ちょっと弱ったときにも、タンパク質を朝ごはんに
今月、ちょっと体調を崩してしまいました。胃の調子がよくなく、2週間ほど消化のよいものしか食べられず、朝ごはんにもお粥や何も塗らないパンを少し食べるだけ……という生活を送りました。
本来は炭水化物好きで、トーストとコーヒー、おむすびとお味噌汁みたいなごはんが大好き。
でも、「炭水化物だけじゃだめ、タンパク質も摂らなくちゃ」と、タンパク質朝ごはんを始めてからは必死に食べているので、「消化しやすいし、パンだけがいいよね」と自分を正当化しながらパンやうどん、お粥だけが食べられる暮らしは実はとても楽しかった!
のですが、やはりというか、案の定というか。体力はてきめんに落ちました。
先月は駅の階段を1段飛ばしで上がれていたのに、今ではペースはガクンと落ちてぽてぽてと重たい足取りに。タンパク質を努力して摂っていた意味はあったのだなあ、と失ってみてあらためて気づいたのでした。
胃腸が弱っているときには消化のよいものを……と白粥や素うどんを選びがちですよね。確かに、本当に弱っているときにはまずは傷んでいる胃の粘膜を刺激しないように、消化のよい穀類を食べることが必要。2〜3日はおかゆに素うどんみたいな生活もよいでしょう。
ですが、よくよく調べてみると、その次に修復を考えたときに必要になってくるのは、やはりタンパク質! 卵や鶏むね肉、白身魚などは良質なタンパク質やビタミンが豊富に含まれ、弱った胃腸の回復を助けてくれるのだそうです。
2週間近く、朝ごはんに軽い炭水化物を食べ続けたわたしの食べ方は、守りが過ぎるというか、少し弱気になっていたようです。
ちょっと胃腸が疲れているな、くらいのときならば、消化のよい食材を選びながらタンパク質は積極的に摂っていく。
具体的には、卵(半熟や茶碗蒸し)、豆腐、白身魚などを選び、調理法を工夫してつくり、よく噛んで食べる。それが胃腸が弱っているときの朝ごはんの最適解なようです。
胃腸にやさしいタンパク質朝ごはん
胃腸にやさしいタンパク質朝ごはん①
キャベツと手羽元のことことスープ
消化によい野菜を選んでことこと煮たスープは、文句なしにお腹にやさしい。
アメリカでは体調を崩したときの定番はチキンスープ。鶏手羽元と一緒に煮込めば栄養もたっぷり、体も温まります。
胃腸にやさしいタンパク質朝ごはん②
かぼちゃのチキンのクリームシチュー
乳製品も胃の粘膜を保護して修復してくれる食材です。
消化のよいかぼちゃ、良質なタンパク質が摂れる鶏むね肉を入れたクリームシチューは、もう少し食べごたえが欲しいときに。
胃腸にやさしいタンパク質朝ごはん③
しらすと半熟卵のごはん
消化がよいのは、かたゆで卵よりも半熟卵。胃腸が弱ったときには、半熟卵や温泉卵に頼りっぱなしです。
しらすでタンパク質に加えてカルシウムなどのミネラル分もしっかり摂れます。
胃腸にやさしいタンパク質朝ごはん③
落とし卵のスープとカッテージチーズトースト
キャベツと玉ねぎを柔らかく煮たスープに卵を落とし、半熟に仕上げます。
胃腸のために油分を減らしたいときにはカッテージチーズがおすすめ。タンパク質量も、普通のチーズよりも多いのです。
※ ※ ※
胃腸が悪い、というほどでなくても、ちょっと食べ過ぎで疲れたな、風邪気味だな、というときもあると思います。やさしいタンパク質+炭水化物のごはん、参考にしてみてくださいね。
次回は、体調を崩してしまわないよう、未病のために食べたい食材について考えてみたいと思います。
田内しょうこ(たうち・しょうこ)
「忙しい人のための時短料理」「時間価値を生むシステム料理」をテーマに、書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。セミナーや出張教室のほか、食と暮らし、子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』(英治出版)、『汁かけごはん』(駒草出版)など。
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