• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、10月におすすめの発酵料理と保存食のレシピを教えていただきました。腸内環境を改善し、免疫力向上の効果が期待できる発酵食品が注目されています。おうちで過ごす時間が増え、保存食づくりを始める人も。今回紹介するのは、「干しいも」です。

    さつまいもの薬膳的効能ついて

    薬膳では、さつまいもは胃腸を元気にし、気(生命エネルギー)を補う働きがあるといわれています。体力が落ちているとき、気力ややる気がないとき、食欲がないときなどの助けとして期待される食材です

    また、柑橘類に匹敵するほどビタミンCを多く含んでいます。食物繊維も豊富で、便秘の改善にも役立ちます

    皮を残してつくると、薬効がアップ。ポリフェノールを多く含む皮は抗酸化作用が高く、老化防止や目の疲れなどに有効です

    薬膳では、さつまいもを皮ごと食べることで、腸内でガスが発生するのを防ぐといわれています。

    【保存食】干しいものつくり方

    画像: 【保存食】干しいものつくり方

    つくったそばからつまんでしまい、あっという間になくなってしまう、わが家でも人気の干しいも。

    蒸して、切って、干すだけと工程はすごくシンプルですが、「なかなかうまくできない!」という声を多く聞きます。

    上手につくるにはいくつか押えたいコツがあるので、紹介します。

    ひとつ目は、じっくりと時間をかけて蒸すこと。切ったときに中に白い部分が残っていたら、火が通っていないので、さらに蒸してください。

    ふたつ目は、冷めてから切ること。崩れにくくきれいな形に仕上がります。

    3つ目は、湿度や気温が高いとカビやすくなるので、寒くて天気のよい日を選んで干すこと。食べるときにオーブントースターやグリルなどで温めると、ふっくらやわらかくなり、香ばしさがアップしますよ。

    材料(好みの量)

    ● さつまいも適量

    つくり方

     さつまいもは皮つきのまま、蒸気のあがった蒸し器に入れる。途中水を足しながら、30分〜1時間かけてじっくり蒸す(時間はさつまいもの大きさにもよる)。

    画像: 竹串を刺して、中心までスーッと通れば蒸し上がり。切ったときに白い部分が残っていたら蒸し足りない状態

    竹串を刺して、中心までスーッと通れば蒸し上がり。切ったときに白い部分が残っていたら蒸し足りない状態

     さつまいもが熱いうちに皮をむく。火傷に注意しながら、ふきんなどで包みながらむく。皮を残して仕上げてもよい。

     冷めたら、水でぬらした包丁で1cm 幅に切る。熱いうちに切ると崩れやすいので注意。

    画像: 切り方は輪切りでも縦にスライスしても。輪切りなら皮を残しやすい。縦にスライスする場合は、皮がないほうが切りやすい。しっかりした糸などをピンと張って切ると、断面がきれいに

    切り方は輪切りでも縦にスライスしても。輪切りなら皮を残しやすい。縦にスライスする場合は、皮がないほうが切りやすい。しっかりした糸などをピンと張って切ると、断面がきれいに

     ざるや干し網にさつまいもを重ならないように並べて、天日干しする。やわらかくねっとりした食感が好みなら2〜3日ほど、硬めが好みなら4〜7日ほど、好みの硬さになるまで干す。夕方には室内に取り込む。でき上がったら密閉袋に入れて、保存する。

    ※干し時間が短い場合は冷蔵庫で約1週間、しっかり干した場合は冷蔵庫で約1カ月保存可能。冷凍すれば1年保存可能。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)

    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。

    インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
    YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」



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