元気でいるために心がけていることや自分で不調を「お手当て」する方法など、いつも元気な編集者のアマミヤアンナさんに伺いました。呼吸法と冷えとりに出合ってから、自分の体と向き合うようになったそうです。
(『天然生活』2020年2月号掲載)
「気持ちいいかどうか」が暮らしに取り入れる基準
「昔は、自分の体にまったく目を向けていませんでした。ひどい肩凝りだったのに、それにすら気づかなかったし、ほとんど汗をかかないのも面倒がなくて便利だと思っていたくらい」
そう話す、アマミヤアンナさん。10年前までは編集者として多忙を極める日々だったといいます。夜遅くまで働くのが当たり前、多少の不調には気づかないふり。
そんなある日、取材がきっかけで冷えとり健康法に出合いました。

愛猫うづらに話しかける。猫と遊ぶ時間は、何よりのリラックスタイム
「靴下の重ねばきから始めてみたら、気持ちよくて。それから、少しずつ体のことに目覚めたんです」
その後、もうひとつの大きな出合いがありました。呼吸家、加藤俊朗さんが考案した「加藤メソッド」です。
「おなかで気持ちよく息を吐く」という呼吸法に深く心を寄せ、加藤さんの講座を受講。いまでは自ら呼吸法を教えています。

きょうだい猫のうづら(手前)とつみれ(奥)。「自然体で生きる猫は生き方のお手本です」
冷えとりや呼吸法を始めてからは、体が不調の際にも自分自身の力で調整できるようになったというアマミヤさん。「なおざりにしていた自分の体を取り戻した」ことで、意識も大きく変わりました。
「これまでの思い込みやクセを見つめ直すようになりました。すぐには何もかも変えられないけれど、まず気づくことができるようになった。それだけでも私にとっては大きな進歩です」

本棚には呼吸法や整体など、体に関する本がずらりと並ぶ
冷えとりと呼吸法をベースに整体なども学ぶ日々。「知れば知るほど面白くて」と話します。
首の後ろに蒸しタオルを当てる

蒸しタオルは、井本邦昭さんの整体を学んで知った。「気持ちいいので不調でないときもやっています」
頭痛や風邪気味といった不調の際に頼りにするのが蒸しタオル。やや厚めのタオルに熱湯をかけるか、濡らして電子レンジで温めてつくります。
「ピンポイントに熱で刺激を加え、タオルが冷める過程で、体が足りない熱を引き出すんです」
長時間パソコンに向かったあと、目に当てたり、「背中や腰に当てても気持ちいいです」
ホームポジションを意識する

「集中するとつい前のめりになるので、できる限り坐骨を意識しつづけます」
アマミヤさんにとってのホームポジションは、呼吸をする際の基本の姿勢のこと。上半身を坐骨に乗せ、体が力んでいないかチェック。

バチで鳴らす楽器、シンギング・リンは音が心地よく、振動も感じられて体の力が抜ける

プリミ恥部さんの本は「いつもはっとする言葉に出合えます」
「藤本靖さんの本によると、パソコンに向かうときは、画面だけでなく周囲を含めた広範囲を見る。画面から情報を受け取るつもりで、後頭部に目がついている意識で。すると、目が疲れにくいです」
\ 心身ともにゆるむ愛読書の数々 /

左)プリミ恥部さんの『あいのことば』。アマミヤさんが編集を手がけた。右)以前ワークショップに参加したロルファー、藤本靖さんの著書
天然素材を身に着ける

天然素材のインナーは肌に心地よく、一年を通じて愛用中。左は「ヨハ」のシルクウールのキャミソール、中央は「トゥジュー」のコットンのタンクトップ、右は「正活絹」のシルク100%のレギンス。どれもがうっとりするような肌触り
冷えとりを始めてから、服はほとんど天然素材のものに。
「アウターなどは化繊が入っているものも着ますが、肌に直接触れるものはシルクかコットンにしています」

アマミヤさんが主宰する手編み靴下のブランド「アミネ」。かかとがない筒状で、しめつけず、重ねばきがしやすい。左)シルクコットンソックス、右3点)ウール混ねじり靴下 /アミネ
冷えとりは頭寒足熱、空気が通り抜けるような、ゆったりとした服が基本。この日も上半身は薄着、下はパンツの下に絹のレギンス、靴下は4枚重ね。
<撮影/柳原久子 取材・文/嶌 陽子>
アマミヤアンナ(あまみや・あんな)
フリーランスの編集者として活動しながら、主宰する「呼吸ラボラトリー」にて呼吸レッスンを行う。https://kokyulaboratory.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです