あじ、いわしくらいなら、どうにかさばけるけれど、初めての魚、大きな魚となると……。そう身構える方たちに、枝元なほみさんが教えてくれたのは、「ともかく焼いて火を通す」という方法。
身を大きくほぐして食べればもちろんおいしく、ほぐした身を使ってアレンジも楽しめます。「洋風そぼろ」「冷や汁ベース」に活用してみましょう。
「洋風そぼろ」のつくり方
※ここでは、産地直送オンラインショップ「ポケットマルシェ」で購入した未利用魚セットに入っていた、「ナガヅカ、ケムシカジカ」を使っています。
材料
● 魚(さばいた後の骨でも)
● にんにく(みじん切り)
● パセリ(たっぷり。みじん切り)
● 赤とうがらし(ヘタと種を取ってちぎる)
● オリーブ油
● 塩
● 粗びき黒こしょう
※分量は魚の量によって変わります。「つくり方」を参考にお好みで調整してください
魚の下準備~焼く
1 魚を洗う。ぬめりがあるときは塩をまぶすようにしてから、流水ですすぐとよい。
2 腹に切り目を入れ(キッチンバサミを使うと楽)、内臓を引き出す。
3 腹の中を水ですすいでちあいなどを取り、ペーパータオルで押さえて水けをとる。
4 魚に塩適量をふる(生臭みを抜くため)。オーブンの天板にオーブンシートを敷いて魚を載せる。
5 約180℃に予熱したオーブンに入れ、火が通るまで焼く。さばいた後の骨を使う場合は、身が白くなるのが焼き上がりの目安。
つくり方
1 焼いた魚の皮や骨を外し、身を粗くほぐす。骨のまわりの身はスプーンでこそげ取るとよい。
2 多めのオリーブ油、にんにく、ちぎった赤とうがらしをフライパンに入れ、中火で熱する。香りがたったらパセリの半量を加えてざっと混ぜる。
3 1を加えて軽く色づくまで炒め、塩、粗びき黒こしょうで味をととのえる。残りのパセリを加えてざっと混ぜ、好みでしょうゆ少々(分量外)を加える。
※そのままバゲットと一緒に食べるほか、ゆでたパスタとあえたり、サラダのトッピングとしてレタスやトマトと合わせたり、ツナ缶代わりにマヨネーズと混ぜてサンドイッチにしたり、オムレツの具にしたりと、さまざまな使い道があります。
「冷や汁ベース」のつくり方
※ここでは、産地直送オンラインショップ「ポケットマルシェ」で購入した未利用魚セットに入っていた、「ナガヅカ、ケムシカジカ」を使っています。
材料
● 魚(さばいた後の骨でも)
● 塩
● みそ
● すりごま(白)
※分量は魚の量によって変わります。「つくり方」を参考にしてください
魚の下準備~焼く
「洋風そぼろ」と同様にする。
つくり方
1 焼いた魚の皮や骨を外し、身を粗くほぐす。骨のまわりの身はスプーンでこそげ取るとよい。
2 みそ、すりごま、1、好みでみりん(分量外)を合わせ、すりこ木(またはフォーク)でよくすり混ぜる。分量の目安は、魚のほぐし身100gに対してみそ大さじ3、すりごま(白)大さじ3、好みでみりん大さじ1。
3 オーブン用ペーパー(または油を薄く塗ったアルミホイル)をオーブントースターの受け皿(またはオーブンの天板)に敷き、2を広げる。
4 オーブントースター(または200℃に予熱したオーブン)でこんがり焼き目がつくまで焼く。
※適量の水で溶きのばし、豆腐やきゅうり、みょうがを入れて冷や汁に。そのままほぐして酒の肴として食べるほか、おむすびの具にする、水でゆるめてからおむすびに塗って焼きむすびにする、ごはんにのせてお茶漬けにする、マヨネーズを加えてディップにする、ポテトサラダに混ぜるなどの使い道も。保存容器に入れて冷蔵庫で7〜8日、冷凍庫で1カ月ほど保存可能です。
<撮影/山川修一 取材・文/保田さえ子>
枝元なほみ(えだもと・なほみ)
料理研究家。食の生産現場に深い関心を持つ。近著に『枝元なほみの 今夜はおでん』(技術評論社)など。三重県尾鷲市の漁業集落を訪ねた際に出合った未利用魚、ギラのおいしさが忘れられない。
【特集2】健やかに過ごすために
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