• 気負わずできる社会貢献として注目される古着deワクチン。着なくなった衣類をキットにつめて送るだけで、ワクチン寄付のほか、さまざまな試みに協力できます。
    (『天然生活』2022年11月号掲載)

    手放したい衣類を、詰めて送るだけ。「古着deワクチン」で社会貢献

    家で眠っている、捨てるには忍びない衣類やアクセサリーの数々。

    自分はもう身につけないけれど、まだまだ誰かの役に立ちそうなそれらを最大限に活かす方法、それが「古着deワクチン」です。

    画像: 手放したい衣類を、詰めて送るだけ。「古着deワクチン」で社会貢献

    私たちがするべきことは、手放したい衣類を専用回収キットを購入し、詰めて送るだけ。

    それが、衣類として誰かの元でもう一度役立つだけでなく、1袋(1口)につき、5人分のポリオワクチンとなって、開発途上国の子どもたちを救う手助けになるのです。

    昨年、カンボジアの首都プノンペンに世界唯一の直営店「古着deワクチンセンター」がオープン。日本から送られた衣類がここに一堂に集められ、選別されて店頭に並びます。

    実はこの場所、本来はあくまで倉庫として考えられていたとか。

    「ここはそもそも、みなさんからいただいた衣類を選別し、世界各国の必要とされる場所に送る拠点だったのです。すると、選別されている様子がまるでお店みたいにきれいだということで、近所の人が洋服屋さんだと勘違いしてしまって……。そこで急遽、お店としても営業することになったんです」

    と話すのは、現地でスタッフリーダーを務めるソディさん。実は彼女自身、ポリオの後遺症で右足に障がいがあります。

    「これまではなかなか、望む仕事につくことが難しかったんです。ところがここの求人は、ポリオによる後遺症がある人たちを積極的に採用しているので応募しました。私以外にも、同じポリオの後遺症を持つ人や貧困生活で苦労してきたスタッフが中心で、いまでは約100人が働いています」

    画像: 前列左から3人目がソディさん。センターのオープンと同時に働き始め、いまではリーダーとして活躍する

    前列左から3人目がソディさん。センターのオープンと同時に働き始め、いまではリーダーとして活躍する

    予防接種により子どもたちがポリオにかかることを防ぐ。それに加えて、後遺症を持つ人たちの雇用も積極的に行い、自立のサポートをする。

    「古着deワクチン」に参加することで、私たちが協力できることはとても多いのです。

    「さらにここでは、衣類が1点売れるごとに1人分のワクチンを寄付できます。ただ衣類を売るだけではないので、私たちもいっそう接客に力が入りますし、買う側の人たちにも、ポリオワクチンの大切さを伝えられます。みなさんから送られた衣類は、ここで多くのものを生み出しているのです」

    画像: 衣類は一律5ドル。現地の感覚では安くはないが、意図に賛同した人が購入していく

    衣類は一律5ドル。現地の感覚では安くはないが、意図に賛同した人が購入していく

    衣服がワクチン寄付や雇用につながるまで

    「古着deワクチン」の長所は、私たちの衣類がワクチンとなって届く、その道筋。プロセスにおいても国内外問わずに社会貢献につながることが、このシステムを使いたい理由なのです。

     福祉作業所で障がいのあるスタッフが作業

    画像: 「古着deワクチン」の専用回収キットは、全国の福祉作業所で製造。海外だけでなく、国内においても障がいのある人たちの雇用や仕事を生み出している。衣類回収袋には、障がい者アーティストの作品を起用し、支援にもつなげている

    「古着deワクチン」の専用回収キットは、全国の福祉作業所で製造。海外だけでなく、国内においても障がいのある人たちの雇用や仕事を生み出している。衣類回収袋には、障がい者アーティストの作品を起用し、支援にもつなげている

     古着deワクチンセンターで選別、輸出

    画像: 集められた衣類は、千葉県・木更津市にあるセンターに集められ、フィリピンの女性たちを中心としたスタッフによって輸出前の作業を行う。日本に住む外国の人たちの安定した雇用の支援になる。大まかな選別を済ませた衣類は、カンボジアのセンターへ

