• 片づけをするのは、空間を美しく保つだけではなく、心を穏やかに整えるためでもあります。整理整頓アドバイザー・井田典子さんに、「時間の使い方」や「自分の家」、「消耗品のモノ選び」を客観的に見直すことについて伺いました。
    (『天然生活』2019年12月号掲載)

    何をしたいか持ちたいか、欲望に優先順位をつける

    画像: 「子どもにかけていた時間が、いまは必要ないのよね」と井田さん。「シニア世代は空いた時間を、どう使うかも重要。仕事だけでなくボランティアなど、もっと社会のために使いたいですね」

    「子どもにかけていた時間が、いまは必要ないのよね」と井田さん。「シニア世代は空いた時間を、どう使うかも重要。仕事だけでなくボランティアなど、もっと社会のために使いたいですね」

    モヤモヤがたまるのは、思うように時間やお金を使えていないと感じるから。

    「1日の時間やお金の使い方も、引き出しの中と同じように考えてみましょう。あれもこれもと欲望を足してくのではなく、決まった“枠”の中で仕切りを動かして優先順位を決めていくイメージ。

    私の所属する友の会では、5年に一度の『生活時間しらべ』で、1週間分の時間の使い方を細かく記録し、平均してグラフ化してきました。そこでわかったのは、時間の使い方は時代とともに変わるということ。若いころは、育児の時間が永遠に続く気がしていたけれど、振り返れば、それは一時的なことだったとわかります」

    部屋を写真に撮り、客観的に眺める

    画像: 客観的に見るためには、部屋に入ってすぐ“ありのまま”を撮るのがコツ。「来客にはこう見えているんだな」とわかる

    客観的に見るためには、部屋に入ってすぐ“ありのまま”を撮るのがコツ。「来客にはこう見えているんだな」とわかる

    自分の家は、自分が一番よくわかっていると思いがちですが、無意識に、見たくないところからは目をそらしていることが多いのです。そこでぜひ実践してほしいのが、家のあちこちを写真に撮る方法。

    「写真は正直ですから、見たくない状態もそのまま写し出します。『なんでこんなところにこれが?』『どう考えても、モノを無理やり詰め込んでいる』など、客観的に見つめ直すことができます。気になった部分から、片づけ始めればいいのです」

    片づけ後、BEFORE写真と AFTER写真を保存しておきましょう。「これだけがんばった!」と確認でき、自己肯定感も上がりますよ。

    消耗品は、地球の循環のことを考えて

    画像: フロアモップ用の不織布シート、トイレ用洗剤、お風呂用洗剤……。場所別に洗剤が必要かを見直してみる

    フロアモップ用の不織布シート、トイレ用洗剤、お風呂用洗剤……。場所別に洗剤が必要かを見直してみる

    画像: エコ洗剤でさまざまな場所の汚れが落とせることを知れば、ストックで場所をふさがれることがない

    エコ洗剤でさまざまな場所の汚れが落とせることを知れば、ストックで場所をふさがれることがない

    使い捨てはできるだけやめ、洗剤なども自然のモノを使うように心がけている井田さん。

    「フロアモップは、使い捨てシートではなく洗って何度も使えるタイプを使用。プラスチック包装も、できるだけ使わないよう、家に入れないように心がけています」

    日常の汚れは、石けんや重曹、セスキ炭酸ソーダなどでたいてい落ちます。

    「食器洗いは、固形石けんと網タワシで十分。シンクの水垢はクエン酸できれいに落ちますし、不便はないですよ」

    環境にやさしい洗剤で汚れを落とすポイントは、汚れをためないこと。汚れがついたときに手早く掃除すれば、実はほとんどの汚れは簡単に落とせるのです。



    〈撮影/萬田康文 取材・文/福山雅美〉

    井田典子(いだ・のりこ)

    整理収納アドバイザー。横浜友の会(婦人之友 読者の会)所属。NHK総合テレビの情報番組「あさイチ」などで、“片づけの達人” “スーパー主婦”として紹介され、話題となる。著書に『「ガラクタのない家」ー幸せをつくる整理術』(婦人之友社)など。
    https://idanoriko.jimdo.com/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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