(『豆乳 からだを整える基本の食材』より)
からだを冷やさない生活、それだけ
冷えは万病の元です。だから私は、自分の体温より低い温度のものは口にしないようにしています。
内臓が冷えてしまうから。内臓が冷えると体温が下がって免疫力が落ち、冷え性だけでなく、さまざまな病気になりやすくなると考えるからです。
だったら長ねぎやしょうがを食べればいいの? いいえ、それよりも温度が肝心です。素材がもっている効能でからだを温めるという考え方もありますが、それよりも、体温より高い温度の料理を食ベてからだを冷えから守ることをおすすめします。
そして、からだが冷えてから食べるのではなく、普段から冷えないからだをつくることが大事です。
私が最も基本にしているのが、加熱したものを食べること。一般に秋から冬の野菜はからだを温め、春から夏にかけての野菜はからだを冷やすと言われています。
また、寒い国の食べ物はからだを温め、熱い国の食べ物はからだを冷やすものが多いと言われています。
でも、冷たい食材がすべて悪いわけではありません。生では食べず、温かくして食べればそれでいいんです。
豆腐は冷奴より湯豆腐や煮奴、すいかや南国フルーツを食べたら熱いお茶を飲む。これでバランスがとれます。
また、肉より魚のほうがからだにいいと思われていますが、魚は陸で生きているものではないので、陸上生活の我々にとっては宇宙人みたいなもの。
だから食べ方を考えないといけないと思います。
水の中で生きているものは、刺し身で食べるよりも焼いたり煮たり蒸したりしたものを。火を通すことでからだを冷えから守る料理になるんです。
年齢を重ねても、自然のままに、それを受け入れながら、それなりにできることを楽しんでいくのがいいんじゃないかな。
今さらオリンピックの選手になろうなんて無理な話だし、できなかったら無理して継続する必要もないと思うんです。各人が「気持ちがいい」と思える食事をするのが一番。
「気持ちがいい」は自分にしかわらない。それがわかる心とからだをつくりたいですね。
豆乳麻婆豆腐のつくり方
豆腐はフルフルとやわらかく、ソースはとろとろ。
豆板醤の辛さ、豆豉のコク、花椒の香りが溶け合った豆乳ソースがおいしさの決め手。肉なし麻婆です。
材料(2人分)
● 絹ごし豆腐 | 1丁 |
● 長ねぎの小口切り | 10cm分 |
● 太白ごま油 | 大さじ1/2 |
● 豆豉(トウチ) | 10g |
● 豆板醤 | 小さじ1 |
● 豆乳 | 3/4カップ |
● ごま油 | 小さじ1/2 |
● 花椒粉(ホワジャオフェン) | 小さじ1/3 |
● 水溶きくず粉 | |
・くず粉 | 大さじ1/2 |
・水 | 大さじ1/2 |
● 青じそのせん切り | 10枚 |
*豆豉:大豆を蒸したのち、塩漬けにして発酵させ、干したもの。みそとしょうゆを合わせたような味。
*花椒粉:完熟の中国山椒の実を粒のまま乾燥させたものが花椒。その花椒をから炒りしてすりつぶしたもの。
つくり方
1 豆腐はひと口大に切り、ざるに入れて水けをきる。豆豉はざっと刻む。
2 炒め鍋に太白ごま油、長ねぎを入れて火にかけ、香りが立ったら豆豉、豆板醤を入れて炒め合わせ、さらに香りを立たせる。
3 豆腐を加え、続いて豆乳を注ぎ入れ、煮立ったら弱火にしてふたをずらしてのせ、吹きこぼれないように10分ほど煮る。
4 水溶きくず粉でとろみをつけ、ごま油、花椒粉で香りをつける。
5 器に盛り、青じそをのせる。
本記事は『豆乳 からだを整える基本の食材』(主婦と生活社)からの抜粋です
ウー・ウェン(うー・うぇん)
中国・北京生まれ。1990年に来日。ウー・ウェンクッキングサロン主宰。医食同源が根づいた中国の家庭料理とともに、中国の暮らしや文化を伝えている。著書に『ウー・ウェンの100gで作る北京小麦粉料理』『ウー・ウェンの炒めもの』『ウー・ウェンの 煮もの あえもの』(以上、高橋書店)、『本当に大事なことはほんの少し』『10品を繰り返し作りましょう』(ともに大和書房)など多数。近著『豆乳 からだを整える基本の食材』(主婦と生活社)が発売中。
インスタグラム:@wuwen_cookingsalon
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料理家・ウー・ウェンさんが提案する、おいしくヘルシーな豆乳料理の楽しみ方を紹介するレシピ集。豆乳の中国で生まれ育ったウーさんにおいて豆乳は、子どもの頃から慣れ親しんだ味で、あって当たり前のもの。そのまま温めて飲んだり、スープにしたり、鍋やおかず、おかゆやデザートにも変身。絶品のラーメンスープにも。豆乳の、からだを整えるナチュラルな味わいを満載した一冊です。