(『天然生活』2023年1月号掲載)
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
前の晩の“ひと手間”で、朝食の支度がラクに
「朝ごはんは、冷蔵庫で半端に残ってしまった食材をいかに使い切るか、勝負なんです」
そういって笑うワタナベマキさん。
晩ごはんの準備や片づけをしながら、野菜室にちょっとだけ残った中途半端な野菜たちをきざんでスープ鍋に入れるのがマキさんの毎晩のルーティンです。
「朝起きて、水だしを加えて火にかけます。ソーセージやベーコンを入れることもあれば、卵を落とすことも。真夏でもスープは食卓に上ります。名前のない残り野菜のスープですね」
そんな名もなき野菜スープに添えるのはパンやおにぎり。ときには、お餅やチャーハンなども。
高校生の息子はお弁当のため、朝ごはんの支度と同時にお弁当もつくるのだそう。
さぞ大変なのではと思いますが、「お弁当も朝ごはんも簡単なものばかりだから」とマキさん。限られた時間のなかでテキパキこなします。
「あとは、塩もみ野菜などがあると朝ごはんにも重宝しますね。朝から白菜をきざむのは面倒だけど、塩もみしてあればスープに入れたり、さっとあえたり、便利なんです」
とはいっても、がんばりすぎず“余裕があればやっておく”くらいがいいとのこと。
気負わずゆるく、がマキさん流の朝ごはんの段取りです。
マキさんの忙しい朝の味方
「残り野菜のスープ」のレシピ
材料とつくり方
鍋に1cm角に切ったキャベツ、にんじん、玉ねぎ(合わせて200g)と水だし(300mL)、白ワイン(または酒・大さじ1)を入れて火にかける。煮立ったら弱火にして6~7分煮る。塩(小さじ1/3)、黒こしょう(少々)で味をととのえ、器に盛ってオリーブオイル(適量)を回しかける。
マキさんの「朝ごはんのお供」
とろろ昆布
京都で買ってきた「ぎぼし」のとろろ昆布。ごはんに◎
じゃこナッツ
くるみ、ちりめんじゃこ、ごま、とうがらしを炒め合わせたもの。
自家製の梅干し
そのまま食べるのはもちろん、調味料としても活躍。
〈撮影/萬田康文 構成・文/結城 歩〉
ワタナベマキ(わたなべ・まき)
料理家。グラフィックデザイナーを経て、料理の世界へ。シンプルな調味料と調理法で素材の魅力を引き出す料理が人気。四季を大切にしたていねいな暮らしぶりが、幅広い年代から共感を得ている。
インスタグラム:@maki_watanabe