(『キャプション家に伝わる日々のごはん ウクライナの家庭料理』より)
シンプルで素朴な味わいのウクライナ料理
京都と東京でパイとケーキの店「松之助」を営む平野顕子さん。夫のイーゴ・キャプションさんはウクライナ系アメリカ人で、夫と夫の両親の4人で暮らすニューヨークの家では、ウクライナ料理がよく登場します。
世界有数の小麦の産地であるウクライナでは、パンを主食に、スープや煮込み料理などが日常的に食べられています。中でも、ビーツの入った深紅色のスープ「ボルシチ」はウクライナを代表する料理のひとつ。
また、小麦粉を練った生地に、肉や野菜、果物などを包んで茹でる水餃子のような見た目の「ワレニキ」という料理も、ウクライナの国民的料理として親しまれています。
とり団子のサワークリーム煮「クネードリ」のつくり方
とり団子をサワークリームで煮込んだ料理「クネードリ」は、あっさりとした味つけと乳製品のコクが好相性で、日本人好みのメニュー。
ふんわりしたとり団子は、卵を卵黄と五分立てのメレンゲに分けて、順番に混ぜるのがポイント。マッシュルームは、他のきのこを使ってもおいしくいただけます。
最後にチーズをからめると風味とコクがさらに豊かに仕上がります。
材料(つくりやすい分量)
● 鶏ひき肉 | 300g |
● 玉ねぎ(みじん切り) | 1/2個 |
● サラダ油 | 適量 |
● パセリ(みじん切り) | 大さじ2 |
● 卵(卵黄と卵白に分ける) | 2個 |
● 水 | 400〜500mL |
● チキンブイヨンのもと | 1〜2個 |
● マッシュルーム(薄切り) | 8個 |
● バター(食塩不使用) | 20g |
● サワークリーム | 60mL |
● 生クリーム(脂肪分42〜45%) | 60mL |
● お好みのシュレッドチーズ | 大さじ2 |
つくり方
1 フライパンにサラダ油をひいて中火にかけ、玉ねぎを炒め、粗熱をとる。
2 鶏肉に1、パセリを入れてよく混ぜる。卵黄を加えて混ぜ、五分立て程度に泡立てた卵白を加えてさっと混ぜる。
3 鍋に水、チキンブイヨンのもとを入れて中火にかけ、沸騰したら2をスプーンなどで楕円形にすくって入れる。3〜4分ゆで、取り出す。
4 フライパンにバターを入れて中火にかけ、マッシュルームを茶色になるまで炒める。サワークリーム、3の煮汁150mLを加える。
5 3のとり団子を加え、全体に火が通るまで煮る。生クリーム、お好みのシュレッドチーズをからめる。
6 器にスープとともに盛り合わせる。
※ 本記事は『キャプション家に伝わる日々のごはん ウクライナの家庭料理』(PARCO出版)からの抜粋です
<レシピ/平野顕子、イーゴ・キャプション スタイリング/平野顕子 写真/井田貴子>
平野顕子(ひらの・あきこ)
料理研究家。アップルパイとアメリカンベーキングの専門店である京都・高倉御池の「Caf´e&Pantry松之助」と東京・代官山の「MATSUNOSUKE N.Y.」のオーナー。京都と東京にお菓子教室「平野顕子ベーキングサロン」も開校。著書に『「松之助」オーナー・平野顕子のやってみはったら! 60歳からのサードライフ』(主婦と生活社)、『アメリカンスタイルのアップルパイ・バイブル』(河出書房新社)など多数。
インスタグラム:@hiranoakiko214
イーゴ・キャプション(いーご・きゃぷしょん)
ウクライナ・キーウ出身。大学卒業後、National Institute of Wight and Measureas就職。その後アメリカに渡り、アメリカ企業に就職。2017年に平野顕子と結婚。現在は退職し、プロ級の腕前の釣りとスキーを楽しんでいる。
◇ ◇ ◇
豊かで美しい国の、愛情に満ちた家庭の味。
料理を介して、ウクライナのこと、もっと知りたい!
アメリカンスイーツの人気店「松之助」オーナー、平野顕子さんと夫のイーゴ キャプション氏による、ウクライナ料理のレシピ集。
イーゴ氏の実家、キャプション家に伝わる家庭料理の数々を、美しい写真とともに紹介します。
すべてのメニューに関連するエピソード付き!
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