(『天然生活』2021年10月号掲載)
“お茶を点てる”ひと手間の心地よさ
雑誌の連載を機に、本格的に茶道のお稽古を始めて、すっかりその魅力にはまっているという、はなさん。
「お稽古では、細やかで奥深い日本文化に触れたり、所作を学ぶことで背筋がピンとしたりするのが楽しいですね。抹茶のおいしさの違いもわかるようになったこともあって、自宅でも気軽にお茶を点てています」
おいしい和菓子が手に入ったときなどは、いそいそとキッチンでお茶を点てて、贅沢なおやつ時間を楽しみます。
「抹茶には苦味のなかに甘味があって、気持ちをシャッキリさせたいときにもおすすめ。抹茶の種類によっても味がまったく違うので、気分に合わせて飲み分けています」
そんなお茶時間に欠かせないのが、お気に入りの茶碗です。
「とくに初めて自分がお茶会を開くときにつくった茶碗には、強い思い入れがありますね。自分がこの茶碗をこれから育てていくんだという、ワクワクした気持ちで作家さんにつくってもらいました」
ほかにもお祖母さまから受け継いだ茶碗や、インドで手に入れたラッシー用の茶碗など、それぞれの茶碗に大切なストーリーがあります。器は眺めるだけでなく、使うことで味わいが増すもの。四季の移ろいに合わせて、使う茶碗を選ぶのも楽しいひとときです。
「もちろん、自分がお気に入りの茶碗で抹茶を味わうのは素敵ですが、自分用なら、カフェオレボウルで抹茶を点てていただいてもいいと思います。茶せんも100円ショップなどで簡単に手に入るそうです。“お茶を点てる”というひと手間から始まる、いつもと違うお茶時間を楽しんでみてください」
気軽にお茶を楽しむ
はなさんの抹茶の点て方
自宅でも気軽にお茶を点てて楽しんでいるはなさん。作法にとらわれずに、お茶を点てる時間や抹茶の香りや味をゆったりと味わいます。自宅用ということで、茶道の作法にはあまり縛られずに、普段着感覚で抹茶のおいしさを味わう時間を楽しみましょう。
1 お湯で一度温めた茶碗1杯に対して、抹茶の粉末を茶杓2さじ(3gほど)すくい、茶碗に重ねた茶こしへ入れる。
2 茶こしに入れた抹茶を茶杓を使ってなでるようにていねいにこす。こうすることで、お茶を点てたときにダマになるのを防ぐ。
3 沸騰直前の湯を茶碗に静かに注ぐ。量は好みでよいが、目安は茶碗の1/4〜1/5程度。茶せんを垂直に入れ、前後に手早く動かす。
4 表面が泡立ってきたら、大きな泡は穂先でやさしくつぶして均等にする。最後に「の」の字をかき、茶せんを中央から引き上げる。
5 きれいな緑色の抹茶が完成。苦味は湯の量で調整するが、湯が多すぎると点てにくくなる。手早くすることで、おいしい抹茶になる。
〈撮影/近藤沙菜 取材・文/工藤千秋〉
はな
モデル・タレント。神奈川県横浜市出身。17才からモデル活動を始める。現在は、ファッション誌で活躍するかたわら、FMヨコハマ「Lovely Day♡~hana金~」のナビゲーターも務めるなど、幅広く活躍している。趣味はお菓子づくりや茶道、仏像鑑賞。著書に『今日もお稽古日和』『はな、茶の湯に出会う』(ともに淡交社)、『hana’s style book』(宝島社)、『ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう』(幻冬舎)、『おくるおかし』(集英社)など多数。10月10日に連載をまとめたムック『別冊天然生活 はなのお菓子』(扶桑社)が発売になったばかり。
インスタグラム:@hanalovestaco
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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