(『手ぬいでちくちく、暮らしの布小物』より)
「小豆3粒包める布」さえあれば、かわいいブローチができ上がり
洋裁をしているとどうしても出てきてしまう、大小のはぎれ。昔の人は「小豆3粒包める布は捨てるな」と子に教えたとか。
私はどんな小さなはぎれでも捨てられず、色や柄ごとにまとめてガラス瓶などに保管しています。
布耳でさえ捨てずにとっておき、プレゼントのラッピングに使ったり布をまとめたりするのに使っています。
そんな小豆3粒ほどを包めるはぎれでもつくることのできる、可愛いブローチをご紹介します。
形は石ころや木の実、動物などからインスピレーションを得て、自由に描いてみましょう。
布の組み合わせと形が決まったら、ステッチを足したり足さなかったり。意外な布の組み合わせが楽しくて、ひとつつくるとまたひとつ……と夢中になってしまいます。
シンプルな洋服のワンポイントに、またはバッグや帽子にたくさんちりばめてつけるのも楽しい。ちょっとしたプレゼントにも喜ばれそうですね。
ちょこっと縫いもの
はぎれブローチのつくり方
材料
● はぎれ | |
● 型紙用の厚紙 | |
● 芯になる厚紙 | |
● 手芸用わた | |
● 布用ボンド | |
● ブローチピン |
つくり方
1 型紙をつくる。パッチワークをするなら切り替えたい位置に線を入れる。さらにブローチの芯になる紙に型紙を合わせて線を引く。
2 1を線に沿って切り、もう1枚はそれより0.5cm内側に線を引いてから切る。これがブローチの芯になる。
3 1の型紙を切り替えたいラインで切って2枚にする。パッチワークのつなぎ目は0.5cm、外周は1cmの縫い代をつけて布を裁つ。
4 2枚の布を中表にして半返し縫いをする。縫い代は片側に倒す。
5 好みで刺しゅうをする。糸を2本取りにし、布の端から0.3cm内側に一周ぐし縫いをする。
6 5の裏側にわたを適量詰め、2で切った大きい方の紙の芯をのせて糸を引っ張る。わたと紙の芯を包み込み、玉止めをする。
7 裏側になる布に2で切った小さい方の紙の芯を当て、縫い代を1cmつけて裁つ。裏側のパーツの真ん中より少し上あたりにブローチピンを縫いつける。
8 5、6と同様にぐし縫いをして紙の芯を包み込む(わたは入れない)。
9 縫い目側に布用ボンドを薄くつけ、2つのパーツを合わせる。くっつくまでクリップで留め、出ている糸は目打ちで中に入れる。
本記事は『手ぬいでちくちく、暮らしの布小物』(家の光協会)からの抜粋です
〈撮影/新居明子〉
美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
手づくり暮らし研究家。京都の町家に夫と長女、長男の4人で暮らす。長女のために洋服作りを始めたのがきっかけとなり、2008年からFU-KO basics.として作品を制作販売する。「ものを作る、幸せのかたちを作る」をテーマに、手づくりのある暮らしを提案。『FU-KO basics.着るたびに、うれしい服』『FU-KO basics 心に残る、子ども服』(ともに日本ヴォーグ社)など著書多数。最新著書『手ぬいでちくちく、暮らしの布小物』(家の光協会)はすべて手ぬいでつくる初めての本となる。
インスタグラム:@minowa_mayumi
ブログ:https://fukohm.exblog.jp/
YouTube:https://www.youtube.com/@fu-kobasics.8036
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針と糸と布さえあれば、誰でもすぐにできるのが手縫いのいいところ。場所を取らず、すき間時間を活用でき、家の中でできる趣味として新たに始める人が増えています。
美濃羽まゆみさんの作品のいちばんの魅力は、大人っぽくも可愛らしくもあるセンスのよい布使いと、デザインのチャーミングさ。
鍋つかみやエプロン、ティッシュケースなど家の中で使う小物から、お出かけの時に使えるバッグやポーチ、簡単な洋服まで、初心者でも簡単につくれるように丁寧につくりり方を紹介。手芸は苦手だけど、なにかつくってみたいという初心者さんにおすすめの1冊です。
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