• もし、初めての魚や大きな魚を手に入れたらどうしますか? 「プロのような美しい刺身にこだわらなくていい。さばき方がわからなかったり、さばいた後に骨に身がたくさん残ってしまったら、ともかく焼いて火を通すといいですよ」と、料理研究家・枝元なほみさんは教えてくれました。焼いた身をほぐして使う「洋風そぼろ」と「冷や汁ベース」のつくり方もご紹介します。

    あじ、いわしくらいなら、どうにかさばけるけれど、初めての魚、大きな魚となると……。そう身構える方たちに、枝元なほみさんが教えてくれたのは、「ともかく焼いて火を通す」という方法。

    身を大きくほぐして食べればもちろんおいしく、ほぐした身を使ってアレンジも楽しめます。「洋風そぼろ」「冷や汁ベース」に活用してみましょう。

    「洋風そぼろ」のつくり方

    ※ここでは、産地直送オンラインショップ「ポケットマルシェ」で購入した未利用魚セットに入っていた、「ナガヅカ、ケムシカジカ」を使っています。

    材料

    ● 魚(さばいた後の骨でも)
    ● にんにく(みじん切り)
    ● パセリ(たっぷり。みじん切り)
    ● 赤とうがらし(ヘタと種を取ってちぎる)
    ● オリーブ油
    ● 塩
    ● 粗びき黒こしょう
    ※分量は魚の量によって変わります。「つくり方」を参考にお好みで調整してください

    魚の下準備~焼く

     魚を洗う。ぬめりがあるときは塩をまぶすようにしてから、流水ですすぐとよい。

     腹に切り目を入れ(キッチンバサミを使うと楽)、内臓を引き出す。

     腹の中を水ですすいでちあいなどを取り、ペーパータオルで押さえて水けをとる。

     魚に塩適量をふる(生臭みを抜くため)。オーブンの天板にオーブンシートを敷いて魚を載せる。

     約180℃に予熱したオーブンに入れ、火が通るまで焼く。さばいた後の骨を使う場合は、身が白くなるのが焼き上がりの目安。

    画像: 魚の下準備~焼く

    つくり方

     焼いた魚の皮や骨を外し、身を粗くほぐす。骨のまわりの身はスプーンでこそげ取るとよい。

    画像1: つくり方

     多めのオリーブ油、にんにく、ちぎった赤とうがらしをフライパンに入れ、中火で熱する。香りがたったらパセリの半量を加えてざっと混ぜる。

     を加えて軽く色づくまで炒め、塩、粗びき黒こしょうで味をととのえる。残りのパセリを加えてざっと混ぜ、好みでしょうゆ少々(分量外)を加える。

    画像2: つくり方

    ※そのままバゲットと一緒に食べるほか、ゆでたパスタとあえたり、サラダのトッピングとしてレタスやトマトと合わせたり、ツナ缶代わりにマヨネーズと混ぜてサンドイッチにしたり、オムレツの具にしたりと、さまざまな使い道があります。


    「冷や汁ベース」のつくり方

    ※ここでは、産地直送オンラインショップ「ポケットマルシェ」で購入した未利用魚セットに入っていた、「ナガヅカ、ケムシカジカ」を使っています。

    材料

    ● 魚(さばいた後の骨でも)
    ● 塩
    ● みそ
    ● すりごま(白)
    ※分量は魚の量によって変わります。「つくり方」を参考にしてください

    魚の下準備~焼く

    「洋風そぼろ」と同様にする。

    つくり方

     焼いた魚の皮や骨を外し、身を粗くほぐす。骨のまわりの身はスプーンでこそげ取るとよい。

     みそ、すりごま、、好みでみりん(分量外)を合わせ、すりこ木(またはフォーク)でよくすり混ぜる。分量の目安は、魚のほぐし身100gに対してみそ大さじ3、すりごま(白)大さじ3、好みでみりん大さじ1。

    画像3: つくり方

     オーブン用ペーパー(または油を薄く塗ったアルミホイル)をオーブントースターの受け皿(またはオーブンの天板)に敷き、を広げる。

    画像4: つくり方

     オーブントースター(または200℃に予熱したオーブン)でこんがり焼き目がつくまで焼く。

    画像5: つくり方

    ※適量の水で溶きのばし、豆腐やきゅうり、みょうがを入れて冷や汁に。そのままほぐして酒の肴として食べるほか、おむすびの具にする、水でゆるめてからおむすびに塗って焼きむすびにする、ごはんにのせてお茶漬けにする、マヨネーズを加えてディップにする、ポテトサラダに混ぜるなどの使い道も。保存容器に入れて冷蔵庫で7〜8日、冷凍庫で1カ月ほど保存可能です。


    <撮影/山川修一 取材・文/保田さえ子>

    画像6: つくり方

    枝元なほみ(えだもと・なほみ)
    料理研究家。食の生産現場に深い関心を持つ。近著に『枝元なほみの 今夜はおでん』(技術評論社)など。三重県尾鷲市の漁業集落を訪ねた際に出合った未利用魚、ギラのおいしさが忘れられない。


    ※『天然生活』2020年7月号には、水産学者・勝川俊雄先生と枝元なほみさんが、日本の海産物の問題を考えた「食卓から考える海と魚の話」の記事を掲載しています。ぜひご一読ください。

    【特集2】健やかに過ごすために
    ◆ 七合診療所・本間真二郎さん 病気にならない暮らし方
    ◆ 源保堂鍼灸院 瀬戸佳子先生に教わる 梅雨から夏の養生法
    ◆ 寺田本家・寺田聡美さん 「甘酒」と「塩麹」で夏の免疫力を高める発酵料理


    This article is a sponsored article by
    ''.