バレンタインデーは「ご褒美」の高級チョコで……
2月14日はバレンタインデーでしたね。みなさんはチョコ食べましたか?
私が若い頃はバレンタインデーのチョコって自分で食べるより、渡すのが重要なものだったよなぁと思いました。
ここ最近は、自分へのご褒美用に買うチョコが増えているとかで、「仕事場の男子にあげなきゃ。」とか、「好きな人に渡して、お近づきのチャンスをつくろうではないか。」という、謎のプレッシャーを感じなくていいのは個人的にとっても好きです。
今年は夫へのチョコを、1歳の娘とつくって渡しました。つくると言っても、ナッツやらを砕いて、溶かしたチョコに混ぜて冷蔵庫で固めた簡単なものです。
夫も別にチョコが好きなわけではないので、「せっかくつくってくれたし。」といった感じで食べ、残りは「別に食べたくないんだけどなぁ。」と思いながら、私が全部食べました。
するとやっぱり「なんでわざわざチョコをつくって食べなきゃいけないんだ。」という本音が顔を出してきます。
これはいかんと思いまして、「つくる時に、娘が泥んこ遊びのように楽しんでいたのはよかったじゃないか。」と自分を納得させました。
そしてご褒美チョコの存在を思い出したのです。
いつもは手の出ない、お高めのバレンタインデー限定のチョコをデパートで買おうじゃないか。それでテンションを上げようじゃないか。
ちょうど新幹線に乗るために東京駅に行くので、大丸さんへ行きました。ありますあります美味しそうなチョコがたくさん。行列もできています。
私は端っこから吟味していきました。一箱3000円超えで7粒くらいが入っているチョコを見た時の、私の素直な気持ちを言います。
「これは、安い居酒屋なら普通に飲める金額だ……我が家の夕飯の買い出しもこんなにいかないぞ……」
根っからの貧乏性に物価高騰の現状が追い打ちをかけて、私を迷わせます。
それに、そんな高級なチョコを1人で買って食べるほど、私は何を頑張ったというのか。
正直、ご褒美するほどの出来事が思い浮かびません。
私は高級チョコを買うのをやめました。1000円台でいつもは食べないようなものと設定を変えて、見つけたのが「銀座鈴屋」さんの栗の渋皮煮にチョコがかかっているお菓子です。
これはドンピシャでした。しかも栗っていうのがいい。
私は正直なところ、そんなにチョコレートが食べたいわけではない。自分を労るために、程よい金額で美味しいものが食べたいだけなのだ。と気づいたのです。
新幹線で雪景色を眺めながら食べたチョコがけ栗の渋皮煮は、最高のおいしさでした。
仕事でお世話になっている方たちにも、パッケージが可愛いという理由だけで買ったチョコを渡して、今年は終わりました。
来年からは、チョコもいいけど栗だな。とバレンタインデーは栗探しの日になりそうな予感がしています。
白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。