猫、猫、猫はかわいい。そして、賢い。猫を愛する方々に、今日の猫との暮らしをお聞きしました。今回は、グラフィックデザイナーのセキユリヲさん。全ての猫好きの方のためにおくります。
うちの2匹の猫、ペロとうめ
うちには2匹の猫がいる。11歳の黒猫ペロ、7歳の三毛猫うめ。二人とも女の子。
ペロは、品川生まれ。友人の息子さんが、道端でミャーミャー鳴いているのを拾ってきたのだけど、その家ではほかの動物がいたし、もう飼えないから、ということで我が家にやってきた。
両手に収まるくらいの小ささで、かわいくてかわいくて、ずうっと一緒にいた。
専用の猫バッグを手縫いで作り、毎日電車で事務所に連れて行った。スタッフみんなの机を歩いてパトロールしたり、膝の上ですやすやしたり、みんなのアイドル的存在だったなあ。
1年半後にスウェーデン暮らしを始めた時も、飛行機に載せて一緒に連れて行った。
機内に動物を乗せられない日本の航空会社と違い、スカンジナビア航空(SAS)は、ケージに入れれば小型のペットは機内で一緒に過ごせる。
検疫などの手続きは大変だったけど、初めての異国での暮らしに愛猫がいてくれて、部屋に帰ればいつだってリラックスできたし、さみしい時にも心の支えになってくれていたような気がする。
ちなみに北欧では、公共交通でペットと移動することが日常的で、電車にも「ペット連れ可」のマークが書かれた車両が必ずある。
泊まりがけの旅行にも、家族と同じようにペットを気軽に連れて行けるのがすごくよかった。
うめは、長野のお寺で生まれた子。三毛だけど長毛種が混ざっているので、尻尾がふさふさで、胴体が長く、なんだかちょっとユーモラスな感じがする。
お寺の娘さんがたまたまうちの近くに住んでいて、里親探しをしているところに、近所の友人の紹介で出会った。
東日本大震災があったあとで、心に大きな穴が開いたようなところをちょっとずつ埋めてくれるようなご縁だった。
二匹揃って、最初は牽制し合っていたものの、だんだん仲良くじゃれ合うようになって、夜は毎晩運動会のように追いかけっこしていたな。
体が大きくなったペロを事務所に連れていけなくなり、一匹で長い時間留守番させるのがちょっと気の毒にも思っていたので、ちょっとほっとした。やんちゃで好奇心の強いうめは、障子紙やふすま紙を爪でボロボロにしていたことも。
ご飯はいつもうめちゃんが先に食べてしまうことが多いので、こっそり見えないところにペロの分を置いておくようにしている。
この春、家族4人+猫2匹で東京から北海道に引っ越してくる時は、大型フェリーの「with ペットルーム」に乗ってきた。子どもたちは猫と一緒にお泊まりできて大喜びだった。海を渡って本当にお疲れさま。
「犬は人につき、猫は家につく」とよく言われ、猫は環境の変化がストレスになりやすいと言われているので、大丈夫かなと心配したけれど、すぐに新しい家にもなじむことができてほっとしている。
今日も、北海道ならではの大きな羽虫を追いかけてジャンプしたり、元気いっぱい。時々、キツネやウサギが庭に遊びにくるのだが、それを見て、「うらやましいなあ、私も外に出たいなあ」と言っているみたい。(家猫です)
お互い人生の後半戦。新天地の刺激を受けながら、のんびり楽しく暮らしていきましょう。
セキユリヲ
グラフィックデザイナー・サルビア主宰。
古きよき日本の伝統文化に学びながら生活雑貨づくりをする「サルビア」を始めて21年目。自然の美しさを表現したパターンデザインをはじめ、雑誌や書籍、プロダクトデザインの仕事多数。
ホームページ: http://salvia.jp/
インスタグラム:@ salvia_official