(『天然生活』2023年3月号掲載)
“平日6割、週末2割”で完璧を目指さない
東日本大震災を機に暮らしをダウンサイジングし、小さなマンションに住み替え。家具や食器なども必要最小限にすることで、それまでたくさんのものに囲まれていたのに、どこか満たされずにいた暮らしがうまくまわり始めたという尾崎友吏子さん。
現在、大学生、高校生、中学生という食べ盛りの3兄弟を育てつつ、建設コンサルタントで働くあわただしい毎日。
完璧を目指さず、平日の掃除は家電の力も借りつつ6割程度に。残り2割は週末にまわし、8割キープが目標。台所や水まわりも、平日は水やお湯を使ってさっとふくだけが基本だそう。
「息子たちのために肉料理や揚げものといったボリュームのある主菜をつくることが多いので、コンロの油汚れはためないようにしています。お湯を少し垂らして、ウエスでふくだけでも、汚れが浅いうちなら十分きれいに。脱衣所の洗面台は、手洗い前に指と手のひらで流し洗いを。素手で触ることで汚れ具合もわかりますし、手洗いのついでなら苦になりません」
切ったりゆでたりと手間がかかる野菜の副菜は週末に1週間分をつくりおきし、ひと手間で食卓にすぐに出せる状態に。
「金曜日には、ほぼ保存容器がなくなります。土曜の午前中、すっきりした庫内をサッとふいてから、買いものに出かける習慣ですね」
ものを減らすには“多目的な道具”を選ぶこと
レンジフードの掃除は2週間に一度、フィルターは週に一度。ただし、内部のファンは手入れが大変なのと、油汚れから引火する危険性があるため、年に一度は全体の掃除をプロの手に任せます。
もともとは掃除嫌いで、きれい好きでもなかったという尾崎さん。ものを持たない生活にたどり着いたのは、苦手な掃除を楽にしたいのが出発点だったといいます。
ものを減らすには、多目的に使えるものを選ぶのがコツ。
たとえば、つくりおきに愛用中の「野田琺瑯」の容器は、小鍋代わりに直火にかけたり、パンやお菓子の型にしたりできるのがお気に入り。
「◯◯専用」といった思い込みを捨て、ものの本質を見極めることが、きれいな住まいづくりにつながると教えてもらいました。
尾崎さんの「掃除の習慣」
ものも労力も、必要最小限。 8割達成できたらよしとし、 平日と週末でメリハリを。
〈毎日やること〉
・ルンバ+ブラーバで床掃除
・トイレ、洗面、お風呂場掃除
〈気づいたらすぐやること〉
・リモコンとドアノブをアルコール除菌
〈毎週末やること〉
・リビングの床ふき
・ウォシュレットの裏側掃除
・台所のふき掃除
・換気扇フィルターの洗浄
〈隔週でやること〉
・レンジフードのふき掃除
・アルコールを使った窓と網戸のふき掃除
〈月1でやること〉
・畳をアルコールでふく
〈撮影/竹田俊吾 取材・文/野崎 泉 構成/鈴木理恵〉
尾崎友吏子(おざき・ゆりこ)
3人の男の子を育てながら、建設コンサルタントで働くワーキングマザー。シンプルな暮らしで得た気づきや、さまざまな工夫やアイデアをブログ「cozy-nest 小さく整う暮らし」や著書で発信している。著書に『「小さい部屋」でもスッキリ・快適に暮らす本:ムダなく「ゆとり」をつくる方法』(王様文庫)など。https://www.cozy-nest.net/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです