• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、9月におすすめの発酵料理と保存食のレシピを教えていただきました。腸内環境を改善し、免疫力向上の効果が期待できる発酵食品が注目されています。おうちで過ごす時間が増え、保存食づくりを始める人も。今回紹介するのは、「鮭の麹漬け」です。

    鮭の薬膳的効能ついて

    鮭の紅色はアスタキサンチンという色素成分で、カロテノイドの一種。とても強い抗酸化作用があり、シミやシワを防いだり、老化防止に効果が期待できるといわれます。

    薬膳では、気や血を補ったり、血の巡りをよくしたりして体を温める働きがあるとされるので、風邪を引きやすい人や冷え性、貧血の人にはとくにおすすめの食材です。

    毛細血管を拡張し、血液をサラサラにする不飽和脂肪酸のEPAやDHAを多く含むので、血のめぐりを改善する働きがあることは栄養学的にも認められています。

    胃腸の働きもよくするので、胃の弱い方や胃もたれ、食欲不振などにも有効です。

    【発酵食】鮭の麹漬けのつくり方

    画像: 【発酵食】鮭の麹漬けのつくり方

    鮭の麹漬けは北海道や東北地方の郷土料理で、「鮭の切り込み」とも呼ばれています。生魚を切り込んで漬けることから、「切り込み」という名前がついたようです。

    麹とごはんに漬け込んだ鮭は、深いうま味で甘くねっとりとしていて、ごはんがすすみます。

    もちろん日本酒にもぴったりですし、おにぎりの具材にもおすすめです。

    材料(つくりやすい量)

    ● 生鮭の切り身2切れ
    ● 塩鮭の重量の5%
    ● 生麹鮭の重量の25%
    ● ごはん麹と同量
    ● 赤唐辛子1/2本

    つくり方

     鮭に塩をまぶして冷蔵庫でひと晩おく。

     温かいごはんに麹を加えて混ぜ合わせ、煮沸消毒した密閉性の高い容器に入れる(乾燥麹の場合は、麹の重量の半量のぬるま湯に30分ほど漬けて戻してから使う)。

    画像1: つくり方

     鮭の水分をしっかりふき取り、食べやすい大きさに切る。種を取った赤唐辛子とともにに加えてさっくり混ぜ合わせてふたをする。毎日かき混ぜながら、常温で4〜5日おいたら食べごろ。

    画像2: つくり方

    ※冷蔵庫で10日ほど保存可能。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)

    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。

    インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
    YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」



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