タッセルを付けて、より使いやすく。
蒸し暑いながらも肌寒さが戻ってくる梅雨の時期。梅雨があけると、効きすぎのエアコンとの戦いも待っています。そして紫外線からも逃げ切りたいこの季節、再び三度ストールが活躍してくれます。
ですが、「自転車に乗っているとすぐ乱れちゃって困る」「意外と荷物になって持ち歩くのが大変」「ラフに巻くと言われても……」という声が、身近なところから聞こえてきたりしています。そんな、心の底からストールを便利なアイテムと思えていない方におすすめなのが、スクエア、正方形のストールです。
今回は、手軽におしゃれ感がアップする「タッセル付きのストール」のつくり方をご紹介します。
タッセルやフリンジなど、四隅や端に飾りが付いているタイプは、巻いたときに動きが出ておしゃれ感がアップしやすくなります。
そして、飾りの重さで巻いたときに形がつくりやすく、収まりも良くなります。
ですが、質感や柄、飾りなど、すべての点で好みと合致するものとはなかなか出会えなかったりもしますよね。
そんなときは、自分で飾りを付けてしまうのもひとつの手。
たとえばこのストール。このままでも素敵ですが、とても軽い素材なので、巻いたときの収まりが、残念ながらいまひとつ。このストールをより使いやすくするために、四隅にタッセルを付け重さを出してみました。
まとまりやすくなり、おしゃれ感もアップです。
手づくり感をあまり出したくないので、ストールになじむよう、メインとなっている色のシンプルなタッセルを付けています。
How To Make
タッセル付きストールのつくり方
材料
● 25番刺しゅう糸 | |
……4束(タッセル1個につき1束使用) | |
● ストール(四辺が三つ折りミシン処理されているもの) | |
……1枚 |
道具
はさみ、刺しゅう針、6×10cm程度の紙(または、不要なレシート)
つくり方
1 25番刺しゅう糸のラベルをはずし、写真のように糸の折り山を目安に、2本のひもを切り分ける。
2 1で切り分けたひも1本で、刺しゅう糸の束の中央をぎゅっと結ぶ。
3 1で切り分けた残りのひもで、写真のように先端に輪をつくって、糸を巻く。
4 5回ほど巻いたら糸端を輪の中に入れ、上下の糸端を両方ともぎゅっと引っ張る。上側の糸端は、際でカットする。
<ポイント>
このようにすると、結び目が内側に入り、見た目がきれいになります。ほどけるのが心配な人は、カットした部分に接着剤を。
5 刺しゅう糸の束の、輪になっている部分(下側)をはさみで切って、糸の流れを軽く整える。
6 紙(レシートでも可)を写真のように5に巻き付け、はみ出した糸端を切って、長さを整える。
7 2で結んだ糸を左右それぞれ3本ずつに分け、写真のように右Aと左A、右Bと左Bを6本ずつに合わせ直して、ねじり合わせる。
<ポイント>
少し手間がかかりますが、撚った糸がほどけない方法です。このひと手間で仕上がりがワンランクアップ!
8 7の片方の糸端(刺しゅう糸6本)を刺しゅう針に通し、ストールの隅に糸を通す。針をはずしてもう片方の糸端と結び、余分な糸をカットする。ほどけるのが心配なら結び目に接着剤をつけ、乾かす。同様に4つつくり、つける。
◇ ◇ ◇
タッセルを付けるストールの選び方として重要なのは、端が三つ折りでミシン処理されているかどうか。
切りっぱなしだと強度が足りず、タッセルを付けた重みで、ほどけていってしまいます。
もし切りっぱなしのタイプにつけるなら、コーナーにミシンをかけ、ほどけにくくしておくといいかもしれません。
次回は、7月のお悩みです。お楽しみに。
<スタイリング/植村美智子 撮影/林 紘輝>
植村 美智子(うえむら・みちこ)
大阪府吹田市出身。文化服装学院アパレルデザイン学科卒業。アシスタント経験後、1996年にスタイリストとして独立。雑誌、広告、タレントのスタイリングなどで幅広く活躍。2010年、ファッションコーディネートサービス「Liltin'(リルティン)」を立ち上げ、個人向けのコーディネートを開始する。ひとりひとりとじっくり向き合うことを大切にし、ファッションを楽しんでもらえることを目指したパーソナルスタイリングが人気を呼ぶ。著書に『洋服の選び方』(マイナビ出版)、電子書籍『「今の自分」に似合う服』(扶桑社)などがある。
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