• ほっとひと息つく場所、それがわが家。部屋をよりくつろげる空間にするための“ものが多い部屋の整え方”を、アンティークバイヤーの山端朱美さんに教えてもらいました
    (『天然生活』2020年11月号掲載)

    「ものが多い部屋の整え方」について、山端朱美さんにさんに伺いました

    フランスのアンティークに魅せられ、みずから現地で買い付けてきた器や雑貨を販売している山端朱美さん。お店を持たず、イベントやオンラインショップで販売しているため、自宅は買い付けてきた商品の保管場所も兼ねています。そのため、部屋の中はものでいっぱい。それでも目にうるさくなく、むしろ心地よく感じられるのはなぜなのでしょう。

    「好きな色が、昔から白とベージュ、こげ茶の3色。買うものも自然とその色ばかりになるんです」

    色数の少ないすっきりした空間を土台に、たくさんのものを楽しみながら置いています。自分が使う器も、販売するものも、大好きであることに変わりはありません。

    「部屋全体が広く見わたせるダイニングの椅子が、私の自宅での定位置。愛着のあるものばかりが目に入ってきて、そのたびに幸せな気持ちになります」

    Q ものが多い部屋の整え方は?

    A1 白、ベージュ、こげ茶、メインは3色に抑える

    画像: 好きなものに囲まれたら、それだけで幸せ。白い食器棚は日本の古道具、ワゴンはイギリスのパン屋で使われていたもの

    好きなものに囲まれたら、それだけで幸せ。白い食器棚は日本の古道具、ワゴンはイギリスのパン屋で使われていたもの

    目につくところには大好きな3色のみで、差し色としてブルーを入れるくらい。それ以外の色のものは見えないところにしまい込む。このルールを徹底することが部屋をすっきりと見せています。

    「この家に引っ越した際の決め手も、こげ茶の床と白い天井や壁でした。自分が持っているものにぴったり合うと思ったんです」

    A2 お手製カバーリングで、仲間外れの色を排除

    画像: 座り心地のいい椅子は日本の1950年代のもの

    座り心地のいい椅子は日本の1950年代のもの

    友人から譲り受けたアームチェアは「背面や座面のクッションの柄にオレンジなどが入っていたため、フランスで買って保管していたベージュ色のリネンでカバーを手づくりしました」。これで空間全体の色合いとぴったり合うように。

    A3 見せると隠すのメリハリをつける

    画像: 在庫のカトラリーは、鞄と小さなアートを利用して

    在庫のカトラリーは、鞄と小さなアートを利用して

    画像: 仕事用コンテナは古いリネンで目隠し

    仕事用コンテナは古いリネンで目隠し

    「仕事道具や生活用品は、どうしても好きではない形や色のことも。そういったものは戸棚にしまったり、布で目隠ししたりします」。一方、好きなもの、いつも見ていたいものはディスプレイ感覚で、見せる収納を楽しみます。

    A4 コレクションは、コーナーにまとめる

    画像: キャビネットはイギリスのアンティーク。背面は自分でフランスの壁紙、トワルドジュイに張り替えた

    キャビネットはイギリスのアンティーク。背面は自分でフランスの壁紙、トワルドジュイに張り替えた

    ダイニングにあるキャビネットは「自分のお気に入りを置く場所。ガラスのものを中心にまとめています」。コーナーに、テーマを設けてギュッとまとめてものを並べるのも、空間をすっきりと見せつつ、好きなものを楽しむ秘訣。

    ワンポイントメモ 
    目利きになるためのアンティーク豆知識

    「物語性のあるアンティーク、なかでも温かみを感じられるフランスのものが大好き。ふだんの生活でどう使うかを考えるのも楽しくて」と話す山端さん。

    美しさ以外にも、特徴や歴史を知ることでさらに楽しみが深まりそうです。

    画像: 器の古さを知る目安のひとつが高台の有無。1800年代にはないが、1900年代にはあるものが多い

    器の古さを知る目安のひとつが高台の有無。1800年代にはないが、1900年代にはあるものが多い

    画像: 絵柄にも時代の変遷が。19世紀は手描き、20世紀初頭は転写プリント、20世紀半ばはステンシルが主流

    絵柄にも時代の変遷が。19世紀は手描き、20世紀初頭は転写プリント、20世紀半ばはステンシルが主流

    画像: 日本でも人気のオクトゴナル(八角形)の器は19世紀の貴族が窯元につくらせたもの。リム模様もさまざま

    日本でも人気のオクトゴナル(八角形)の器は19世紀の貴族が窯元につくらせたもの。リム模様もさまざま



    〈撮影/有賀 傑 取材・文/嶌 陽子〉

    画像: ワンポイントメモ 目利きになるためのアンティーク豆知識

    山端朱美(やまはた・あけみ) 
    「SOUVENIR de PARIS」の屋号でフランスから買い付けた器など食卓まわりのアンティークを販売。現在は不定期にオンラインショップを開催。インスタグラム@souvenirdeparis

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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