(『天然生活』2021年5月号掲載)
明日の“あれ”を楽しみに、朝を待ちわびます
東京・青山で焼菓子店「A.R.I」を営んでいた森岡 梨さん。現在は、ニューヨークで夫婦ふたり暮らしです。
おいしいものいっぱいの街だけれど、いまはコロナ禍で外食もままならず、1日3回キッチンに立つ日常。それもまた新鮮で、つかのまの休日のような時間を楽しんでいます。
「朝ごはんはほぼメニューが決まっていて、日曜日はフレンチトーストの日。一度、夫に頼まれてつくったらとても喜んでくれて、『毎週食べたい』とリクエストされました。ちなみに土曜はホットドッグの日。こちらは夫の担当です」
フレンチトーストは、土曜の夜から卵液に漬け込んでふるふるの状態に。この夜のひと手間も、朝への期待をいっそう高めます。
ちなみに平日は、前の晩のおかずを使ったサンドイッチが基本。ハンバーグ、コロッケ、ミートボールにトンカツ。あえて多めにつくる晩ごはんの日本の味が、翌朝にはサンドイッチに変身。「明日、あれが食べられる」と思えば、目覚める朝が楽しみです。
「私にとっては、おなかが空いて目が覚めること自体が何より幸せ。食べたいメニューが決まっているのも、なんだかうれしい。とはいえ、何の準備もプランもなかったとしても……冷蔵庫を開けば、そこに何かしらの答えがちゃんと見つかる。それが、朝ごはんの気軽で一番素敵なところかも」
昨晩のハンバーグが野菜たっぷりバーガーに
●チーズバーガー(バンズ、チーズ、昨晩のハンバーグ、レタス、トマト、ピクルス) ●ミルク
晩のおかずを少し多めにつくり、翌朝のお楽しみにするのが定番。
チーズをのせたパンとハンバーグをオーブンで温め、大ぶりトマトやレタス、ピクルスとサンド。パンはふわふわタイプよりも、もっちりタイプが好み。たっぷりの牛乳と一緒に味わう。
休日は、夫リクエストのフレンチトーストが定番
●フレンチトースト ●玉子焼き ●ハム ●カラカラオレンジ ●カフェオレ
つけ合わせは日によってさまざま。今週はハムとしっかり焼いた玉子。そして、カラカラオレンジ(ピンクネーブル)のソテー。
「夫は、朝、生のフルーツを食べないので火を通すようになりました。バナナやいちごもさっと焼くと新鮮な味わいになります」
幸せな朝ごはんのお供
ロゴ入りのマグカップ
マグカップ好きの森岡さん、日本に20個ほど保管しているそう。
この2つは、ニューヨークにまで持ってきたとっておき。「A.R.I」のロゴ入りと、好きだったコーヒーショップのもの。
〈撮影/森岡 梨 取材・文/福山雅美〉
森岡 梨(もりおか・あり)
ニューヨークの製菓学校やレストランで修業ののち、アメリカンスイーツの店「A.R.I」を開店。現在は夫の仕事の都合によりニューヨーク在住。著書に『A.R.Iのお菓子のデザイン』(文化出版局)など
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです