(『天然生活』2012年10月号掲載)
10年、20年先のおしゃれも頭に描きながら
上質なリネンのワンピース、人の手仕事を感じる刺しゅうモチーフ、ボタンを好みのものに付け替えたジャケット……。RARIさんのクローゼットに並ぶのは、10年先も存在感を失うことなく、活躍しつづけそうなものばかり。
「若いころは、デザインが好きだからとか、衝動的に服を買っていたこともありました。でも、いまは本当に大切に着ていけるものだけを選ぶようにしています」
欲しいのは、「いま」の自分を楽しく飾ってくれる服ではなく、「これから」の自分にずっと寄り添っていてくれる服。「年をとっていく自分を楽しめる服」とRARIさんは話します。
「刺しゅうが美しい『ミナ』のコートワンピースがあるのですが、いまはそれほど着てなくて。もう少し年を重ねて着たら、もっと素敵じゃないかしら?と、ちょっと寝かせているところなんです」
RARI YOSHIOさんのクローゼットの中身を拝見
春・夏
トップス
・カットソー(Tシャツなど半袖)20枚
重ね着が基本のRARIさんスタイル。カットソーは重ね着のインナーとして大活躍。上に重ねやすいように、薄手のものが多い。ときには、「無印良品」で買うことも
・ブラウス、シャツ(半袖) 2枚
・タンクトップ、キャミソール 20枚
夏はノースリーブも着るけれど、単体で着ることはまずないという。薄手のカーディガンを重ねて。「袖がある何かを重ねたほうが、汗を吸ってくれて、さらっと着られます」
ボトム
・スカート 10枚
・パンツ 30枚
・レギンス 10枚
コットンやリネンの薄手のパンツをワンピースの下に重ねるのも定番のスタイル。ややワイドなシルエットのものが多く、ブラウスやニットと合わせてはくことも
アウター
・ジャケット 5枚
その他
・ワンピース 30枚
ベーシックなデザインのものがほとんど。前にボタンが付いているワンピースは、後ろ前に着ることも。「後ろにボタンがあるというデザインが、かわいくて好きなんです」
・巻き物(リネンやコットン)20枚
・ベスト 0枚
白やベージュなどナチュラルカラーが多い。レースが付いているものも多数。「レースのストールはそんなに使うことはないのですが、コレクション的な意味で持っています」
RARI YOSHIOさんの春・夏 服グラフ
秋・冬
トップス
・カットソー(長袖)10枚
・ブラウス、シャツ(長袖) 20枚
・セーター(プルオーバータイプ) 30枚
・セーター(前開きタイプ) 20枚
・パーカ 0枚
薄手のタイプはカシミヤが多い。黒や茶系など濃い色をワンピースのインナーとして着用。ローゲージのニットは、ワンピースの上に重ねて。白やグレーなど軽い色が多い
ボトム
・スカート 5枚
・パンツ 10枚
・デニムパンツ 2枚
・レギンス 3枚
デニムパンツのイメージがあまりないRARIさん。やはり、いまはほとんど、はくことはないそう。「はいても年に数回。昔はいていたものを処分できず、しまってあるんです」
アウター
・ジャケット 6枚
・コート(薄手)20枚
コートワンピースが大半を占める。前を開けて着るとコートになり、閉めて着るとワンピースになるというもの。カシュクールタイプのコートも数枚持っている
・コート(厚手)8枚
・ジャンパー 0枚
那須の自然のなかで暮らしているRARIさんですが、アウトドアっぽいアウターは一枚も持っておらず。「車での移動が多いので、意外と、そこまで重装備はしていないんです」
その他
・ワンピース 10枚
・巻き物(ウールやカシミヤ) 20枚
一年を通してワンピースが多いRARIさん。冬場はウールリネンやウールなど、風を通さず温かい素材感のものを。丈が長めで、ゆったりシルエットのものが多い
RARI YOSHIOさんの秋・冬 服グラフ
春夏秋冬の装い
仲春
文中に登場したミナ ペルホネンのコートワンピース。お呼ばれのときなどに着用。バッグは、かつてRARIさんがとあるブランドでデザイナーをしていたときにデザインしたもの
春のアイテム
白のハイゲージニットは、春の軽やかな装いに。好みのカシュクールタイプ
晩春
驚くほど贅沢に生地を使っている」という「オールドマンズテイラー」のリネンのワンピースに、「ジャマンピエッシュ」のバッグ、「ヘレンカミンスキー」の帽子を。小物はラフィアで統一
晩夏
ダニエル ジャジックは好きなブランドのひとつ。そのブランドの半袖コットンのワンピースに、ローゲージニットを合わせて。ワンピース+ざっくりニットは、RARIさんが好きな組み合わせ
夏のアイテム
「ヴラスブラム」のストール。さっと首に巻いたり、マント風にしたり
初秋
ベージュのグラデーションを楽しむコーディネート。「ホームスパン」のブラウスは、後ろに麻糸を編んだ手製のパッチを縫い付けた。肌触りが気持ちいいヴラスブラムのストールを巻いて
仲秋
「フォグ」のウールワンピースに、リネンのジャケットを合わせて。洗濯を重ねてくたっとした風合いが出たジャケットは、いろいろな種類のボタンを自分で付け替えた。リネンの靴下を合わせる
秋のアイテム
ヴラスブラムの厚手靴下。ぎっちり編んであって、まったく風を通さず温か
晩秋
美しい庭が自慢の那須の家での、ガーデンスタイル。ざっくりしたニットにオールドマンズテイラーのエプロンを合わせて。那須に引っ越してきて、ワークブーツをよく履くようになったという
初冬
ダニエル ジャジックは好きなブランドのひとつ。そのブランドの半袖コットンのワンピースに、ローゲージニットを合わせて。ワンピース+ざっくりニットは、RARIさんが好きな組み合わせ
冬のアイテム
ざっくり編んだストール。冬でもあまり着込まないで、巻き物で温度調節を
仲冬
とあるセールで買ったというニット。「丈がもう少し長いとバランスがよいかも」と、チャコールグレーと黒の毛糸を編み足した。胸元の馬モチーフのブローチはミナ ペルホネンで購入
〈撮影/sai 取材・文/鈴木麻子〉
RARI YOSHIO(らり・よしお)
那須在住。アトリエショップ「JARDIN BLANC」主宰。イラスト、ショッププランニングなど活動は多岐にわたる。ディレクションを担当した、ガーデンや植物をテーマにしたライフスタイルショップ「Lunarl jardin.(ルナールジャルダン)」が2021年3月、栃木県・宇都宮にオープン。
インスタグラム:
@rariyoshio(RARI YOSHIO)@lunarljardinfkdut(Lunarl jardin.)
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです