ぶりのこと

ぶりはアジ科ブリ属の一種で、成長するにつれて呼び名が変わる出世魚の代表格です。天然の大物、ぶりがおいしくなる旬の時期は、たっぷりと脂を蓄え南下する12~2月。この時期のものは「寒ぶり」と呼ばれ人気が高いです。脂がのったぶりはお刺身、煮物、ソテーなどさまざまな料理で楽しめます。
ぶりを選ぶときは、ツヤとハリがあり、血合いが少ないものを選ぶのがおすすめです。血合いは古くなると黒ずんでくるので、色の鮮やかさを見るとよいでしょう。北陸地方では「ぶりおこし」といって雷が鳴るとおいしいぶりが揚がるといわれています。
トマト風味のぶり大根のつくり方

ぶりと大根を、チキンスープとホールトマトで煮た“洋風ぶり大根”。パセリを散らして見た目も華やかに。
魚臭さが苦手な方は、ローズマリーやタイムなどのハーブを加えてもよいです。
材料(つくりやすい分量)

● ぶり | 2切れ |
● 大根 | 1/3本 |
● トマト水煮缶(ホール) | 2カップ(1缶分) |
● A | |
・しょうゆ | 大さじ1 |
・酒 | 大さじ1 |
・こしょう | 少々 |
● 薄力粉 | 適量 |
● オリーブオイル | 大さじ2 |
● にんにくスライス | 大さじ1 |
● チキンスープ | 2カップ |
● 白ワイン | 大さじ4 |
● ナンプラー | 大さじ1 |
● 塩、こしょう | 少々 |
● イタリアンパセリ(みじん切り) | 適宜 |
つくり方
1 ぶりは半分に切り、バットなどに並べ、Aにつけて15~30分おく。

2 大根は1.5cm幅の輪切りにする。皮を厚めにむいて面取りをし、真ん中に下包丁を入れる。


3 1のぶりはペーパータオルで水分を押さえ、薄力粉をまぶす。Aのつけ汁はとっておく。フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、ぶりを入れ、両面をしっかり焼く。焼き色がついたらぶりを取り出し、同じフライパンで大根を焼き色がつくまで焼く。



4 土鍋にチキンスープを入れ、にんにくと白ワインを加えて中火にかける。沸騰したら焼いた大根を加え、ふたをしてやわらかくなるまで煮る。

5 4にぶりを加え、トマトの水煮を手でつぶしながら加える。ふたをして煮て、煮汁が1/3程度になったところでナンプラーとAのつけ汁を加える。味をみて塩、こしょうを加える。器に盛り、パセリを散らす。


〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司〉

松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『丁寧なのに簡単な季節のごはん』(小学館) amazonで見る など。
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