    集められた衣類は、千葉県・木更津市にあるセンターに集められ、フィリピンの女性たちを中心としたスタッフによって輸出前の作業を行う。日本に住む外国の人たちの安定した雇用の支援になる。大まかな選別を済ませた衣類は、カンボジアのセンターへ

     カンボジアの直営店で販売、再輸出を

    画像: カンボジアのセンターに到着した衣類は、さらに細かく選別されて店頭に並ぶ。その数は、常時5万点ほど。ここで販売をしつつ、世界30カ国へ、それぞれの場所に適した衣類がセレクトされ、再輸出。1点売れるごとにワクチン1人分が寄付される

    カンボジアのセンターに到着した衣類は、さらに細かく選別されて店頭に並ぶ。その数は、常時5万点ほど。ここで販売をしつつ、世界30カ国へ、それぞれの場所に適した衣類がセレクトされ、再輸出。1点売れるごとにワクチン1人分が寄付される

     キット購入代と衣類売り上げでワクチン寄付

    画像: 私たちがキットを購入することで寄付できる5人分、さらにカンボジアでの売上によるものを合わせると、今年7月時点でおよそ約432万人分のポリオワクチンを寄付。ちなみに「古着deワクチン」により、再利用された衣類は3,590万枚以上にのぼる

    私たちがキットを購入することで寄付できる5人分、さらにカンボジアでの売上によるものを合わせると、今年7月時点でおよそ約432万人分のポリオワクチンを寄付。ちなみに「古着deワクチン」により、再利用された衣類は3,590万枚以上にのぼる

    古着deワクチンの送り方

    するべきことは、いたって簡単。発送にも、手間はかかりません。

    専用回収キットが届きます

    画像: 専用回収キットが届きます

    注文後約1~2週間後で出荷、キットが届く。袋の絵は、障がい者アート協会と連携したコンクールで採用した庫美原(クラミハラ)さんの作品

    手放したいものを決めます

    画像: 手放したいものを決めます

    Tシャツ類なら約100枚、セーター類、ズボン類、ジャケット類なら各約40枚が入る。重くなるので、玄関での梱包がおすすめ

    専用の袋に入れて発送

    画像: 専用の袋に入れて発送

    近くの佐川急便各営業所へ、電話にて集荷を依頼。紙袋に貼ってある専用の着払い伝票を使用して発送するだけ

    古着deワクチンに送れるもの(一例)

    分別の必要はありません。女性服、男性服、子ども服など、すべて一緒にいれられます。

    送れるもの

    衣類全般(ハンドメイドも可。名前入りのもの、スーツ、スキーウエア、着物など)、服飾雑貨全般(ハンドメイドも可。バッグ、靴、マフラー、ストール、帽子、ベルト、手袋、サングラス、ネックレスやブレスレット、イヤリングなどのアクセサリー)など

    送れないもの

    下着類、靴下、タイツ、水着、パジャマ、シーツや枕、毛布以外の寝具、使用済みのタオル類、ぬいぐるみ、傘、布、大きな穴が開いているもの、著しく汚れているものなど

    ※ 詳しくは、下記の天然生活 ONLINE SHOPでご確認ください

    天然生活 ONLINE SHOPで「古着deワクチン」専用回収キット(3,300円/税込、送料込み)が購入できます

    天然生活 ONLINE SHOPで「古着deワクチン」専用回収キット(3,300円/税込、送料込み)をご購入いただけるようになりました。みなさまも、気負わず社会貢献、してみませんか?

    販売開始日時:2022年9月20日(火)12:00(正午)

    天然生活 ONLINE SHOP
    https://shop.tennenseikatsu.jp/

    画像: 気負わない社会貢献。「クローゼットの衣類」をワクチンの寄付や雇用につなげる、古着deワクチンの取り組み

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    〈取材・文/福山雅美〉

    提供/日本リユースシステム株式会社 古着deワクチン
    https://furugidevaccine.etsl.jp/



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