• お笑いコンビ、たんぽぽの白鳥久美子さんは、おばあちゃんっ子だったこともあり、「ばあちゃん仕事」に憧れ、愛してやみません。今日も、手を動かして、暮らしを作る。白鳥さん流の「楽しい小さな暮らし」をご紹介します。今回は、ベランダ菜園で増殖中のパセリの大量消費に挑戦します。

    パセリを大量に食したい

    家のベランダ菜園では、葉物がわんさか成長中です。

    なんなら、葉物の成長スピードをみくびっていたせいで、パセリが困り果てるほど絶賛もさもさ中。

    画像1: パセリを大量に食したい

    「食卓に色を添えてくれるかも。うふふ。」くらいの乙女の軽いノリで植えたのですが、これはもはや、添えるどころかメインが埋もれる勢いです。大量に消費しなくては。

    ただ、パセリって何に使いますの?

    画像2: パセリを大量に食したい

    パセリの思い出といえば、小さい頃レストランで食べたオムライスの横に、こそっと添えられていたアレ。親戚のおじさん達と行ったのですが、「これも食べられるんだぞ。」と言ったおじさんの言葉を信じて食べたら、まぁ臭くてマズイ!

    「ウヒャヒャヒャヒャ!」と笑うおじさんを睨みつけ、盗んだバイクで走り出してやろうかと思うほど、大人に不信感を抱いた出来事になりました。

    そして私は、パセリを口にすることなく大人になりました。

    いや、厳密に言えば細かくした乾燥パセリなんかは、スープの上とか、パン粉に混じってとかで食べているはずです。ただ、みずみずしいパセリは、幼きあの日以降、食していません。だったらなんで植えたのよ。

    後悔しつつも、捨てるのは絶対イヤ。そこで私は美味しく食べられそうなレシピを探しました。

    画像3: パセリを大量に食したい

    そして見つけたのがパセリメインのサンドイッチです。どうせやるなら、このくらいパセリパセリしたものを食べてみようじゃないの。やけくそ半分で早速作ってみました。

    食パンをトーストして、粒マスタード、ハムをのせて、マーマレードジャムを塗ります。そしてパセリは茎から外して刻んで、オリーブオイル、塩、レモン汁で和え、それを先程のパンにオン。多分おいしくは食べられないと思うけど、やらないよりはやって後悔したい。

    ところが、パクリと食してびっくり。パセリが臭くない。いや、香りはするけれど臭くない。むしろ爽やか。その香りとほんのりとした苦味を中和するかのようなマーマレードジャムが、いい仕事をしている。

    ちょっと食べ合わせ悪いんじゃない? と疑っていましたが、マーマレードはアリです。このサンドイッチ、なんとなく胃に良さそうな感じすらします。パセリのおかげで解毒されていくような雰囲気。いいじゃないの。

    大人になって味覚が鈍感になったからなのか、それとも香草を食べ慣れたせいなのか、パセリをおいしいと思える体質になっていました。

    パセリのお粥、パセリサラダ、パセリの天ぷら、パセリドリンク… やってみたいことが浮かぶ浮かぶ。そんなパセリの可能性に目覚めた39歳の春でした。



    画像4: パセリを大量に食したい

    白鳥久美子(しらとり・くみこ)
    1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。




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