8月は、気温や湿度が上がり、薄着になる季節だからこその悩みである、インナーの透けや見え方を解決する、インナーの選び方&着こなし方をスタイリストの植村美智子さんに教えていただきます。今回は、オールマイティに活躍する、胸元のラインが真っ直ぐのキャミソールについて。
植村さんが、約25年の仕事を通して培ったコーディネートの経験とファッションの知識を生かし、季節ごとに陥りがちな、おしゃれの悩みを解決します。植村さんの提案する「コツ」は、おしゃれ初心者でもすぐに取り入れられるような、簡単で手軽なものばかり。ぜひ、日々のおしゃれにお役立てください。
透け感のあるシャツや、インナーが覗いてしまうニットには、胸元真っ直ぐのキャミソールを
この時期、多くの方から質問を受けるのが、インナーについて。
今年らしい、透け感のあるシアー素材のシャツや、編み目の大きいニット、薄手の白いカットソーなど、インナーが気になるトップスはさまざま。適したインナーもそれぞれ違っていたりもします。
そして、トップスに透け感がなくてもインナーの凹凸が表に響き、おしゃれの邪魔をしてしまうことも。
私が便利に活躍させていて、お客さまにもおすすめしているのが、“胸元真っ直ぐのキャミソール” と ”シームレスのタンクトップ” 。
タイプ的にはこのふたつがあれば、だいたいこなせてしまいます。
今回は、どんな服とも相性のいい胸元のラインが真っ直ぐのキャミソールについて。
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クルーネック、Vネック、ボートネック、モックネック、いろいろなネックラインのトップスがありますが、どのタイプとも喧嘩をしないのが、胸元のラインが真っ直ぐのインナー。
さらには、きれいめでもカジュアルでもフェミニンでも、どのテイストのスタイルでも相性良く合わせられるのが、肩ひもの細いキャミソールタイプです。
下着の肩ひもを気にしなくていいよう、カップ付きだと、なお安心。
きちんと下着を付けたい派の人は、下着の色を自分の肌になじむベージュのものに。
肩の部分が少し太めになっていて下着の肩ひもを隠せるタイプも出ているので、それを選ぶものいいかもしれません。
重要なのは胸元がしっかり覆われていること。胸元が浅めなものは必要としていない色っぽさが出てしまうことがあるので、注意が必要です。
探しやすいのは、チューブトップタイプのものですが、肩ひもが外れるものの場合、ズレ落ちないよう胸周りにしっかりゴムが入っているので、窮屈なのが苦手な人は避けたほうがいいかもしれません。
★トップスと色を合わせて
合わせるインナーの色に決まりはありませんが、失敗することが少ないのは、トップスと色を合わせる選び方。
写真のブラウスは、やさしいベージュ。「白でもいいか」となりがちですが、白が強すぎて悪目立ちしてしまうこともあるので、注意が必要です。
★ボトムスから色をつなげて
今年多く出ている、いわゆる “あいまいカラー” の場合、きっちり色を合わせられるインナーを選ぶのは難しいかもしれません。そんなときは、ボトムスから色をつなげてしまうのも、ひとつの手。
トップスだけで考えると、インナーが目立ち、いいのかな?となるかもしれませんが、ボトムスも合わせた全身で考えれば、違和感はありません。ワンピースにトップスを重ねる感覚で合わせることができます。
★トップスの柄の色を拾って
柄物のトップスの場合、ベースとなっているメインの色ではなく、柄の中の色を拾い、色を効かせるのもあり。
胸元からインナーがしっかりのぞく場合、カジュアルスタイルのときは、今年らしいリブ素材のタイプが、きれいめに仕上げたいときは、つるんとした素材の胸元にステッチが入ってないタイプがおすすめです。
【問い合わせ先】
ポルテ デ ブトン|03-6277-2973
https://shop.porter-des-boutons.com/
◆ 次回は、もうひとつのすすめインナー「シームレスのタンクトップ」の実力をご紹介します。
<スタイリング/植村美智子 撮影/滝沢育絵>
植村 美智子(うえむら・みちこ)
大阪府吹田市出身。文化服装学院アパレルデザイン学科卒業。アシスタント経験後、1996年にスタイリストとして独立。雑誌、広告、タレントのスタイリングなどで幅広く活躍。2010年、ファッションコーディネートサービス「Liltin'(リルティン)」を立ち上げ、個人向けのコーディネートを開始する。ひとりひとりとじっくり向き合うことを大切にし、ファッションを楽しんでもらえることを目指したパーソナルスタイリングが人気を呼ぶ。著書に『洋服の選び方』(マイナビ出版)、電子書籍『「今の自分」に似合う服』(扶桑社)などがある。
Liltin' ファッションコーディネートサービス
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