(『天然生活』2012年6月号掲載)
目に飛び込む瞬間の彩りを大切に。素材の色がきれいな「野菜たっぷりのお弁当」
みんなが「どれどれ」と顔を寄せて、「せーの!」でふたを開ける。行楽弁当で大切にしたいのは、目に飛び込む瞬間の、彩り。
「野菜はもともと、色がきれい。だから、野菜いっぱいのお弁当は自然と華やかになるんですね。色がたくさん=栄養のバランスもとれていますし」と小岩さん。
おいしく見せるポイントは、野菜それぞれの色をよく見ること。淡い色のきゅうりやじゃがいも。おくらやトマトのきりっとした色合い。一枚の絵を描くように、上手にバランスをとりながら、メニューを組み立てます。
「味と食感のバリエーションを大切に。おかずごとに変えるのはもちろん、ひとつのおかずのなかで食感の違うものを組み合わせると、最後までおいしく食べられますよ。どれかひとつ、スパイシーなものを入れてもいいリズムが生まれます」
野菜たっぷりのお弁当のつくり方
たくあんポテサラ
おいものホクホクに、たくあんのパリパリ。思いもよらない好相性です。
材料(つくりやすい分量)
● たくあん | 50g |
● じゃがいも | 3〜4個(250g) |
● 牛乳 | 40mL |
● 細切りチーズ | 20g |
つくり方
1 たくあんは、みじん切りにする。じゃがいもは皮をよく洗い、芽を取り除く。
2 たっぷりの水を鍋に入れ、1のじゃがいもを皮付きのまま入れて火にかける。40分〜1時間、竹串がすっと刺さるくらいまでゆでる。
3 じゃがいもをざるにあげ、熱いうちにふきんに包みながら皮をむく。
4 大きめのボウルに3のじゃがいもを入れ、木べらでつぶす。ある程度つぶれたら、牛乳、チーズ、たくあんを加え、よく混ぜる。
きゅうりと梅干しのおにぎり
「かわいい!」と声が上がる、真ん丸なカラフルおにぎり。家にある、いつもの材料で完成。
材料(つくりやすい分量)
● きゅうり | 1/2本 |
● 小梅(カリカリのもの) | 8粒 |
● 白ごま | 大さじ1と1/2 |
● ごはん | 1膳分 |
● 塩 | 適量 |
つくり方
1 きゅうりは薄切りにして、塩ひとつまみをまぶす。しばらくおいて水けが出てきたら、ぎゅっと絞って水けを切っておく。
2 小梅は種を取り除き、みじん切りにする。
3 ボウルにごはん、きゅうり、小梅、白ごまを入れてさっくりと混ぜる。
4 手を軽く濡らし、塩を少しつけて丸く小さなおにぎりにする。
枝豆とトマトのショートパスタ
フレッシュトマトを使ったショートパスタは、酸味が軽やか。枝豆を散らしてかわいらしく。
材料(つくりやすい分量)
● 枝豆 | 100g(さや付きの状態で) |
● トマト(中) | 2個(270g) |
● 玉ねぎ | 1/4個 |
● にんにく | 1/2片 |
● モッツァレラチーズ | 50g |
● オリーブオイル | 大さじ1 |
● 砂糖 | 小さじ1 |
● 塩 | 小さじ1/2 |
● こしょう | 適量 |
● ショートパスタ(フジッリなど) | 80g |
つくり方
1 枝豆は塩ゆでして、豆を出しておく。トマトは種を取ってざく切りに、玉ねぎ、にんにくはみじん切りに、モッツァレラチーズは1cmの角切りにする。
2 フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくを炒める。香りが出てきたら、玉ねぎを加え、しんなりしてきたらトマトを入れて弱火で煮込む。
3 トマトの形が崩れてソース状になったら、砂糖、塩を加えてさっと混ぜ、火を止める。
4 粗熱が取れたら、枝豆、モッツァレラチーズを加え、さっとあえる。
5 鍋に湯を沸かし、塩ひとつまみ(分量外)を加え、パスタをパッケージの指定どおりにゆでる。
6 パスタをざるにあげ、水けをよく切る。4のソースに加えてよくあえる。仕上げにこしょうをふる。
グリーンピースコロッケ
生のグリーンピースがあるうちにつくりたい、旬ならではの味。マッシュの加減は、お好みで。
材料(つくりやすい分量)
● グリーンピース(さやから出して) | 180g |
● じゃがいも | 2個(200g) |
● 牛乳 | 80mL |
● パルミジャーノチーズ(削ったもの) | 大さじ2 |
● 溶き卵 | 1個分 |
● パン粉(なるべく細かいもの) | 適量 |
● 塩、こしょう | 各少々 |
● 揚げ油 | 適量 |
つくり方
1 じゃがいもは芽を取り除いて皮をむき、大きめのひと口大に切る。鍋に入れ、グリーンピースと一緒にかぶるくらいの水でゆでる。
2 竹串がすっと刺さる程度のやわらかさになったら、火を止める。いったんゆで汁を捨て、もう一度、火にかけて水分をとばす。
3 水分がとんだら、牛乳を加えて温めながら、じゃがいもを木べらでつぶす。
4 グリーンピースの形を少し残しつつ、マッシュポテト状になったら火を止め、パルミジャーノチーズ、塩、こしょうを加える。
5 4をひと口大に丸め、溶き卵にくぐらせてパン粉をつける。中温の油できつね色になるまで揚げる。
おくらマサラ
スパイシーなおかずがひとつあると、全体にメリハリが。複雑なおいしさだけれど、レシピは簡単。
材料(つくりやすい分量)
● おくら | 1袋(100g) |
● トマト(中) | 1個(130g) |
● クミンシード | 小さじ1 |
● にんにく(みじん切り) | 1/2片分 |
● しょうが(みじん切り) | (にんにくと同量程度) |
● 玉ねぎ(みじん切り) | 1/4個分 |
● サラダ油 | 大さじ1 |
● 塩 | ひとつまみ |
● 水 | 大さじ2 |
● こしょう | 適量 |
● A | |
・フェンネルパウダー | 小さじ1/2 |
・カイエンペッパー | 小さじ1/3 |
・ターメリックパウダー | 小さじ2 |
・コリアンダーパウダー | 小さじ1 |
つくり方
1 おくらは塩少々(分量外)をまぶし、こすり合わせてうぶ毛を取り除き、さっとゆがく。へたを取り、斜め切りにする。トマトは種を取り、ざく切りにする。
2 フライパンにサラダ油をひき、クミンシードを入れて中火にかける。パチパチと音がしてきたら、にんにく、しょうが、玉ねぎを加え炒める。しんなりとしてきたら、トマトを加える。
3 トマトの形が崩れてきたら、おくら、Aのスパイス類、塩、水を加え、さっと混ぜる。水分がなくなったら火を止め、こしょうをふる。
〈撮影/木村 拓 取材・文/福山雅美〉
南風食堂(なんぷうしょくどう)
大学時代の同級生である、三原寛子と小岩里佳による料理ユニット。料理だけではなく、色、音、空間を含めた食のある風景そのものをプロデュースする。著書に『ココナッツオイルの本』『乾物の本』(ともにスペースシャワーネットワーク)などがある。
http://www.nanpushokudo.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです