• お笑いコンビ、たんぽぽの白鳥久美子さんは、おばあちゃんっ子だったこともあり、「ばあちゃん仕事」に憧れ、愛してやみません。今日も、手を動かして、暮らしをつくる。白鳥さん流の「楽しい小さな暮らし」をご紹介します。今回は、はじめて挑戦した手づくりの桜餅のお話です。

    え、桜餅ってつくれるの?

    スカイツリーに行ってきました。近くの川沿いでコーヒーを飲んでいたら、一本の桜の木に人が群がっているのが見えました。満開の桜。みなさん開花を心待ちにしていたのですね。

    画像1: え、桜餅ってつくれるの?

    それにしても、なんで片側だけに集まって、見上げているんでしょう。もう片方に行けばもっとよく見えるのに……と、思ってハッとしました。なるほど。そこからだと桜とスカイツリーのコラボ写真が撮れるのですね。

    それに気付いた私は、難問クイズに正解した時のような達成感を味わい、通りすがりの見知らぬ人に教えたい気持ちで、はち切れんばかりに。

    そんな風に春を感じ始めたある日、桜の葉っぱの塩漬けが売っているのを発見しました。

    桜の葉っぱの塩漬けといったら桜餅です。え、桜餅ってつくれるの? 自分でつくるという発想すらなかった私は、無性に感動し、無性につくってみたくなりました。

    私は桜餅が大好きなんです。関西風も関東風もどちらも好きで、もし自分でつくれたとしたら、こんなに誇らしいことはありません。いっぱいつくって独り占めしちゃうんだから。結局、花より団子なの。

    葉っぱの塩漬けと一緒にあんこも購入しました。正直これでもう完成したようなものです。あとは生地をつくるだけ。白玉粉と小麦粉と水と砂糖、食紅でピンクに色をつけて、生地をフライパンで焼きます。それにあんこと桜の葉っぱを巻いて完成です。

    画像2: え、桜餅ってつくれるの?

    これ、あんこを買ってしまえば、相当簡単です。その割に、人から称賛されそうな予感。

    私は決めました。お花見に行く時に、これをつくっていきます。お重に詰めて、パカって開けたら「えー! すごーい! 手づくりなのー?」なんて言われちゃって、「すごくないよー たまたま桜の葉の塩漬けが売ってたからさ。」なんて言っちゃおう。

    明日あたりに桜が満開になるとニュースで言っていました。しかし雨の予報も出ています。ってことは、明日、お花見のお誘いが来ることはまずないでしょう。はじめての手づくり桜餅は一人で食べちゃうことにしました。

    すると翌日。なんということでしょう。空が晴れ渡っているではありませんか。天気予報がハズれたのです。そして、そんな時に限って、夫からお花見に行こうとのお誘いが。雨が降るかもしれないし、行ける今のうちに行った方が絶対キレイに見られるはずだ。とのこと。

    そのとおり。そのとおりなんだけど。私、桜餅食べちゃったんだよ。称賛されるはずの桜餅がないんだよ。花より団子のバカ!

    桜餅こそありませんでしたが、いや、ないからなのか、桜をじっくり堪能することができました。しかしながら、来年こそは食い意地を抑えて、絶対に桜餅持って行くぞ。と強く決意しました。

    画像3: え、桜餅ってつくれるの?


    画像4: え、桜餅ってつくれるの?

    白鳥久美子(しらとり・くみこ)
    1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。



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