• お笑いコンビ、たんぽぽの白鳥久美子さんは、おばあちゃんっ子だったこともあり、「ばあちゃん仕事」に憧れ、愛してやみません。今日も、手を動かして、暮らしを作る。白鳥さん流の「楽しい小さな暮らし」をご紹介します。今回は、ムチムチになってきた娘の腕を見てなぜかパンを焼きたくなる白鳥さん。

    またパンを作ろうかしら?

    画像1: またパンを作ろうかしら?

    娘の腕がちぎりパンにそっくりになってきました。

    ムチムチのピークなんでしょうか。腕のこんなところに輪っかができてしまうなんて。これぞ今しか楽しめない至高のムニムニ。

    趣味でパンを作っていた頃を思い出します。パン生地も赤ちゃんみたいな触感で気持ちいいですよね。またパンを作ろうかしら? という気持ちになってきます。

    初めてのパン作りは、本を見て作りました。材料をきっちりと計量しないと美味しくならないのがパン。お菓子作りと一緒ですね。

    ところが毎度おなじみ、きっちりできない私は、普通の丸パンを作ったはずなのに、なぜか塩っ辛いパンができて泣いた記憶があります。

    あんなに時間をかけたのに。一次発酵、二次発酵と待ったかいのないパンが出来上がってしまった。あまりに不味くて泣けてくるパン。どうです? 逆に食べてみたくなりましたか?

    それからは、きっちり計量するようにしたんですが、湿度によるのか、発酵がうまくいってないのか、コメントに困るような仕上がりのものしか出来ず、コンビニのパンも美味しい時代に、わざわざ作る必要があるのかと悶々としていました。

    そんな時にお友達がパン教室に行くから一緒に行かない? と誘ってくれたのです。

    先生に習ってみて分かったことがあります。美味しいパンにするコツ。それは材料を寸分違わずきっちり計ることです!

    ええ。さっきも書きました。初めから分かっていたんです。

    でも、大昔に初めてパンを作った人はそんな細かく計ってた訳がない。ということは目分量でもパンは焼けるはずでは? と私は考えるのです。ある種のロマンを感じているのです。やい! 屁理屈こねるんじゃない! パンだけに。

    そして丁寧にこね上げて、辛抱強く発酵を待って出来上がったパンはとても素人とは思えない仕上がりになりました。トトロのちぎりパンです。かわいい。そして食べられる。なにも無駄になっていない。

    画像2: またパンを作ろうかしら?

    私はパン作りを始めて、ようやく心が満たされるのを感じていました。

    それからというもの、一度もパンを作っていません。なぜだ。最高の記憶で終わらせておきたいのです。人気がピークの時に引退するアイドルみたいなことです。美しい記憶で終わらせたい。

    それなのに最近、再びパンを作ろうと道具を出しはじめました。それもこれも、娘のムチムチの腕のおかげだと思うとなんだか笑えてきます。それに、私がトトロのちぎりパンを作れたら、娘はおっかさんのことを好きになってくれるだろうなぁと思うのです。

    まずは、きちんと材料を計ることに慣れなくてはいけませんね。

    画像3: またパンを作ろうかしら?


    画像4: またパンを作ろうかしら?

    白鳥久美子(しらとり・くみこ)
    1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。



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