• 東京・松陰神社前にあったカフェ「カフェロッタ」は、2021年9月、20年の歴史に幕を閉じました。店主の桜井かおりさんは、どんなときでも“楽しみ”を見つけるのが得意です。さて、今日はどんな“楽しみ”が見つかるでしょうか。今回は夫とふたりきりのパリ旅について。

    15年ぶりに夫とパリに行くことに

    夫婦ふたりでパリに行ってきました、そんなお話を。

    正確に言うとわたしは、9/1からパリへ。飲食店を営む夫は長く店を閉められないから、後からパリ入り。

    最後の4泊を一緒に過ごして、9/14、ふたりで大荷物を抱えて帰国しました。(“荷物持ち”とも言う)

    画像: 夫がわたしを撮ってくれて「この写真いいね」というのは滅多にない。この写真は珍しく好き♡

    夫がわたしを撮ってくれて「この写真いいね」というのは滅多にない。この写真は珍しく好き♡

    夫婦でパリに行ったのは結婚10周年記念旅行以来。夫にとっては15年ぶりのパリでした。

    毎年ひとりで行くパリになぜ今回夫を誘ったのか?

    実は毎回夫を誘っていたの。

    でもね、夫はその度に「夫婦で店を一軒ずつ経営していて2店を同時に “旅行”という理由で休んだらみなさんがどう思うか」と気にして、「かおちゃんひとりで行っておいで」とわたしの誘いにはずっと乗ってこなかったのです。

    で、今回はロッタもなくなり断る理由がなかったのでしょうね。「行こっかな」と想定外の返事でした。

    “夫のためのパリ”をコーディネート

    コロナ禍で飲食店は大打撃。夫の店も。5月には最愛の父を見送り、もしかすると夫はパリに行く気分ではなくなっているかも……と、出発の前に「今回はやめてもいいよ」と意思確認をすると「こんな時だから逆に気分転換に行く」って。

    ならば、うーーんと夫を楽しませて「行ってよかった」と言わせようじゃありませんかっ!と夫と合流してからの過ごし方は夫が好きそうなコースを考えました。

    蚤の市巡り、カフェ、街なかのビストロ、そして夫が好きそうなホテルに宿泊。せっかくだもん、手をつないで街を歩くのもいいかな♡なーんて思ったり。(つながなかったけどね)

    画像: ホテルから徒歩圏内でフラッと毎晩よく飲みました。いい思い出

    ホテルから徒歩圏内でフラッと毎晩よく飲みました。いい思い出

    慣れないGoogleマップを見ながら街を歩き、歩き疲れたらカフェでビール飲んで、蚤の市ではそれぞれが思うままに過ごして、クタクタになってホテルに帰れば夫はバタンキュー。

    わたしは買い付けた品々を夜な夜な梱包し、夫の着替えを洗たくする。

    甘さはないけれど、生温かい、しあわせな時間

    若い男女のように「楽しいね、楽しいね」という甘い感じはまったくないし、旅先だからって会話が弾むわけでもないけれど、「見てのぼちゃん(夫)、空がきれいだねー」ってふたりで空を見上げていっしょに感動したり、いつもの旅とは違うしあわせを感じました。(わたしはね)

    画像: 行ってみたかった『Les Enfants Rouges 』は、噂どおり美味しくて大満足。パリは飲食店の活気が完全に戻っていました

    行ってみたかった『Les Enfants Rouges 』は、噂どおり美味しくて大満足。パリは飲食店の活気が完全に戻っていました

    パリでは老夫婦が手を繋いで仲良く歩いている姿をよく目にします。カフェでもお互いきちっとおしゃれして会話を楽しむ老夫婦を度々見かけます。憧れますよね。いつまでも男と女の関係って。

    もう手遅れかもしれないけどちょっとずつ夫教育をしていかないとです。

    毎年じゃなくてもいいけど、もちろん国内でも十分だけど、夫婦水入らずの旅もたまにはいいもんですね。ひとり旅、女同士のキャッキャッ楽しい旅とは違う、なんか生温かくいい旅でした。

    画像: この旅で唯一夫が自分のために買った服はエルボーパッチが付いたツイードのジャケット。な、なんと15ユーロ!

    この旅で唯一夫が自分のために買った服はエルボーパッチが付いたツイードのジャケット。な、なんと15ユーロ!

    気づいたことは、普段から時間を共有しないとそりゃ会話も弾むわけがないってことです。

    どなたか夫に聞いてみて!

    「楽しい旅でしたか?」「また奥さんと旅に出たいですか?」とね。

    読んでくださってありがとー!



    画像: 甘さはないけれど、生温かい、しあわせな時間

    桜井かおり(さくらい・かおり)

    文筆家。大手損害保険会社のOLを経て、東京・代官山「クリスマスカンパニー」にアルバイトとして勤務。その後、系列店のテディベア専門店「CUDDLYBROWN」で店長を務める。2001年3月、東京・松陰神社前で「カフェロッタ」をオープン。心のこもった接客に、全国からお客様が足を運び、お客様から相談やお手紙をもらうことも多かったそう。「カフェロッタ」は2021年9月末に建物老朽化のため、惜しまれつつ閉店。いまは、文筆業や、買い付けなどを行う。著書に『カフェロッタのことと、わたしのこと』(旭屋出版)がある。2冊目の著書『愛してやまないカフェロッタのことと、わたしのこと』(旭屋出版)が好評発売中。

    インスタグラム:@kaorilotta

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    『愛してやまないカフェロッタのことと、わたしのこと』(桜井かおり・著/旭屋出版)|amazon.co.jp

    『愛してやまないカフェロッタのことと、わたしのこと』(桜井かおり・著)

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