(『天然生活』2020年2月号掲載)“
「カフェ ヴィヴモン ディモンシュ」堀内さんが考える“おいしいコーヒー”とは?
鎌倉の目抜き通り・小町通りの脇道に佇む「カフェ ヴィヴモン ディモンシュ」。おじさんがふたり、のんびりとコーヒーを飲む看板が目印のこの店は、1994年にオープンしたカフェブームの先駆け的存在です。
店主の堀内隆志さんがカフェを開いたのは、「いい空間をつくりたい」と思ったから。
「当時、カフェは多くありませんでしたから、お客さんがいい時間を過ごせるような、風通しのよい場所をつくれたらな、と思っていました」
その言葉どおり、店内では堀内さんが選曲したブラジル音楽が流れるなか、ゆるやかな時間を過ごすお客さまの姿が印象的です。
いまでは焙煎まで手がけている堀内さんですが、カフェをオープンしたころは、それほどコーヒーに詳しいわけではなかったそう。
「お客さまから教えてもらうことが多かったですね。あそこにいい店があるよ、と聞けば、休みの日に飲みに行ったりして、少しずつ覚えていきました」
そうしてたどり着いた、堀内さんが考える「おいしいコーヒー」は、「豆本来の味わいが生きた、すっと飲める、のどごしのいいコーヒー」だといいます。
「豆には、それぞれにキャラクターがあるので、そのよさが感じられる、水みたいに飲めるコーヒーが、個人的には好きです」
まずは道具をそろえましょう
ペーパードリップでコーヒーを淹れるときに必要な道具を紹介します。お気に入りの道具で淹れるコーヒーは格別な味です。
いろいろあるなかから、自分好みの1杯に最適な道具を見つけましょう。
ミル
細挽き、中挽き、粗挽きなど、挽き目の設定が簡単にできて、挽いたときに粒がそろうミルがおすすめ。手挽きと電動があり、時間がない人や毎日たくさん挽く人は、電動タイプが便利。
計量スプーン
大きさや重さにより多少前後するものの、コーヒー豆は1杯10g程度使うので、計量スプーンも1杯あたり10gが計れるものだと使いやすい。素材や形はお好みのもので。
ドリップポット
ペーパードリップで淹れるコーヒーは、お湯の注ぎ方で味がずいぶんと変わってくるもの。一定のリズムで、細くそっと注げるよう、管が長くて、ほどよく湾曲した、注ぎ口が細いコーヒー専用のポットを。
ドリッパー
代表的な形には扇形と円すい形がある。堀内さんの場合は、中煎りは、コーヒー粉にお湯を浸透させて落とす扇形で、中深煎りと深煎りは、素早く落ちる円すい形で淹れている。
サーバー
専用のものでなくてもかまわないが、耐熱性があり、どのくらい淹れたかわかるように透明で目盛りがついている、分量が計れるものが使いやすい。実験用のビーカーなどでも。
ペーパーフィールター
ドリッパーの形に合わせて、扇形と円すい形のものが流通している。各メーカーから販売されているが、ドリッパーの形に合ってさえいれば、どのメーカーのものでもかまわない。
〈撮影/元家健吾 取材・文/長谷川未緒〉
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです