• お笑いコンビ、たんぽぽの白鳥久美子さんは、おばあちゃんっ子だったこともあり、「ばあちゃん仕事」に憧れ、愛してやみません。今日も、手を動かして、暮らしをつくる。白鳥さん流の「楽しい小さな暮らし」をご紹介します。いよいよ迎えた新年度、フレッシュな若者たちを目にして気持ちを新たにする白鳥さん。

    いっぱい迷っておいで、ちゃんと外に出られるから

    新年度を迎えて、みなさんいかがお過ごしですか?

    私の周りでは新たな環境でスタートを切った人がいたり、去っていく人がいたり。

    それを見送りながら、「春だねぇ……」なんて、つぶやいて。そこはかとなく感じるさみしさを押し隠している次第です。

    私ごとですが、娘が保育園に通えることになり仕事も完全復帰といった感じです。なので、今の私は新入社員のようなソワソワした気持ちでいるのです。

    仕事をやっていけるのか、生活できるのか、そもそも能力なんてあるのか……考えれば考えるほど、不安はどんどん湧き出てきます。

    スタートもリスタートもワクワクと同時に恐ろしいものですね。大人になればなるほど、人生楽勝になるのかと思っていましたが、そうでもないようです。

    だからなのか、新入生や新入社員とおぼしき人を見ると、心の中でエールを送らずにはいられません。先日も仕事で新幹線に乗るために東京駅に行くと、そんな姿の若者をちらほら見かけました。

    私にもあんな時があったなぁ。初めて東京駅に来た時は、その大きさと広さに驚愕しました。地元福島から東京に向かっていると、ニョキニョキとビルが伸びてくるんですよね。

    こんなでっかいビル見たことない。と思いながら、おっかねぇなぁ、ここにいる人たちは私に意地悪しないかなぁ。なんて嫌な妄想をしたりして。

    画像1: いっぱい迷っておいで、ちゃんと外に出られるから

    なるべく田舎者に見えないように余裕な感じを装って、東京駅内をぐるぐると迷いに迷っていた、あの日が懐かしいです。

    真新しいスーツに身を包んだ若者たちが東京駅をバックに写真を撮っていたので、私も真似てみました。

    画像2: いっぱい迷っておいで、ちゃんと外に出られるから

    きっとあの若者たちは、この日のことをずっと覚えているんだろうなぁと思います。

    私なんかはもう、日常のどってことない一枚だけれど、そんな真新しい一枚があることが眩しいです。

    こんなことを言うと、若い人に嫌がられるかもしれないけれど、老婆心ながら言っちゃおう。

    あの日、私が東京駅内をぐるぐる迷ったみたいに、これからいっぱい迷うことがあると思うけれど、ちゃんと外に出られるから、「探検だ!」くらいの気持ちで、この世界をぐるぐるしておいでね。

    その間に、自分にとって、たまらない物に出会うよ。そして、どんな大人の先輩も現在進行形で迷っているし、不安だから、先輩の存在に怯えないで大丈夫だよ。でも経験は多いはずだから、困ったり辛いときは、声をかけてみるといいと思うよ。

    時間があったので、東京駅内をうろうろしていたらステキなハンカチ屋さんを見つけました。

    ほらね、寄り道・道草・迷い道には、なにか面白いものが潜んでいるから大丈夫!

    画像3: いっぱい迷っておいで、ちゃんと外に出られるから


    画像4: いっぱい迷っておいで、ちゃんと外に出られるから

    白鳥久美子(しらとり・くみこ)
    1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。



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