• 冬の台所で大いに重宝する白菜と大根ですが、丸ごと使い切るのに難儀している方も多いのでは? 野菜のみずみずしさも長持ちし、いろいろな料理に展開しやすい「塩水漬け」を教わりました。
    (『天然生活』2020年1月号掲載)

    細切りにして塩水に漬けておくだけで、後々、本当に気が楽になります

    冬野菜の代表格である白菜と大根。甘味が増し、パリッと歯ごたえもよくなり、冬の台所では欠かせない野菜です。

    丸ごと買うのがお得ですが「消費せねば」とプレッシャーになっているという方も多いのではないでしょうか? 最後までおいしく食べ切るアイデアを、瀬尾幸子さんに聞きました。

    「白菜も大根も比較的、日持ちする野菜です。ただ、切ったところから鮮度が落ちていってしまうし、日がたてば甘味やうま味も損なわれていきます」

    ということで、瀬尾さんが日頃から実践しているのが、細切りにして塩水に漬ける「塩水漬け」

    塩水に漬かった状態なら、空気に触れないので長持ち。細切りにしてあることで、思い立ったときに料理にすぐに使えて忙しい日々のなかで、とても便利なのです。

    画像: 漬けてひと晩たった「塩水漬け」。冷蔵庫で1週間ほど保存できる

    漬けてひと晩たった「塩水漬け」。冷蔵庫で1週間ほど保存できる

    「濃度3%の塩水ですが、野菜から水分もかなり出ます。うっすら塩味がついている程度で、漬物ほどしょっぱくない。オイルとあえてサラダにしたり、炒めものの具材にしたり、味噌汁に入れたりと、日々の台所で重宝します。チョコチョコ使いができるから、あっという間に使い切れます」

    画像: 塩水は3%の濃度。塩を入れたらよく混ぜてしっかり溶かす

    塩水は3%の濃度。塩を入れたらよく混ぜてしっかり溶かす

    「保存食」というと身構えてしまう方もいるかもしれません。でも、瀬尾さんが提案するのは、毎日の台所仕事を楽にするための「下ごしらえ」。「あれが冷蔵庫にあるから、イチから調理しなくていいんだ」と思える、料理の貯金のようなものです。

    「八百屋さんから帰ってきたら、冷蔵庫にしまう前に、一気に細切りにして塩水に漬けておくだけで、後々、本当に気が楽になりますよ」

    画像: 「その後の料理に展開しやすい1cm幅くらいがおすすめ」

    「その後の料理に展開しやすい1cm幅くらいがおすすめ」

    白菜も大根もクセのない野菜なので、さまざまな食材、調理法と仲良く調和。展開料理も自由自在です。

    「餃子やしゅうまいも肉と同量かそれ以上に野菜が入っているから、食べてもしんどくない。野菜がたっぷりの料理って、外ではなかなか食べられないですよね。そうやって、自分の好みや体調に合わせて素材配分や味付けを変えられるのは自分でつくるからこそ」と、家庭料理の醍醐味を改めて教えてくれました。

    画像: 野菜が必ず塩水に漬かっている状態をキープ

    野菜が必ず塩水に漬かっている状態をキープ

    白菜塩水漬けのつくり方

    クセがない野菜なので、どんな具材ともなじみ、幅広く展開可能。

    画像: 白菜塩水漬けのつくり方

    材料(つくりやすい分量)

    ● 白菜1/4株
    ● 塩30g

    つくり方

    画像: 部位によって歯ごたえも味わいも変化する

    部位によって歯ごたえも味わいも変化する

     保存容器に水1L(分量外)を入れ、塩を溶かす。

     白菜は1cm幅に切る。

     を漬けて冷蔵保存する。

    ※ ひと晩おいたくらいから食べ頃。保存期間は約1週間

    大根塩水漬けのつくり方

    一番使いやすい状態=細切りで保存しておくことで、手早く料理に活用できる。

    画像: 大根塩水漬けのつくり方

    材料(つくりやすい分量)

    ● 大根1本
    ● 塩30g
    画像: 中央部が甘くやわらかく上下は少し筋っぽい

    中央部が甘くやわらかく上下は少し筋っぽい

    つくり方

     保存容器に水1L(分量外)を入れ、塩を溶かす。

     大根は皮をむいて7mm角の棒状に切る。

     を漬けて冷蔵保存する。

    ※ ひと晩おいたくらいから食べ頃。保存期間は約1週間

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    〈料理/瀬尾幸子 撮影/有賀 傑 スタイリング/竹内万貴 取材・文/鈴木麻子〉

    画像: つくり方

    瀬尾幸子(せお・ゆきこ)
    料理研究家。手早くつくれて食べ飽きない、普段の食卓で活躍する家庭料理を提案。『賢い冷蔵庫』(NHK出版)など著書多数。「料理はつくったらつくった分だけ、おいしいものができるようになりますよ」

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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