(『天然生活』2022年12月号掲載)
肌が潤う入浴法
肌の乾燥を防ぎ、潤いを保つ入浴のポイントは3つ。ひとつめは、洗い方です。石けんを使うのは皮脂の多い頭や顔、わきの下などだけで、ほかはお湯につかるだけで十分です。
ふたつめは入浴後の保湿です。湯船につかることで皮脂の水分量は増えますが、同時に肌本来の保湿成分「セラミド」も溶け出してしまいます。入浴後、何もケアをしなければ、皮脂の水分は30分後には入浴前よりも減少することに。お風呂から上がったらすぐに保湿をして肌の潤いを保ちましょう。
3つめは湯の温度です。42℃以上の熱い湯は肌を乾燥させるので、お肌のためにも40℃のお湯がおすすめです。
手足は湯につかるだけ
皮脂が少なく乾燥しがちな手脚は、洗いすぎに注意。石けんを使うのは週1回程度で十分。ふだんは、お湯につかるだけで、汚れはきれいに落とせる。
石けんで洗うのは顔とわきの下
毎日石けんで洗うのは、皮脂の多い顔、わきの下や足の指の間、粘膜のある陰部など。石けんをよく泡立て、素手で洗う。乾燥肌の人は石けんを使うのは2、3日に1回でもOK。
シャンプーは毎日使っていい
皮脂の多い頭部は、毎日シャンプーで洗髪を。最初にお湯で頭の汚れを落としてから、少量のシャンプーをしっかり泡立て、やさしく頭皮をマッサージしながら洗うとよい。
保湿はお風呂から出て10分以内に
お風呂上がりの保湿ケアは10分以内が鉄則。それ以上時間をおいてしまうと、入浴中に増えた皮膚の水分は10分で元の状態に、30分たつと入浴前よりも少なくなる。
<監修/早坂信哉 イラスト/植松しんこ 取材・文/工藤千秋>
早坂信哉(はやさか・しんや)
温泉療法専門医。東京都市大学人間科学部学部長・教授。お風呂や温泉に関する医学的研究の第一人者。著書に『入浴は究極の疲労回復術』(山と渓谷社)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです