(『天然生活』2019年12月号掲載)
お米のおいしさを味わうには、炊き方が大切
いよいよ新米の季節です。炊きたてのごはんからは、みずみずしい香りが立ち上り、ごはん一粒一粒は輝くように艶やか。かめばしっとりとやわらかな食感で、甘さとうま味が口の中に広がります。
お米のおいしさを味わうには、炊き方がとても大切です。「最近はお米を洗いすぎているように思います。とぎ汁が透明になるまで何度も洗ってしまうと、お米が本来持っているうま味も洗い流されてしまうので、2回ほど洗うだけで大丈夫ですよ」と飯島奈美さん。
そしてお米を1時間ほどしっかり水につけておいたら、ざるで水を切ったりせず、つけ汁でお米を炊きます。これもうま味を逃さない工夫です。
飯島さんが使っているのは圡楽窯の煮炊鍋。ストウブなどの鋳鉄鍋でもおいしく炊けるそう。炊き上がったらおひつに移すと、よりいっそうおいしく食べられます。
新米の炊き方
1 ボウルにお米を入れて2度洗い、お米1合につき、1カップ(200mL)の水を加え、1時間ほどつけておく(通常時は220mL)。
2 土鍋にお米をつけ汁ごと入れ、ふたをして強めの中火にかける。沸騰したら弱火にし、12分ほど火にかける。
3 最後に香りと音を確認しながら1分ほど強めの中火にして水分を飛ばしてから火を止める(写真は炊き上がった状態)。
4 そのまま5〜10分ほど蒸らす。
5 あれば、おひつにごはんを移す。
※おひつはさっとぬらしてから水けをふいてごはんを入れる。
土鍋にこびりついたごはんはおかゆに
土鍋に残ったごはんにお湯を入れてふたをして蒸らしておくと簡単なおかゆに。おこげがあると香ばしく、よりおいしい。
ごはんはおひつに入れると格段においしく
炊きたてのごはんを木でできたおひつに移すと、ほどよく水分を吸い、よりおいしくなる。また、冷めても味が落ちない。
しゃもじ入れを用意する
木のしゃもじはごはんがつかないよう、水につけておく。専用のしゃもじ入れがあると食卓に映える(写真は圡楽窯のもの)。
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〈料理・スタイリング/飯島奈美 撮影/有賀 傑 取材・文/土屋 敦〉
飯島奈美(いいじま・なみ)
フードスタイリスト。テレビCMのほか、映画『かもめ食堂』『海街diary』、ドラマ・映画『深夜食堂』、連続テレビ小説『ごちそうさん』などを手がける。著書に『ご飯の島の美味しい話』(幻冬舎)ほか多数。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです