40歳になりました
12月11日に誕生日を迎えて、ワタクシ40歳になりました。40歳。キリがいい。
いやはや、若い頃は想像もできなかった年齢になりました。なのに、なってみたらなってみたで、中身が全然成長してないことにハッとします。
40歳って、もっとシュッとしていると思ってました。なんていうんですかね、スマートなレディ?
世の中の流れも把握していて、身の振り方も軽やかに『うふふ、こっちでとりあえずハーブティーでも飲んでから考えましょ。』なんてことが言えるくらい、余裕のある女性になっているんだと。
ところが、相変わらずジタバタしているし、人目も気になるし、その割にバカなこともやりたいし。
年齢ごときで、私のマインドはそんなに変わらないんだなぁと少々ガッカリです。でも体型はどんどん変わっていくんだから、恐ろしいですね。
そんな中いつもの仲間が、私の誕生日を祝おうと作戦を立ててくれました。
うちの娘がまだ小さいので、我が家で短時間のパーティー。感染対策もしっかりして、何度も集まれないだろうからクリスマスも兼ねて簡単にお祝いしようとのこと。
「食べ物は持ち寄りで! 話す時はマスクで!」
さすがです。なんというか、年の功と言いますか、痒いところに手が届くと言いますか。なにも言わなくても、こんなふうに気遣ってくれて。いい仲間に恵まれました。
思い起こせば小学4年生の頃、初めてお誕生日会にお呼ばれしました。
招待状をもらったので、それはそれはテンションが上がったのですが、開いてみるとそこには「プレゼントをちゃんと持ってきて下さい。」という文字が。
それを読んだ私は小学4年生ながら、「失礼しちゃう!」とプンスコした覚えがあります。
言われなくてもちゃんと持っていくし。お誕生日会で手ぶらで行くようなアタイじゃないし。ここは社交辞令でも「手ぶらで遊びに来てね。」と書くのが、開催者としてのマナーなんじゃないのか。いや、君は小姑か。
そんなことをニヤニヤしながら思い出したんですが、40歳になってこんなふうに理解したのです。
パーティーを開く際に、ヤボなことを言わずに、かと言って誰かの負担にもならずに、みんながちょうどいい塩梅のものにするには、付き合いの長さと親密さの度合いがモノを言うのだと。
これは仲良しの加減によるんであって、きっと人格の問題ではないのだ。
40歳になってやっと小学4年生の時に感じた、あのモヤモヤが晴れました。あれは、もしかしたら、なんとなくお茶目な感じで書いた一言だったのかもしれない。それか、私のお金持ちに対するコンプレックスが、そう深読みさせたのかもしれない。
今頃になってこうやって解決することもあるんですね。そう考えると歳をとるのも面白いものかもしれません。
40歳のお祝いには、フライパンのセットをいただきました。
年を経て、こんな堅実なプレゼントになっていくのも、なかなかいいもんだなぁと思いました。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。