• お笑いコンビ、たんぽぽの白鳥久美子さんは、おばあちゃんっ子だったこともあり、「ばあちゃん仕事」に憧れ、愛してやみません。今日も、手を動かして、暮らしをつくる。白鳥さん流の「楽しい小さな暮らし」をご紹介します。めずらしく訪れた自由な夜に、いただきものの「機織り機」を取り出す白鳥さん。

    今日のわたしは眠くない

    自分だけの時間というものが、なかなか取れずにいます。

    休みがあったら、なんかの手続きに区役所に行ったり、今度の仕事のあれを用意したり、なんてしているうちにアッと言う間に一日が終わってしまいます。

    そんな中、夜が私の自由時間です。

    でも最近の私ときたら、娘を寝かしつけるタイミングで自分も寝てしまうので、全てがうまくいった場合に限るのです。

    先日、そんな夜がやってきました。娘は寝たけれど、今日の私は眠くない。何かちょっとしたことなら出来そうな気力が残っている。そこで私が取り出したのが、卓上手織り機です。

    画像1: 今日のわたしは眠くない

    実はこれ、引っ越しで荷物を整理している時に見つけました。

    7年前くらいでしょうか、ニッチェの近藤さんと有馬温泉へ旅行に行った時に、買ってもらったお誕生日プレゼントなのです。

    温泉街に似つかわしくない、海外の民芸品が並ぶ謎のお店に入った時に見つけました。

    当時の私は、機織りがやりたい気持ちが最高潮に達していました。ロケで体験させてもらい、筋がいいと褒められてその気になったのもありますが、なにより私がこの作業に夢中になってしまったのです。

    横糸を通して、足で踏んで縦糸を交差して、トントン、なんていうリズムが心地いいんです。

    それから、「機織り機はいくらで買えるのか? 東京に教室はあるのか?」なんてことを調べている最中に、有馬温泉で見つけたので大興奮してしまい、見かねた近藤さんがお誕生日プレゼントとして買ってくれたのです。

    さて、そんなに夢中だったのにも関わらず、私はもらったまま袋から出しもせずにしまっていました。なぜ? 手に入れてしまった安心感から、いつでもできるからと放置したのでしょう。情けない限りです。

    そんな織り機を見つけた今、やっとやる時が来ました。

    横糸を通してトントン、返してまた横糸を通してトントン。そのリズムを掴んでくると、だんだん頭の中が静かになってきます。

    画像2: 今日のわたしは眠くない

    しばらくすると、ただの一本の糸だったものが平面になって、しかも思いもしなかった模様になっている。これは大変。楽しすぎます。

    みんなが寝静まった頃にこんなことやって。鶴の恩返しじゃないんだから。夫に見られたら「あの時、助けてもらった鶴です。」って言ってみようかな。あ、私の場合だったら、「あの時、助けてもらった白鳥です。」の方がいいのかな。

    手を動かしていると、こんなふうに、何のためにもならないことが、とりとめもなく湧き出てきます。その昔、機織りしていた女の人もそんなことを考えていたんでしょうかね。

    出来上がったものは、お人形用のマットになりましたよ。次は何を織ろうかな。

    画像3: 今日のわたしは眠くない


    画像4: 今日のわたしは眠くない

    白鳥久美子(しらとり・くみこ)
    1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。現在、夫婦のYouTubeチャンネル、たんぽぽ白鳥&チェリー吉武「私たち、これで家族やってます!!」にて、白鳥家のリアルな様子を配信中。
    https://www.youtube.com/channel/UC07M-jJgy3ZVgQhTb48ke2w



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