かっぱ橋との出会い
旦那さんがかっぱ橋に行くというので、ついて行きました。
旦那さんは芸人をやっている、チェリー吉武と申します。
芸人の中でも、なかなかな量の小道具を使う人でして、この日も必要な小道具の買い出しに行くとのこと。
かっぱ橋は、プロが使う調理器具がたくさん売っている街というイメージです。
それゆえ私なんかが行ったところで、面白いのでしょうか?
結果、入口から面白かったです。
でっかいシェフの顔が街を見降ろしているビルと、でっかいカップが並んだビルがお出迎え。
ちょっとおバカさんな感じが、ソウキュートです。
シェフの顔が鎮座しているビル「ニイミ」さんで、旦那さんが在庫を確認してもらっている間、私は店内をブラブラ。
すると、その昔狙っていた「となりのトトロ」の食器セットが格安で売っているのを見つけて、静かに悲鳴を上げてしまいました。
どう考えても安い。なんでか分からないけど安い。
悩みに悩んで購入は諦めましたが、この出会いを皮切りに、私は旦那さんを置き去りにして、そこら中のお店に手当たり次第入っていくことになるのです。
「そうだ。どんぶりを買おう。」
「そうだ。京都へ行こう。」
JR東海の如く、私に舞い降りた思いつきは、どんぶりを買うこと。
我が家ではプラスチック製のどんぶりと、陶器のどんぶりを使い分けていたのですが、プラスチック製の方はコーティングがはげてきてボロボロ。
陶器の方は重くて使い勝手が悪くてイライラしていたのです。
「そうだ。かわいいどんぶりを探そう!」
さすがかっぱ橋。それはすぐに見つかりました。
沖縄の「やちむん」をイメージしたどんぶりが、店の外でざっくりとカゴに入れられて売っていました。
陶器ですが軽くて1個800円。
次に見つけたお店が、これまたかわいかった。
「baise バイスー」さん。
白い食器類を集めたお店で、店内にある物は全部真っ白なのです。
「白鳥ですからね、白鳥ですから白が好き。」と、訳の分からぬ事を呟くほど興奮。
そこで白いプラスチック製のどんぶりをゲット。
オイル刺し、ハクチョウのイラストが描かれているホーローのコップもゲットしてしまいました。
「ふう……想像以上に楽しく、想像以上にリュックがパンパンで重いよ。」
と、旦那さんが買ってきた物を見ると、ファミレスで出てくるようなプラスチックのコップが1個だけ。
「え! 買ったのそれだけ?」
ヒマだからついてきたはずの私の方が、汗だくになるほど満喫してしまった、かっぱ橋の1日でした。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。