜を加えて油が全体にまわるまで塩、こしょうで炒め合わせ、タイム、つぶしたホールトマトを加えてざっくりと混ぜ、煮立ったらふたをして弱中火で15分ほど加熱する。

     ふたを開けて混ぜ、少しすき間をあけて弱火で5〜10分煮て、塩、こしょうで調味し、オリーブオイル(分量外)を軽くまわし入れてさっくりと混ぜ合わせる。

     /ブロッコリーときのこのドリア、サラダ

    ホワイトソースを使わないヘルシードリアは味噌がポイント。

    画像: 左から:ブロッコリーときのこのドリア/もち麦とトマトのサラダ

    左から:ブロッコリーときのこのドリア/もち麦とトマトのサラダ

    エネルギー……737kcal
    タンパク質……22.1g
    脂質……34.6g
    炭水化物……78.3g
    食物繊維……8.3g
    カルシウム……308mg
    鉄……2.4mg
    塩分……2.1g
    *栄養計算は、ひとり分です。

    ブロッコリーときのこのドリアの材料(2人分)

    ● ブロッコリー1/2個
    ● ブラウンマッシュルーム8個
    ● 新玉ねぎ1/2個
    ● ベーコン50g
    ● 酒(または白ワイン)50mL
    ● 水、牛乳各200mL
    ● ごはん250g
    ● 味噌小さじ2
    ● 塩、こしょう各少々
    ● オリーブオイル小さじ1
    ● バター10g程度
    ● ミックスチーズ適量

    ブロッコリーときのこのドリアのつくり方

     ブロッコリーは小房に分け、マッシュルームは薄切りに、新玉ねぎは粗くきざむ。ベーコンは適当な大きさに切る。

     フライパンにオリーブオイルを熱し、ベーコン、マッシュルーム、玉ねぎを塩、こしょうをふってよく炒める。

     に酒を加えてアルコールをとばし、水、ブロッコリーを加えて煮て、ごはん、牛乳、味噌を加えて汁けをとばしながら煮る。

     を耐熱容器に移し、ちぎったバター、ミックスチーズをのせ、トースターで、こんがりとした焼き色がつくまで焼く。

    もち麦とトマトのサラダの材料とつくり方(つくりやすい分量)

     新玉ねぎ(1/2個)は粗みじん切り、ミニトマト(15個)は半分に切る。パセリ(2枝)は粗くきざむ。もち麦(40g)は、少量の塩を加えた熱湯で15分ゆで、さっと水にさらして水けをきる。

     と、合わせ調味料(オリーブオイル大さじ2~3、アンチョビ2枚、おろしにんにく少々、レモン汁大さじ1と1/2、しょうゆ小さじ1、塩、こしょう各少々)をボウルに入れてあえ、味をみて塩少々で調味する。

    野菜をとにかくたっぷり。食べ合わせも意識して

    旬の野菜は、毎食とることを目標に

    一般的に多く摂ってしまう傾向があるのは、ごはんや穀類などに含まれる炭水化物(糖質)や脂質。反対に不足しがちなのは、ビタミンや食物繊維。つまり、野菜不足の人が多いということ。

    「野菜はたっぷりとって」と、太田さんも強調します。ブロッコリーやにんじん、パプリカなど色の濃い野菜や、旬の野菜はとくに栄養価が高いので、毎食、とることを目標に。ただし、栄養を損なう「もったいない食べ方」には要注意です。

    「野菜に含まれるビタミンは水溶性のものが多く、水にひたしたり、ゆでたりすると、その大部分が溶け出てしまいます。調理するなら、蒸すか炒める、揚げる、汁ものの具材にするのがおすすめ。また、野菜は皮のそばに栄養が凝縮されているので、私は、無農薬野菜を使う場合は皮ごと食べています」

    体への吸収率を上げて栄養効果を高めるには、単品でとるより、ほかの栄養素と組み合わせたり油分をうまく活用したりすることも有効です。

    たとえば、トマト。太田さんは、「もち麦とトマトのサラダ」では、オリーブオイルのドレッシングであえています。

    「高い抗酸化力をもつというトマトに含まれるリコピンは、油が加わると吸収されやすくなるんです。緑黄色野菜には、水溶性ビタミンとともに脂溶性ビタミンも含まれているので、ブロッコリーやにんじんも、油と一緒に食べるのが正解。ゆでてノンオイルドレッシングで食べるのは、栄養的にもったいないですよ」




    〈撮影/萬田康文 取材・文/熊坂麻美〉

    画像: 旬の野菜は、毎食とることを目標に

    太田静栄(おおた・しずえ)
    栄養士、フードコーディネーター。雑誌や企業でのレシピ提案、料理製作と幅広く活躍。週末は、東京・代々木上原のMag By Louiseでキッチンを担当。
    http://www.louise-flower.com/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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