• 寒さがゆるめば、山菜がおいしい季節。ちょっとした下ごしらえで、春の息吹を存分に感じる食卓に。料理サロン「野菜の食卓」主宰の白戸啓子さんに、ふきのとうのおいしい調理法と下ごしらえの仕方を教えていただきます。
    (『天然生活』2018年5月号掲載)

    ふきのとうの特徴

    画像: ふきのとうの特徴

    おいしい時期:2~3月(平地)/3~4月(山地)/1~2月(ハウス栽培品)

    日本原産の多年草「ふき」の花のつぼみで、まだ葉が出る前の‟とう”だけが独立して地上に出てくる。独特の芳香と苦味がある。

    ※「おいしい時期」は、その年の気温や天候、地域などによって前後します。また、促成栽培ものは、時期が早くなります。

    ふきのとうのおいしい調理法と下ごしらえの仕方

    名前は知っているけれど、どう扱うか、どう食べるかが、わからない。そんな声におこたえして、下ごしらえの基本とおすすめの調理法などを紹介します。

    調理法

    天ぷら、佃煮、あえものに。天ぷらにする場合は、生のままで。しっかり水分がとぶよう、低めの温度でじっくり揚げるのがコツ。ゆでたふきのとうをきざんで、味噌、砂糖、酒と一緒に練ったものは、関東の春の味として親しまれる。せん切りにして味噌汁の実、炒めものにも。

    下ごしらえ

     水で洗い、外側の茶色くなっている葉を取り除き、根元の黒い部分を薄く切り落とす。

     縦半分に切り、湯1Lに小さじ1/2の重曹を加えて約1分ゆで(少量ずつ重しをして空気に触れないようにすると変色しない)、水にさらして粗熱を取る。

    画像: 下ごしらえ

    保存方法

    新聞紙に包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で3〜4日保存可。下ごしらえ後は冷凍保存可。

    ふきのとうを使ったおいしいレシピ

    ふきのとうと春キャベツのパスタのつくり方

    画像: ふきのとうと春キャベツのパスタのつくり方

    春らしい味わいを、オイルに閉じ込めて。パスタのほか、ゆでたじゃがいもにかけても。

    材料(2人分)

    ● ふきのとうのオイル漬け(*)30g
    ● 春キャベツ120g
    ● スパゲティ160g
    ● にんにく(みじん切り)1/2片分
    ● アンチョビ(粗みじん切り)2枚分
    ● 赤とうがらし(半分に切って種を 出したもの)小1本分
    ● オリーブオイル大さじ2
    ● 塩、こしょう各少々

    *「ふきのとうのオイル漬け」のつくり方

    下ごしらえしたふきのとうを熱湯消毒した瓶に入れ、オリーブオイルを全体がつかるまで注ぐ。細かくきざんでドレッシングやソースにしたり、炒めものなどに添えたりして春の香りを楽しむ。冷蔵で約1カ月保存可。

    つくり方

     ふきのとうのオイル漬けは、飾り用に1/4量ほどを取り分け、残りは粗みじん切りにする。キャベツは3cm角程度に切る。

     鍋に湯を沸かし、塩小さじ2(分量外)を加えた熱湯でスパゲティを袋の表示時間どおりにゆでる。

     フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、弱火にかけてじっくり香りを出す。にんにくがきつね色になったら、赤とうがらし、の粗みじん切りにしたふきのとう、アンチョビを加えてほぐし、なじんだらキャベツを加えて中火で炒める。

     全体にしんなりしたら、スパゲティのゆで汁カップ(分量外)を加えて塩・こしょうし、のスパゲティを加える。さっと混ぜ合わせたら火を止め、器に盛り、の飾り用のふきのとうを添える。



    〈取材・文/福山雅美 イラスト/はまだなぎさ〉

    白戸啓子(しらと・けいこ)

    2005年に立ち上げた、野菜に特化した料理サロン「野菜の食卓」主宰。2008年から「伝統野菜プロジェクト」のメンバーとして、出身地である青森をはじめ東北地方や山間部に残る伝統野菜や料理、暮らしの知恵を現代に活かす活動を長く続ける。2013年に野菜のおすそ分けのバッグの本『新聞で作るナチュラルエコバッグ』(自由国民社)を上梓。ワークショップを都内で定期開催する。2020年に埼玉県ときがわ町の山間部に移住し、地元の採れたて野菜と向き合う生活をスタート。http://vegefull.com/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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